日 時:2010月3月4日(木)13:00~18:30
場 所:東南アジア研究所 稲盛財団記念館3F 小会議室
(京都市左京区吉田下阿達町 46川端通り荒神橋東詰め)
【プログラム】
13:00~13:20 趣旨説明
小林 知(東南アジア研究所・助教)
13:20~14:30 発表(1)
「市場経済移行後のカンボジアにおける外資の役割:現状と課題」
ンガウ ペンホイ(名古屋大学大学院国際開発研究科・助教)
14:35~15:45 発表(2)
「プノンペンにおける小規模縫製業の自律的発展の可能性」
柴沼晃(政策研究大学院大学・博士課程院生)
15:45~16:00 ブレイク
16:00~17:10 発表(3)
「持続的なビジネスの発展と社会的投資の役割」
功能聡子(ARUN・代表)
17:10~18:30 ディスカッション
コメンテーター1: 矢倉研二郎(阪南大学経済学部・准教授)
コメンテーター2: 山田裕史(上智大学アジア文化研究所・PD)
※終了後、懇親会を予定しています。
連絡先:小林知(東南アジア研究所、kobasa[at]cseas.kyoto-u.ac.jp)
※以下、発表要旨:
(発表1)
1993年の総選挙後、カンボジアは経済構造改革を強いられた。その政策の一つは、破壊された国内経済を外国直接投資(以降、外資)で賄うことであった。
1994年に、外資の積極的な導入を促す投資法(Law On Investment: LOI)が制定されたことにより、縫製を中心とした産業が発展し、その後のカンボジア経済成長のエンジンとなっている。しかし、外資による縫製分野への一極集中的な投資は、外部ショックに弱く、さまざまな課題も露呈している。本発表では、マクロ経済の観点からカンボジアにおける外資の役割を振り返り、その現状と課題を考えたい。
(発表2)
大規模縫製工場による輸出指向型生産は、輸出と雇用の増加を通じてカンボジアの経済成長に貢献してきたが、その発展は海外からの直接投資動向という外的要因に依存する上に、国内での資本蓄積に繋がりにくいという課題がある。本発表では、プノンペンにおける縫製業の家族経営事業所の集積に注目し、これらが自律的発展の軌道に乗り、カンボジアの経済成長の新たな担い手となるための条件について検討する。
(発表3)
貧困削減、女性の自立などの社会課題の解決は、従来、海外からの支援やNGOの活動により行われてきたが、近年、援助に依存しない持続的なビジネスによる方法で取り組む起業家が増えている。本報告では、カンボジアのローカルNGOを例にとり、援助を受ける側からビジネスの主体へと変化する過程での課題、特にそこに必要とされる新しい金融の仕組みについて検討する。