inspectionFY2007
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39 6666.4444 研究イニシアティブ3研究イニシアティブ3研究イニシアティブ3研究イニシアティブ3 本研究イニシアティブは、生存圏研究所と東南アジア研究所のこれまでの研究の蓄積を踏まえ、同じフィールドで共同研究を進逭めて実践的瘩な文理融合を行うものである。近年、森林破壊の著しいインドネシアにおいて、産業植林(HTI)は、持続的瘩森林圏の構築のため重要な役割をもつ。パームオイルプランテーションやアカシア林などはその例であるが、後者は度々近隣住民と紛争を起こすだけでなく、逆に森林破壊を助長することもあり、持続的瘩森林圏の構築が望まれてきた。本研究イニシアティブは、森林資源再生と地域住民の生存基盤の仕組みに関する「再生・適遚用・自立」の方法論にガバナンスの視点を導入することにより、地域社会に支えられた「持続的瘩森林圏」の創生を研究課題とした。 研究サイトの模索 本研究グループは、スマトラのパレンバンにおけるアカシアマンギウムの大規模植林地を種とした研究対象地にすべく、この植林を行っているM社との間で交渉をおこなった。これまで生存圏研究所は、アカシア材の高度利用、廃棄物の利用、樹木の育種改良、といったアカシア林の持続的瘩経営に向けての研究や、植林地の大気・気象観測や炭素の循環計測といった生存圏科学におけるグローバルな意義を位置付ける研究を行ってきた。 M社は、1996年に約30万ヘクタールの産業人工林(HTI)造造営の権利を得、この土地の中で19万ヘクタール余にアカシアマンギウムを植林し、また、小規模な保護林、多目的瘩有用林、および地域樹種の森林をもっている。アカシアマンギウムはチップにされ、T社の経営するパルプ工場に送られるのであった。この会社でも、特に1998年の政権交代以降は、地域社会と紛争が多瘠した。すなわち、土地権をめぐる紛争を中心に、森林の不法伐採、さらに森林火災と深刻な問題となっていた。そこで会社は、特に2000年以降、地域社会との融和をはかるため、それまで伐採などの森林内の作業を少数の地域外の業者に任せていたのを改めて、地域社会内の小規模業者を多数雇用する、さらにMHBM (地域共同森林経営プログラム、Mengelola Hutan Bersama Masyarakat)およびPMDH (森林村コミュニティ育成プログラムPembinaan Masyarakat Desa Hutan)により地域との共存をはかってきた。 これらに対し、地域社会との共生の実現により、持続的瘩なアカシア林経営を可能にするための諸方策を検討する。M社による社会林業、里山振興支援などに関し、住民組織による持続的瘩協働システムの構築の方策を検討する。就業構造造、所得分配郤、社会組織、土地利用、経営調査および意志決定メカニズムの検討などの地域経済社会調査研究により、地域社会における循環システムや地域経済社会システムを明らかにする。またアカシア林の貢献を明らかにし、より持続的瘩資源管理システムを検討する。さらに、小規模経営や複合化のメリットをどう生かすのかを検討する。そして、地域における資源管理の歴史や文化・社会・政治的瘩側面を検討する。さらに合議の伝統をどう生かすのかを検討することを提案した。 また、調査の方法として、フィールドステーションを持つことにより、周辺社会の調査をインドネシア科学院や地方政府からからの調査許可を得、会社や地域社会の理解を得て、地域社会における住み込み調査を実施する、ボゴール農大(IPB)とガジャマダ大学、さ
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