jikotenken_2012naito
31/180

- 28 - 6.研究イニシアティブ 6.1 パラダイム研究会 研究イニシアティブは、プログラムのメンバーが4つのイニシアティブにわかれて共同研究を行うために設置された。パラダイム研究会は、本報告書の2で述べた「パラダイム形成」という目標を担うとともに、イニシアティブ相互の関連や全体の流れを議論する、本プログラムの中心となる研究会である。 地域研究に社会・制度・経済等のグローバル化の視点を導入することはこれまでも行われてきたが、この研究会ではさらに気候や生態等の自然科学の視点とテクノロジーの視点を取り入れることで視野の拡大を図ってきた。逆に理論・技術の一般化の限界が叫ばれ、研究の複合化が期待される自然科学者や技術者にとってローカルな視点、歴史的視点を導入することは、研究を新たな地平へと導くこととなる。 過去のパラダイム研究会の活動を通じ「生産から生存へ」「圏間のつながり」「生のつながり」「親密圏と公共圏」等のキーワードが生まれた。また生存基盤指数の策定を念頭に置いて「国際規範の指標化」が議論されたことに加え、東南アジアや南アジアといった諸地域の生存基盤をマルチディシプリナリーな視点から長期の発展経路として理解しようとする議論も行われた。パラダイム研究会の活動は4つのイニシアティブの活動に/からスピンオフ/インされ、グローバルCOEとしてパラダイム形成に向けた議論の深化に貢献してきた。 6.1.1 パラダイム研究会の開催 平成22年度には、10回のパラダイム研究会が開催された。詳細は以下の通りである。 「持続型生存基盤パラダイムの構築に向けて」[第27回研究会] 2010年4月19日 杉原 薫 「持続型生存基盤論研究の課題と方法:最終成果に向けて」 藤田幸一(イニシアティブ1) 柳沢雅之(イニシアティブ2) 水野広祐(イニシアティブ3) 速水洋子(イニシアティブ4) 佐藤孝宏(第2パラダイム研究会) 「『地球圏・生命圏・人間圏』書評会」[第28回研究会] 2010年5月17日(月) 谷誠(京都大学大学院農学研究科) 池谷和信(国立民族学博物館) 「インドネシア共同調査報告会」[第29回研究会] 2010年6月21日(月) 全体報告(水野広祐)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です