jikotenken_2012naito
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- 42 - 6.4 研究イニシアティブ2 研究イニシアティブ2では、人間の生存圏(humanosphere)がsustainableであるためには、地球圏(geosphere)や生命圏(biosphere)に蓄積された資源を切り取って利用するのではなく、地球圏における水・熱・大気の循環する力と、生命圏における動植物の再生する力を利用した新しい人と自然の関係について考えることを課題としてかかげた。人間側の論理を前提にするのではなく、地球圏や生命圏の成立の歴史を理解し、その論理を十分にふまえた未来型の技術開発や制度構築を考えるために、我々の活動方針をNature-Inspired Technology and Institutionsとして議論を進めた。2010年度は、国内研究会と国際シンポジウムを通じて考えてきた。以下では、それぞれの活動について述べる。 国内研究会 国内研究会では、特に熱帯地域の気象変動と地域社会の対応を検討する「熱帯の気象変動研究会」、人為的な自然の撹乱が自然をどのように改変し、それが逆に人間社会にいかに影響をおよぼすかを検討する「人為撹乱研究会」、熱帯地域の自然環境の特徴と農業との関係を検討する「熱帯の農業研究資料研究会」とを実施した。これらの研究会は単独で存在するというよりもむしろ、当該テーマのもとで、さまざまな研究会と共催しながら議論を深めるための研究会であった。具体的な研究会の発表者・タイトルは以下の通りである。 � イニシアティブ2研究会(第2回人為撹乱研究会)(2010/7/7) 谷 誠(京都大学 農学研究科 森林水文学分野 教授)「山地河川の水流出量に対する森林利用の影響はどのように評価すべきなのか?」 � イニシアティブ2研究会(イニシアティブ2・4/人為攪乱研究会 合同研究会)(2010/7/13) 平井將公(京都大学東南アジア研究所GCOE研究員)「人口稠密地域における自然利用の技術と制度―セネガルのセレール 社会の事例」 村尾るみこ(日本学術振興会特別研究員PD)「ザンビア西部州における生計活動の再編―移動性の高い女性による 現金稼得から―」 � イニシアティブ2研究会(「中国の環境問題と生存基盤 -公害,環境政策,生態移民-」)(2010/7/23) 別所裕介(広島大学・平和構築連携融合事業(HiPeC) 研究員)「チベット東縁部・黄河源流域の生態移民と民俗文化の行方」 児玉香菜子 (千葉大学文学部日本文化学科・助教)「内モンゴル西部・黒河流域の生態移民と牧畜文化の行方」 張玉林(南京大学社会学系・教授)「生態・環境災難の社会的分配と社会応対:中国山西省を中心に」 山田勇(京都大学・名誉教授)「中国辺境域とアジア海域での生態資源利用の変遷に関わる中国人の役割」 � 「グローバル環境問題をめぐる政策の動向と課題―地域社会との接合を目指して―」 (イニシアティブ2 研究会)(2011/3/27)
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