発表者: 工藤正子(京都女子大学)
演 題:
在日ムスリムとしての自己の構築プロセスにみる差異の重層性:パキスタン人ムスリムと結婚した日本人女性たちの事例から
【要旨】
日本に「ニューカマー」とよばれる外国人が増加し始めて約20年が経過した。そのなかには、日本人と結婚して家族を形成する人々もふえてきており、日本社会の多元化において重要な位置を占めつつあるといえるだろう。本発表は、そうしたケースのなかで、関東圏におけるパキスタン人ムスリム男性と日本人女性との国際結婚をとりあげ、結婚を機にイスラームに改宗する日本人女性の宗教的自己の形成過程に焦点をあてる。彼女たちの自己形成のプロセスに、トランスナショナルな生活世界に交差する重層的差異がいかに関与しているのかを考察することが発表の主な狙いである。また、「外国人ムスリム」として他者化されがちな夫たちの位置どりや、これら国際結婚の夫婦の一部で近年生じているトランスナショナルな家族の分散にも目を向け、それらとの関連において日本人女性配偶者たちの位置や自己形成について議論し、そこにみられる複雑な差異の交差が現代日本の多元化に示唆するところを考察したい。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
【お問い合わせ先】
小池郁子(5月例会担当)
田中雅一(京都人類学研究会代表)
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