日 時:2009年06月24日(水) 17:00~19:30
場 所:京都大学総合博物館2階セミナー室
アクセス:
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/indexj.html
主 催:京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」実行委員会
参加者は事前登録が必要ですので、参加ご希望の方は、下記連絡先までお申し込みください。
事前登録先:visual-media.practices[at]cias.kyoto-u.ac.jp(実行委員会事務局)
講 師:清水展 (京都大学東南アジア研究所)
【プログラム】
上映
1. The Kayapo: Out of the Forest
2. Tribal Video
講義
2本のドキュメンタリーを上映した後、映像という表象を利用した政治・文化運動の可能性と問題性について、「誰が誰を何のために表象するのか」という基本的な視点をふまえて考えてみたい。ちなみに、2本目の作品に関係しているキッドラット・タヒミック氏は、今年度12月11日から13日まで開催される第13回京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」のセッションに参加する予定です。
【上映映像】
1.”The Kayapo : Out of the Forest”
[VHS, 1989, London : Granada LWT International, 53minutes]
ブラジル・アマゾンのシングー川の流域に暮らす先住民・カヤポの、水力発電ダム建設反対運動を記録したドキュメンタリー。映像を通じて、伝統文化と自然環境を守るために戦うことも厭わない戦士という自己表象を世界のメディアに発信することをとおして、ブラジル政府にダム建設計画を撤回させることに成功した。映像人類学の古典・記念的作品。"User Friendly"な近代技術を弱者の武器として活用して、運動を成功裡に展開した過程が描かれている。
2.”Tribal Video”
[DVD, 2001, by Kidlat de Guia 自主制作, 30分]
フィリピン・ルソン島北部山地の先住民・イフガオのハパオ村において、ドキュメンタリー映像作家のキッドラット・タヒミックが村民にビデオ・カメラを用いた撮影と編集の技術指導をしたワークショップと、ビデオを用いて伝統文化を撮影・記録する村民の活動のドキュメンタリー。2002年にDiscovery Channelの若手ドキュメンタリー賞を受賞。
キッドラット・タヒミックは、『悪夢の香り』(1978)や『僕は怒れる黄色・虹のアルバム94』(1994)などで有名なオル
タナティブ映画監督、文化活動家。ハパオ村で住民主導の植林運動を進める指導者(ロペス・ナウヤック氏)の活動を10年以上にわたって記録し、『フィリピン・ふんどし・日本の夏』(1996)、『聖なる木(Banal Kahoy)』(仮編集版 2002)など数編の作品を制作している。
[参考文献]
清水展 2007「文化を資源化する意味付与の実践:フィリピン先住民イフガオの村における植林運動と自己表象」山下晋司(編)『資源化する文化』弘文堂 pp.123-150。
清水展 2003 『噴火のこだま:ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』九州大学出版会、第3章「他者を表象すること:フィールド・ワーク、民族誌・コミットメント」。
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