Custom Search

Language

Contents

アンケート

本サイトをおとずれた理由

本サイトをおとずれた理由は何ですか?

  •  プログラム概要閲覧
  •  研究会情報
  •  プログラムメンバー
  •  フィールドステーション
  •  報告閲覧
  •  プログラム成果閲覧
  •  写真閲覧
  •  公募
  •  その他
このアンケートにはさらにもう 2 件、質問があります。
結果
他のアンケートを見る | 96 voters | 0 コメント

ログイン

ログイン

「インドネシア共同調査報告会」[第29回研究会] (G-COEパラダイム研究会)

【活動の記録】

日 時:2010年6月21日(月)  16:00 ~ 18:00(その後懇親会あり)
場 所:京都大学東南アジア研究所  稲盛財団記念館3階大会議室 中会議室へ変更
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/about/access_ja.html

 
16:00-16:10 全体報告(水野広祐)
16:10-16:40 バイオマスチーム(川井秀一・渡辺一生)
16:40-17:10 多様性チーム(鮫島弘光・藤田素子)
17:10-17:40 社会チーム(水野広祐・増田和也)
17:40-18:30 全体ディスカッション

【活動の記録】
5月末から6月初旬インドネシアのリアウでに行った調査と調査チームの概要について代表の水野教授から説明があった。調査は大きく以下の3つの研究チー ム、(1)バイオマス生産・炭素フロー・水の管理に関する研究を行う「バイオマスチーム」、(2)生物多様性の保護に関する研究を行う「生物多様性チー ム」、(3)泥炭地と周辺に居住する人々について社会経済的視点で研究を行う「社会チーム」、によって行われる。今回の調査では、シナルマス社、 LIPI、林業省、リアウ大学、NGOなどと対談し、8月から本格的な調査に入ることを確認し、今後の調査では3チームの協力体制を確立した上で、持続的 な泥炭地の管理モデルを確立する足がかりを目指す。
 

各チームの代表者から行われた調査報告は以下に記す。
 

(1)バイオマスチーム
渡辺一生研究員より、今回の調査を取り巻く社会的な背景(地球温暖化問題とREDD Plus)、それに必要な要素研究、今回の調査との関連性について説明があった。バイオマスチームの調査目的は、土壌・植生・大気間の炭素や水、エネル ギーの収支をフィールド調査とリモートセンシングの技術で分析し、泥炭地のバイオマス利用を持続可能にする方法を見出すことにある。今回の調査にて、植生 の種類と特性(樹高など)と水質のデータを集めた地点ならびに移動ルートについて、地図上に示しながら報告があった。また、川合教授からは、本調査に関連 するJST、JST-JICA、SCFへの申請状況や予算獲得状況に関する報告があった。
 

(2)生物多様性チーム
研究の目的、現状、今後の方針について鮫島弘光研究員と藤田素子研究員から報告があった。生物多様性チームは、森林や泥炭地の破壊による生物多様性への影 響を明らかにし、影響を低減できる解決法を見出すことを目的にしている。森林や泥炭地破壊の状態、プランテーションを管理するシナルマス社の(現状では少 々貧弱な)生物多様性のモニタリング方法についての説明があり、その後、今後の調査についての説明があった。すなわち、赤外線カメラを設置して生物の種類 と数を測定するRCT法、録音した鳥類の鳴き声から種類と数を特定する方法を用いて、シナルマス社との協力の下、調査を行っていく予定である。
 

(3)社会チーム
増田和也研究員より調査地、問題点、調査方針について説明があった。調査対象は、海岸地域で古くから伝統的な生活を営む人々の住む①Tanjung Leban、それから、内陸地域に移住してきた人々の住む②Air Rajaの2つの村である。問題点としては、①では、伝統的なゴム栽培から経済性の高いアブラヤシに取って替っていくこと、②では人口の増加に伴い、泥炭 地への耕地拡大が進むことなどがある。問題解決には、泥炭地の問題とアブラヤシ栽培の拡大の関連性を明らかにし、政府、村、シナルマス間の泥炭地問題に関 する考えの違いを調査する必要がある。
 

発表後には質疑応答が活発に行われた。いくつかの議題を以下に箇条書きにする。
●NGOが調査データを公表するとデータが会社にうまく利用される場合がある、と心配しているが、それを防ぐためには会社からお金をもらわない、雑誌に投 稿する際に提言しない、等の方法がある。また、NGOもうまく利用すれば、気にする必要はないとの意見もある。
●持続性を測るには天然林との比較が必要ではないか?
●協力体制を作るには、各組織の顔となる人と話し合う必要がある。これまでの関係ではなく、実際に話を通せる立場にある人が必要である。
 

(文責者 定道 有頂)