inspectionFY2007
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30 の会議を考えていたが、結果的には院生・若手研究者を含む約120名の参加者を得た。 全体の問題意識を表現すれば、次のようになろう。一方では、地球温暖化問題などに刺激され、地域研究者も、いわゆるgeosphere(地球圏)の安定やbiosphere(生命圏)における生物多様性などの多面的な論点に即して、環境の持続性への理解と対応を深めなければならない。しかしそれと同時に、人口の増加や貧困層の生活水準の向上は、これを無理に止めるべきではないのだから、人間の自然へのさらなる介入・改変は不可避でもある。したがって両者の問題意識を融合させ、幅広い文理融合によって、環境の持続性を維持できるような技術や制度を発展させる道を探る必要がある。 討論では、先進国の技術や制度をそのまま移転するのではなく、熱帯の環境の特質を理解し、そこから想を得た技術や制度をどのように発展させていくか、それにはどのような主体の形成が必要かという点が強く意識されていた。森林・バイオマス社会に関する報告には、先端技術による森林再生の問題点を指摘するものからその必要性を説くものまでが並び、その歴史的・社会的含意も問題とされた。実践のレベルでは、当事者の態度や価値観にひそむ問題が議論の焦点となった。 招待したAlfred Crosby、David Christian、脇村孝平、斎藤修、Endang Sukara、Sara Berry、Andrew Walker、Nandini Sunder、David Sonnenfeldの諸氏の報告は、これらの問題の解明への専門的示唆に富むものであった。東南アジア研究所の別のプロジェクトで来日したChris Baker, Pasuk Phongpaichitの力のこもったコメント、総括セッションにおける本COE研究員の3本の小報告も、本プログラムの潜在的貢献の大きさを予想させるものであった。

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