jikotenken_2012naito
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- 47 - ンディ氏は、泥炭地保全のための生態系アプローチを唱え、地域ごと事情を踏まえ、ローカル・ノレッジを生かし、保全のための樹種の選定の重要性を唱えた。また、ガジャマダ大学のオカ氏は、同大学チームによる簡便な方法を用いた多数地点の排出炭素計測の方法と結果を紹介した。さらに、愛媛大学の嶋村氏は、泥炭地保全のための水門設置に関し、それが火災防止に役立ちその限りで一層の炭素排出を抑えるが、水門設置自身が炭素排出を抑えるとは限らないことを自らの調査に基づき明らかにした。 シンポジウムの内容は、翌日のリアウポストなどの地元紙に大きく報道された。このように、今回のシンポジウムでは、G-COE研究の紹介とともに、多くの実績のある泥炭地研究者がその成果を発表し経験を交換する場となったのであった。そして、今後のインドネシア泥炭地研究に関し、G-COEをふくめて相互に協力してゆくことが確認された。 このシンポジウムが一つのきっかけとなり、リアウ大学において熱帯泥炭地研究センターが設立された。また今年度に、リアウ大学数理学部内に、京都大学のフィールドステーションが開設され、両大学の研究協力の拠点となり、また、G-COE第3イニシアティブのリアウにおけるフィールドワークを支えている。 6.6 研究イニシアティブ4 本研究イニシアティブは、生存基盤持続型発展のための、地域の知的潜在力を発見し理解することを目的としている。2010年度においては、最終年度における成果出版への準備を視野に入れつつ、人間圏からみた生存基盤の成り立ちに関して、これまで手掛けてきたいくつかの問題、すなわち紛争や災害とリスク、再生産、在来知、科学技術論、貧困論などの観点から理論的に考察すると同時に、世界の諸地域からの事例に基づいて人類学的・社会学的・歴史学的な検討を行った。 最終成果に向けた議論としては、人間圏を親密圏から公共圏へと開いていく価値や関係性に着目することによって視点を転換し、その過程でケア論を中心として、公正と正義の原則を補うもう一つの原理としてのケアと配慮について検討した。成果出版の核となる議論を意識的に立ち上げつつ、それを通じて、人間圏と生命圏をいかにつなぐかという点を中心に、テーマの広がりを確認した。 以下の通り、合計8回の研究会・ワークショップを実施した。 1. 「地域紛争と環境問題:ナイジェリア産油地域で起きていること」2010年4月19日 島田周平(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)「地域紛争と環境問題:ナイジェリア産油地域で起きていること」 コメンテーター:佐藤史郎(東南アジア研究所GCOE特定研究員)、佐川徹(日本学術振興会特別研究員PD) 2. 「親子のつながりワークショップ」 2010年5月15日 速水洋子(京都大学)「趣旨説明」 植野弘子(東洋大学)「娘に何を期待するのか――漢民族社会における親子のつながり再考」
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