jikotenken_2012naito
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- 46 - 物多様性チームは、哺乳動物や鳥の分布を、カメラやレコーダーを広い地域に多数設置することによって調査した。 そして、社会経済チームは、タンジュン・ルバン村のバクティ集落において、約70世帯に対して、農家経済調査を実施した。ここでは、農民が利用する土地の一片一片について、面積、泥炭地であるのか、所有の経緯、所有の形態、その利用、生産、販売、投入財の利用、労働力の利用、泥炭地火災の有無、家からの距離を調べた。さらに、出生地や教育・職業などの家族構成のみならず、移民の経験や世帯主の過去の職歴などを調査した。 以上の調査から、タンジュン・ルバン村では、1998年から2007年までに大規模な不法伐採と木材のマレーシアへの密輸が行われていたこと、またこの時期の泥炭地におけるアカシアやユーカリの産業植林、およびオイルパーム栽培の進行によって、これらのために泥炭地の水位が大幅に低下と泥炭地火災の頻発により大規模な泥炭地の劣化が生じたことが明らかになった。 他方、タンジュンルバン村の住民は、土地の分配などによって4-5片の土地を持っており、2-3片はオイルパームやゴムの栽培で利用して生計を維持している一方、1-2片は火災などの理由により土地を事実上放棄していることが明らかになった。イニシアティブ3は、この放棄地を再び泥炭湿地としビンタンゴールなどの泥炭湿地樹種を植林することと提唱した。 さらに、生物多様性チームの研究から、二次林の存在は、火災にあい荒廃した泥炭地の回復に積極的な意味をもつことを、二次林に生息する鳥が荒廃した泥炭地に種を落としてこれが二次林の再生につながっている事実を明らかにした。 そして、本研究は、原生林やアカシア林、オイルパーム、ゴムさらに住民の複合農業を、バイオマス生産のフローとストックを各々X軸、Y軸、さらに生物多様性をZ軸においた概念によって分析可能であること明らかにした。このX軸、Y軸、Z軸は、利潤動機、保全動機、そして生存(サーバイバル)動機に対応することも明らかにした。 このような、フィールド調査にもとづく研究を推進すると同時に、調査の共同研究機関との協力も推進した。 2010年10月20日には、G-COE第3イニシアティブ、リアウ大学において「熱帯泥炭地生態システムの科学的フロンティアの開拓と持続的マネジメント“Scientific Exploration and Sustainable management of Tropical Peatland Ecosystems”」と題する国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムには、インドネシアのボゴール農業大学、ガジャマダ大学、インドネシア科学院(LIPI)の人間とバイオスフィアプログラム(MAB)インドネシア科学院、リアウ大学に属し、これまで泥炭地研究を行ってきた方々がその研究成果を明らかにした。 シンポジウムでは、まず、ボゴール農業大学のボエル氏は、泥炭地炭素排出削減戦略として、法律の遵守と既利用泥炭地の管理の改善を第1の政策とし、第2に泥炭地の回復と火災の防止、さらに土地利用計画および森林からの農地の転換政策の見直しを第3段階とする政策と、これらの実行のための融的および住民へのインセンティブと制度的枠組みについて提言した。一方、同大学のバスキ氏は、カリマンタンにおける研究結果を踏まえて、泥炭地利用によって泥炭層そのものが消失する可能性を強調してボエル氏の炭素排出推計は過剰だとし、その事実も踏まえた泥炭地問題への対処の重要性を訴えた。また、スピヤ
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