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マレーシアの総選挙に関する研究会(2008/05/04‐05)

日 時:2008年5月4日(13:00-19:00)、5日(10:00-17:30)
場 所:京都大学中央研究総合2号館447大会議室
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
(総合研究2号館は昨年度まで旧工学部4号館と呼ばれていた建物です。)

趣旨
2008年3月に実施されたマレーシアの総選挙で、結成以来これまで30年以上にわたって政権の座についてきた国民戦線(BN)は、政権を維持したものの、解散時の議席を大幅に減らし、また、連邦を構成する13州のうち5つの州議会で過半数を割るという歴史的な「大敗」を喫した。BNは1969年の民族衝突事件を契機に結成された民族・地域別政党の連合体であり、マレーシア社会を3つの民族と2つの州からなる5つのブロックに分け、各ブロックの代表者が政府を構成する「民族の政治」を行ってきた。今回の総選挙では選挙前に少数民族の権利拡大を求める政治運動が行われ、また、選挙で躍進した主要野党が連合して民族別によらないマレーシア政治を掲げており、これらによって「民族の政治」が終わりに向かうとの見方もある。民族の枠組を利用して民族内の改革を求める動き、民族間の関係を結びなおそうとする動き、そして地方の論理が絡み合い、マレーシア政治はどこに向かおうとしているのか。マレーシアの各分野の専門家による現地報告や分析をもとに、総選挙の結果と今後のマレーシア政治の行方を検討する。

プログラム:

5月4日(日) 13:00-19:00

基調報告「BN体制とは何か:仕組みと特徴」鳥居高(明治大学)

セッション1 BN体制の変容?――マクロ政治からの視座
「データで見る第12回総選挙結果の特徴」中村正志(アジア経済研究所)
「政治システムは変わるか――2008年総選挙における3分の2議席割れの政治的意味」金子芳樹(獨協大学)
「争点と政策空間の変容からBNへの投票行動を説明する」鈴木絢女(日本学術振興会特別研究員・東京大学)

セッション2 BN体制への対応(1)――民族別の改革の試み
「華人がいま代表者に求めている役割」篠崎香織(在マレーシア日本大使館)
「マレーシア・イスラーム党(PAS)の新路線と第12回マレーシア総選挙」塩崎悠輝(同志社大学大学院/在マレーシア日本大使館)

5月5日(月) 10:00-17:30

セッション3 BN体制への対応(2)――民族間関係の再編の試み
「新世代と『オールタナティブ・メディア』:総選挙の裏側で起こっていた地殻変動」伊賀司(神戸大学大学院)
「「新党」は政治変革をもたらすのか:マレーシア政治の視点から」川端隆志(外務省)

セッション4 「地方の論理」をどう読み解くか
「トレンガヌ・マレーの選択:なぜ、スイングしなかったのか」河野元子(京都大学大学院)
「なぜサラワクとサバではBNが「圧勝」したのか」森下明子(日本学術振興会特別研究員・京都大学)
「「サバBN圧勝」と「サバ人のサバ」のゆくえ」山本博之(京都大学)

総合討論

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主催:
関西マレー世界研究会(世話人:山本博之、河野元子)

共催:
京都大学地域研究統合情報センター
科学研究費補助金基盤研究A「ポスト・グローバル化時代の現代世界:社会の脆弱化と共存空間の再編」(代表・押川 文子)
科学研究費補助金基盤研究B「グローバル化時代の民主化と政軍関係に関する地域間比較研究」(代表・玉田 芳史)
京都大学東南アジア研究所『比較の中の東南アジア』研究会
東南アジア学会関西例会
日本マレーシア研究会関西例会

企画・運営
山本博之、河野元子、鈴木絢女、村上咲
  • マレーシアの総選挙に関する研究会(2008/05/04‐05)
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