日 時: 12月8日(月) 16:00~19:00
場 所: 宇治キャンパス E棟共通会議室(E114N)
(会議室へのアクセスはPDFファイルをごらんください.
1階ですが,工事の都合上3階に上がっていただいてから1階に下りてもらっています)
【発表趣旨】
GCOEでは単行本の出版を予定していますが,イニシアティブ3班の内容を含む章の執筆者による打ち合わせを下記のとおり行います.執筆途中である原稿を持ち寄って,内容の検討を行うものですが,議論にご興味のあるかたにはぜひ参加して頂きたいと思っております.今回は宇治で行いますので,ご都合のつく方には参加して頂き,アドバイスをいただけたら幸いです。
-------本の構成-------
『生存基盤とは何か アジア・アフリカから地球環境を考える』
杉原薫・川井秀一編
第3編 森林からの発信-バイオマス社会への展望
川井秀一:熱帯人工林の創出と定着(仮)
藤田素子:大規模熱帯植林地における生物多様性の維持は可能か?
石川登:歴史のなかのバイオマス社会
渡辺隆司:産業構造の大転換-バイオ・リファイナリーの衝撃-
まず全体的な方向性として,川井先生による人工林に関する総論が述べられたあと,藤田が生物圏への影響を述べ,石川先生による歴史的な視点,渡邉先生による未来を見据えた視点と続く対比的な構成になっていることが確認された.本全体のなかでは,これまでのGeosphere的な価値観を,Biosphereベースの価値観へと転換するための章である.川井先生の節ではバイオマス生産の維持機構として,ストックの維持・フローの利用が重要であることを強調するべきだということだった.藤田の節では,ランドスケープという言葉が,移動性が高く上空を使う鳥類の生息する空間・時間軸を考慮したうえで,適切かどうかが議論された.今後の管理形態を考えていくうえで,生物多様性の変化に時間軸をどう組み込むかを議論する必要がある.それと関連して,人工林が良いというメッセージを出すつもりはないが,そう取られかねない表現には気をつけたほうがよいということになった.石川先生の節では,バイオマス資源の種類の変化に応じて,社会的な構造や生業のありかたが変化することが論じられたが,Humanodiversityの減少という問題を提起するにあたってその言葉の定義を考える必要があった.結局はBiosphereへのさわりかたのdiversityが変化するということとなった.渡邊先生の節ではバイオリファイナリーの歴史的背景を述べたうえで,社会の産業構造の変革にどう影響するかという問題点をどう書くかが議論された。
(文責者 藤田素子)
サイト管理者はコメントに関する責任を負いません。