日 時:2009年6月2日(火)
場 所:東南研東棟105
Tsing, Anna(2005)Friction: An Ethnography of Global
Connection.Princeton UP. 輪読
詳細は木村(skimuracseas.kyoto-u.ac.jp)まで
【活動の記録】
今回はAnna L. Tsing著Friction: An Ethnography of Global Connection(Princeton University Press、2005年)の前半部分を木村のペーパーをもとに議論し、また今後の計画について話し合った。参加者は秋山、加藤、佐久間(以上ASAFAS)、内藤(CIAS)、生方、宮本、木村(CSEAS)である。
議論は特に第2章The Economy of Appearancesに焦点があたった。この章は東南アジアを襲った通貨危機の直前に国際的な金融業界をにぎわせた、カリマンタンでの巨大金鉱発見のニュース(のちに実は全くの嘘であったことが分かる)の顛末が記述されている。それを通じて筆者は、金融経済がそうした、フロンティアをめぐるある種の幻影(見せかけの経済The economy of appearance)と共にあることを論じている。さらに、この出来事を通じて、地域/国家/グローバルなスケールが分節化されていく様子も描き出されており、これはG-COEのほかの研究会でもよく挙がる「地域とは何か」という問いに対する答えを考える上でも示唆的である。
また、今後の計画としては、J. Nevins and N. L. Peluso(編)Taking Southeast Asia to Market(Cornell UP、2008年)やKim Fortun著、Advocacy after Bhopal: Environmentalism, Disaster, New Global Orders(Chicago UP、2001年)、S. Jasanoff, and M. L. Martello(編)Earthly Politics: Local and Global in Environmental Governance(MIT Press、2004年)、B. Latour, Bruno著、Politics of Nature: How to Bring the Sciences into Democracy(Harvard UP、2004年)などが候補に挙がった。
(木村周平)
[tag: イニシアティブ4 環境・制度・STS・人類学に関する勉強会]
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