inspectionFY2008
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69 研究研究科にグローバル地域研究専攻を新設するとともに、新専攻のなかに持続型生存基盤論講座を設置し、新規に教授2名を採用することが決まった。今後は、この講座を中核として大学院教育を推進する。 第三は成果出版活動についてである。平成20年度には、学術図書71冊(共著含む)、学術論文243編に加えて、国際シンポジウム講演要旨7冊、ワーキングペーパー78冊(うち英文35冊)を発行することができた。とりわけワーキングペーパーでは、『トルコにおける地震の記憶の活用をめぐって』、『生存圏に宇宙は必要なのかーイノチのつながりと人と世界』、『生のつながりへの想像力―再生産の文化への視点』など、持続型生存基盤パラダイム形成に向けた多角的な試論を発表してきた。今後も、成果出版を積極的に展開する。 第四は広報活動についてである。国内外に向けた成果発信の基礎をなすホームページは、本プログラムの開始直後である平成19年7月に仮ページを公開したのち、情報基盤などを整備し、平成19年11月には日本語ページ、平成20年1月には英語ページを本格的に公開した。その後も改良を重ねており、本プログラムのほぼすべての活動内容をリアルタイムで世界に向けて発信する体制を構築することができた。これに応じてアクセス回数が増加傾向にあり、平成19年度と比較して、英語版の訪問者数は3倍に、ページ閲覧数は10倍となった。今後は、ホームページの内容の充実をさらに進める。 第五は、大学院生・若手研究者に対する支援体制についてである。リサーチアシスタント(RA)の雇用については、本プログラムに関連する大学院生の多くが、アジア・アフリカ諸国での長期のフィールドワークを主たる研究手法とするために、RA雇用が限定的にならざるをえなかった。そこで、RA雇用に加えて、フィールドステーション派遣旅費の支援や若手研究者の自発的研究活動を支援する研究費支援(次世代研究イニシアティブ)を強化した。これにより、大学院生の研究活動を当初計画通りに活性化することができた。同時に、当初の計画にしたがって、アジア・アフリカ人材発掘プログラムを開始した。具体的には、日本学術振興会より若手研究者交流支援事業の助成を得て、アジア・アフリカ諸国の若手研究者を本拠点に招へいして双方向の研究交流を推進する若手研究者交流を実施した。これらの支援を継続して実施する。 このように、共同研究によるパラダイム形成と人材育成のための制度改革を両輪とする本プログラムの構想は着実に進展している。次年度以降においては、上記論文集のほか、いくつかの本格的な研究成果を出すとともに、パラダイム形成の成果を東南アジアにおける森林プロジェクトなどの具体的な研究に反映させる。 拠点リーダー 杉原 薫 自己点検評価委員会委員長 川井秀一 事務局長 河野泰之

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