日 時:2009年 6月13日(土) 13:30~17:30
場 所:関西大学千里山キャンパス総合研究棟2階
(キャンパス案内は http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html
を参照してください)
1. 13:30~13:45 西村昌也(関西大学文化交渉学教育拠点)”関西大学フエ調査
プロジェクト概要紹介”
2. 13:45~14:10 西村昌也”Quang Thanh社Hoa Chau城遺跡の調査初歩報告”
3. 14:10~14:50岡本弘道・篠原啓方・西村昌也(関西大学文化交渉学教育拠
点)”フエ都城外港集落Huong Vinh社明郷村の天后宮と関帝廟、ならびに”明郷
人”の実像について”
14:50~15:10 休憩
4. 15:10~15:50 Nguyen Thi Ha Thanh(グエン・ティ・ハー・タイン:関西大
学文化交渉学教育拠点) ”Huong Vinh社Dia Linh村とThanh Ha村の地簿資料につ
いて”(通訳あり)
5. 15:50~16:20 蓮田隆志(京都大学東南アジア研究所)”フエ伝統地方文書の
特性について”
16:20~17:30 コメント&ディスカッション
コメンテーター 松尾信之(名古屋商科大学)ほか
内容:
関西大学文化交渉学教育研究拠点は、グローバルCOEプログラムのもと、大学院
生の教育実習もかねてフエ都城周辺で”集落”をキーワードにした3つの研究プロ
ジェクトを行っています。今回はそれらの中間報告を行います。
1. Hoa Chau城はQuang Dien県Quang Thanh社に位置する、全周5000mを超える大
型城郭遺跡である。当遺跡は、陳朝期以降大越が利用した城郭拠点とされ、城郭
の最初の建設時代あるいは建設主体者がチャンパなのか大越なのかについて、あ
まり明瞭にされてこなかった。本研究は、測量と小規模な試掘をもとに、城郭の
構造を明らかにし、その構築法や構築年代について新出議論を加えることを目的
としている。また、現在、城郭内にある伝統集落の歴史的深度、チャンパの遺
物・遺溝とされるものへの再論も行う。
2. Huong Vinh社のHuong川左岸地域は、広南グエン阮氏時代(17世紀)から、外
港として栄えてきた。社北部のMinh Huong村(明郷)からDia Linh村(地霊)に
かけては、明郷人が建設した天后宮と関帝廟があり、祠堂や各信仰施設、さらに
は家並みや各種資料が、その歴史を留めている。それらは陳荊和などにより文献
史学的研究が進められてきた。ただ、実地調査による文化・歴史の諸側面はそれ
ほど明らかにされていない。本報告では華人系ベトナム人としての明郷人の実
像、あるいは、華人やMinh Huong村の周辺集落との関係、明郷人の信仰体系の中
心となる天后宮や関帝廟などについて、地理的調査、観察調査・聞き取り調査・
資料収集などをもとに基礎的な報告を行う。また、Dia Linh村やThanh Ha村のフ
ランス時代の地簿資料についての初歩的分析結果も報告する。
3. Hue周辺の伝統集落では、各集落が各種伝統地方文書を継承・保管している例
が非常に多い。それらの実態は、部分的な報告・研究はあるものの、全体的な姿
は明らかにされていない。本プロジェクトはトヨタ財団の助成をもとに、集落の
地方文書群を、集落の長老達が共同管理する村の行政や信仰関係の文書を中心と
する”村落地方文書”と氏族の族譜や財産関係文書などを中心とする” 氏族地方文
書”の二つに分け、文書群の実態を理解し、資料データの恒久保存を行い、今後
の研究・保存・活用の指針を作ろうとするものである。これまで調査を行った
Duc Buu、My Loi、Ha Thanh、Thanh Trungの各集落での調査から、代表的な文書
保管例、保管や管理の実態、文書群の性格と主内容などについて報告する。
世話人・連絡先
片岡樹・kataoka(at)asafas.kyoto-u.ac.jp
倉島孝行 tkurakura(at)hotmail.com
蓮田隆 hsd(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 yhayami(at)cseas.kyoto-u.ac.jp