日 時:2009年7月7日(火) 16:00~
場 所:東南研東棟105
Nevins, Joseph and Nancy Lee Peluso (eds.) 2008 Taking
Southeast Asia to Market. Cornell UP.を読みます。各章すでに参加希望者に
割り当て済みですが、ご関心のある方はお越しください。
ご質問・ご関心のある方はGCOEの生方(fumi [at] cseas.kyoto-u.ac.jp)あるいは
木村(skimura [at] cseas.kyoto-u.ac.jp)までお問い合わせください。
【活動の記録】
第3回目となる今回の勉強会では、Joseph Nevins & Nancy L. Peluso(編)Taking Southeast Asia to Market: Commodities, Nature, and People in the Neoliberal Age(Ithaca: Cornell University Press、2008年)を取り上げた。研究会ではまずメンバーの生方(CSEAS)が本書を取り上げた趣旨を説明し、それに引き続き、イントロダクションから結論までの各章を、あらかじめ割り当てていた分担に従ってメンバーが要約し、それぞれ15分~30分程度、内容について議論した。本書はイントロダクションと結論を合わせて14章構成であり、メンバーの佐久間、秋山(ASAFAS)、内藤(CIAS)、宮本、生方、木村(CSEAS)がそれぞれ2章程度担当した。
本書は東南アジアにおける、とりわけ現代的な現象としての「商品化」(筆者たちは「ネオリベラリズムの時代における労働と『自然』の商品化」という言葉遣いをする)やグローバルな商品連鎖に焦点を当て、インドネシアの木材やコーヒー・海産物、ベトナムの女性労働者、マレーシアのバイオテクノロジー、ラオスの森林プランテーションとパルプ生産、タイ南部でのサトウキビとエビ養殖、など様々な題材を扱ったものである。議論は、各章の内容をメンバー個々の関心(農林産物の認証、有機農業、資源管理など)に引きつけながら進められたが、メンバーの共通した感想として、編者たちが強調している「ネオリベラリズム」が何を指しているのかが曖昧であり、各章の内容が拡散している、ということがあった。こうした問題点について、本書のもとになった、カリフォルニア大学バークレー校東南アジア研究センターで2005年に行われた”Producing People and Nature as Commodities in Southeast Asia”というシンポジウムに参加していた石川(CSEAS)から状況やその後の出版プロセスを聞けたことは、議論を進めるうえで大いに役立った。
また今後の予定として、次回9月にArun Agrawal著Environmentality(Duke UP、2005年)、10月にCori Hayden著When Nature Goes Public(Princeton UP、2003年)を取り上げることを確認した。
(木村周平)
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