jikotenken_2012naito
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- 4 - なお、杉原は、国立大学共同利用・共同研究拠点協議会設立記念 一般公開シンポジウム 「地球環境変化と人類社会」(2010年4月3日、東京大学安田講堂)において、「人類社会の持続型生存基盤パラダイム」と題して講演し、本プログラムの成果を紹介した。 教育・人材養成 本拠点の第二の目的は、パラダイム形成の現場に触れた、本格的な文理融合型研究を担う若手研究者を養成することである。本プログラムの特徴は、21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」によってアジア・アフリカ地域に設置した14ヶ所のフィールド・ステーションを継承・発展させ、フィールドワークから国際ワークショップにいたるまで、研究パラダイム形成の現場に博士後期課程の大学院生・ポスドク研究員・助教からなる若手研究者を主体的に参加させることによって、人材育成と研究を融合させるところにある。そのために、「生存基盤地域研究人材育成センター」を設置して、グローバルな人材発掘からはじめ、研究・教育を経て、国際キャリア支援にいたる、文理融合型の国際的人材育成システムを構築してきた。 また、海外の地域研究拠点(コーネル大学・ロンドン大学・ライデン大学・オーストラリア国立大学等)と連携し、アカデミック・ディベートを通じて地域研究や専門分野を超えたパラダイム形成能力を養成してきた。国際的発信能力強化のために、国際学術雑誌への論文掲載や単行本出版のための支援を行うとともに、コミュニケーション能力の向上や研究会・プロジェクトの企画運営能力の向上を目的とした人材育成プログラムを推進してきた。 これらのプログラムによって、これまでの実績以上の博士修了者を、世界の学術界を先導する大学・研究機関そして世界で活躍する民間企業に送り込む。また、国際連合、世界銀行、世界自然保護連合などの国際機関、政府行政機関、世界各地で活動を展開しているNGOにもアジア・アフリカ研究の専門家を輩出し、持続型生存基盤の構築に向けた国際的な公論形成に貢献する人材や、地域に根ざした技術開発をリードできる人材を供給する。 平成22年度においては、大学院生を対象としたフィールド・ステーション派遣、海外観測拠点派遣支援や論文投稿料支援、若手研究者を対象とした次世代研究イニシアティブ助成や海外派遣助成を実施した。また平成20年度に、アジア・アフリカ諸国の優秀な若手研究者を本拠点に招へいし、最先端の研究現場での議論への参加を促進する若手研究者交流を実施したことを受け、平成21年4月からは、アジア・アフリカ諸国の優秀な修士号取得者を対象として、京都大学への編入により博士号の取得を支援するプログラムを実施している。 これらの成果を踏まえて、新しいパラダイムのもとでの人材育成を制度化するため、平成21年4月より、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科にグローバル地域研究専攻を新設した。そして、新専攻に設置される持続型生存基盤論講座に新規で教授2名を採用した。本講座は、「持続型生存基盤研究の方法」や「国際環境医学論」、「熱帯乾燥域生存基盤論」、「熱帯森林資源論」、「人間環境関係論」、「生存圏科学論」等の科目を提供し、本プログラム終了後の教育・人材育成の中核を担っている。

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