jikotenken_2012naito
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- 11 - 5.人材育成センターの活動 人材育成センターの主たる責務は、本プログラムにおいて展開される先端的な研究と人材育成を融合させるとともに、文理融合型の国際的人材育成システムを構築することである。そのために推進すべき柱として、次の3つを掲げてきた。すなわち、(1) アジア・アフリカ地域に設置したフィールド・ステーションをさらに発展させ、そこにおいて博士後期課程の(またはそれに相当する)大学院生の積極的な参加を得て、フィールドワークや国際ワークショップを活発に展開すること、(2) 博士後期課程の大学院生・ポスドク研究員・助教からなる若手研究者がプログラム全体に主体的に参画することを促進して、彼らを新世代研究者として育成するとともに、若手研究者がパラダイム形成から個別研究に至るまで実質的に貢献できるよう支援すること、(3) 地域研究の全国的・国際的な拠点としての京都大学の将来構想と連動しつつ、新世代研究者の育成を図るための制度設計をおこない、文理融合型の地域研究の国際的拠点を発展させる戦略立案をおこなうこと、である。 (1) (2) のために、大学院教育部会および若手養成・研究部会を設け、集中的な活動展開をおこなってきた(詳細については、5.1および5.2を参照のこと)。また、若手育成を推進するための具体的施策として、選抜した若手研究者を長期に海外に派遣することをおこなった(詳細については、5.3を参照のこと)。 また (3) については、本プロジェクト終了後に構想していた「京都大学地域研究グローバルユニット(仮称)」に相当するものとして、第3年度においてすでに、本プロジェクト参加部局の中でも大学院教育に特化している京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)において、他の本プロジェクト参加部局の協力を得て、「グローバル地域研究」専攻を新設した。特に、同専攻の中でも「持続型生存基盤論」講座が本プロジェクトによる持続型生存基盤研究と連動しているほか、他の2講座「イスラーム世界論」講座・「南アジア・インド洋世界論」講座でも、持続型生存基盤に関する研究において緊密に連携する体制をとっている。 新専攻設立によって研究と人材育成を融合するための体制スタート後の2年目に当たる本年度は、第2期生8名が入学し、第1期生とともに、教育・研究指導の両面で5年一貫制博士課程の学年が進行した。新専攻を通じて本プロジェクトの発展や成果をただちに大学院教育に直結させることによって、学知を創成し継承するプロセスがきわめて活性化したことが実感される。 5.1 大学院教育部会 大学院教育部会では今年度、主に次の二つのことに取り組んだ。一つは、①大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)の第三の専攻として平成21年4月に設置されたグローバル地域研究専攻のもとで「持続型生存基盤論講座」を開設し、G-COE『生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点』が掲げる持続型生存基盤に関する講義および演習を実施した。いま一つは、②大学院アジア・アフリカ地域研究研究科が掲げる臨地教育を推進する目的でアジア・アフリカ諸国に設置されているフィールド・ステーションを活用し、

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