Custom Search

Language

Contents

アンケート

本サイトをおとずれた理由

本サイトをおとずれた理由は何ですか?

  •  プログラム概要閲覧
  •  研究会情報
  •  プログラムメンバー
  •  フィールドステーション
  •  報告閲覧
  •  プログラム成果閲覧
  •  写真閲覧
  •  公募
  •  その他
このアンケートにはさらにもう 2 件、質問があります。
結果
他のアンケートを見る | 96 voters | 0 コメント

ログイン

ログイン

視察報告:インドネシア・ジャワ島中部地震被災地の視察(2007/07/25-28)

2006年5月に発生したジャワ島中部地震で大規模な被害を受けたジョグジャカルタ近郊の農村地帯を、地域研究統合 情報センターの山本博之さんや東京大学の西芳実さんらと見て歩いた。震災被害が最も激しかったイモギリ郡周辺では、まだ瓦礫のまま手付かずの住宅もあった が、すでに多くの農村では震災以前の状況に回復するための復興過程を経て、より災害に強い生活基盤の構築を目指す開発過程へと移行しているように見受けら れた。震災直後に設置された国連人道問題調整事務所(UN OCHA)もすでに引き払われていた。

スマトラ沖地震津波災害の直後からアチェの復興をつぶさに観察されてきた山本さんと西さんによると、アチェとジョグジャカルタでは復興過程に大きな違いが 見られるという。前者では、少なくとも現地社会は、外部からの支援を全面的に受け入れようとしたのに対して、後者では、復興過程の主役は現地の行政組織や 住民であり、外部からの支援はそれをサポートするという位置づけだった。その背景の一つとして、アチェの場合には津波によって住宅やインフラがいわば完全 に破壊されたのに対して、ジョグジャカルタの場合には、震災の数日後には送電が復活するなど、物的な被害が限定的であったという被害状況の違いを挙げるこ とができるが、同時に、震災を契機として外部世界とのつながりを再強化しようとしたアチェと内部社会の結束を再確認しようとしたジョグジャカルタという社 会的な違いも想定できる、ということだった。

工学技術がいくら進歩しても、地震や洪水などの大規模自然災害を完全に防ぐことは不可能である。したがって自然災害からの復興は人類共通の課題である。し かし、いかなる復興過程が適したものであるのかは、地域の歩んできた歴史や地域社会に内在する組織や制度によって異なる。

(文責 河野)