【演題】
呪詛か、あるいは政治批評か?
―ウガンダ東部アドラ民族の流行歌を通して―
【発表者】
梅屋潔(神戸大学大学院 国際文化学研究科 准教授)
【コメンテータ】
白石壮一郎(関西学院大学大学院 社会学研究科 特任助教)
【要旨】
ウガンダ東部トロロ県を中心にすむアドラ民族は、歌と踊りを盛んに行うことで知られている。葬送儀礼の挽歌(ajore)、雨乞い、呪詛(lam)、そして週末の宴などの席でロング・ドラム(fumbo)、弦楽器(tongol)、板と撥による打楽器(teke)といった楽器の演奏にあわせて歌い踊る。宴会でなかば即興的に歌われるもののなかには、実際の時事をあつかった歌詞も多い。本報告では、そのなかから1960年代から1970年代ごろの出来事、特にアミン政権(1971-1979)を中心として歌われたものをとりあげる。歌詞の背景にある史実と照らし合わせて、またのちにいくつも作成された歌の歌詞も視野に入れつつ歌詞にあらわれた出来事についてtipo(死霊の祟り)、lam(呪詛)、juogi(死霊)、kiddada(毒)などに彩られる当該地域の現代史解釈と評価の独自性を分析する。一般にコロニアル、あるいはポストコロニアル・エリートたちが妬みからウィッチクラフトの対象となることはよく知られている(逆に予言者などの力で現在の地位を得たのだ、と語られることもよくある)。本報告では、当該地域で具体的に誰が、どのような形で、ウィッチクラフトとかかわりを持ったと考えられているの
か詳細に検討する。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は資料代として200円いただきます。
*京都人類学研究会は京都を中心とする関西の
人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・
研究者がその研究成果を報告する場です。
どなたでも自由に参加いただけます。
【お問い合わせ先】
京都人類学研究会事務局
inq_kyojinken[at]hotmail.co.jp <mailto:inq_kyojinken[at]hotmail.co.jp>
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