日 時:2010月2月4日(木)13:00~16:30
場 所:京都府丹後農業研究所 講堂(2階)(京丹後市弥栄町黒部)
棚田は、山と里と海をつなぎ、ふるさとを形作る、地域と自然と生活の基盤として、先人が切り開き、人々の歴史と共に営々として受け継がれてきました。棚田は豊かな自然環境と人々の生活を育むとともに、人々に自然と調和した美しい景観を提供する地域の資源でもあり、また、水を貯めて、人々の生活を潤し、国土を保全する自然のダムとして人間社会の安心と安全にも深く寄与してきました。
しかし、大規模化・効率化できない棚田での米づくりは多くの労力を要し、地域では過疎・高齢化と耕作放棄が進み、棚田の荒廃は鳥獣害のいっそうの深刻化を招き、多面的機能を失うことにより、人々の生活の安全をも脅かされるに至っています。
他方で、棚田を保全し、甦らせるための様々な企画・取組・活動が展開されています。それは地元住民だけにとどまらず、都市住民との交流を深めながら、行政や大学・研究機関などとも協働した創意工夫ある取組が各地で展開されています。
丹後地域においても、伊根町新井の千枚田、袖志(京丹後市丹後町)や上世屋(宮津市)など各地で様々な取組が行われています。棚田で培われ伝えられてきた技術や文化は、「効率化」とは違った視点での棚田の価値と活用の再発見を示唆しています。そして、これまでの棚田保全活動の経験により、棚田の存在価値と継続的に活かしていくための課題も少しずつ浮き彫りになりつつあります。
これまでに丹後地域で取り組まれてきた棚田保全活動を検証し、「棚田を保全すること」の意味と意義、課題を考えるフォーラムを開催し、これからの棚田保全活動や地域と都市部との関わりなどを検討するために、「丹後・棚田フォーラム『棚田のいま、これから・・・』」を下記のとおり開催しますので、関係者の皆様や興味のある皆様方にご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
内 容 講演と取組事例報告、パネルディスカッション
(1)講 演
1 アジアの中山間地農業から棚田農業と日本の保全活動を
考える
[講師]安藤 和雄(京都大学東南アジア研究所教授)
2 丹後の棚田における「こなわ・かんだ」の役割
[講師]中村 均司(丹後農業研究所所長)
(2)取組報告
1 上世屋における棚田復活と稲作の取組
[講師]井之本 泰(合力の会 代表)
2 新井千枚田での「都市農村交流」稲作と棚田保全
[講師]福満 敏博(伊根と新井の千枚田を愛する会 代表)
(3)パネルディスカッション
『棚田のいまとこれからを考える』
[コーディネーター]中村 貴子(京都府立大学生命環境科学研究科助教)