日 時:2009年12月12日(土)10:30-12:30
場 所:総合研究2号館4階 第2講義室(AA415)
報告者・タイトル:
応地利明 「2つの都城思想とその展開――インド世界と中国世界」
内容:
日中両国では、「都城」は、「①周囲に城壁をめぐらした都市であって、②従来の慣例から中国・朝鮮・日本に限定するのがふつう」(関野雄)と定義される。しかしユーラシア大陸をみわたすと、①の囲壁は都市また大村落の普遍的な施設であって、その有無でもって「都城」という特別な都市を定義することはできない。またインド世界は中国世界とならぶ都城思想を析出していて、②の限定も無意味である。したがって、①・②の都城規定はなり立たない。本報告では、都城の概念をあらたな観点から定立して、都城を「東アジア的バイアス」から解放するとともに、都城思想をもとにアジア都市史研究への展望を述べる。