日時:2010年11月19日(金)18:00開場 18:30開始
場所:京都大学文学研究科新館5階社会学共同研究室
(参加人数によっては、総合研究2号館(旧・工学部4号館)第8講義室に移動します)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/about/access/
※終了後懇親会を予定しております。ぜひご参加ください。
【演題】
「平等的カースト性」を求めて
―現代北インドにおける「改宗仏教徒」の宗教儀礼実践の様相から―
【発表者】舟橋健太(京都大学 東南アジア研究所 グローバルCOE研究員)
【討論者】杉本星子(京都文教大学 人間学部 教授)
【要旨】
往々にしてインドとほぼイコールで結びつけて語られるものに、「カースト制度」がある。このカースト制度の最下層に位置するとされているのが、「不可触民」(ダリト)とされる人びとである。独立前後期より、さまざまなかたちでの不可触民解放運動/ダリト運動が活発にみられており、そうしたひとつに、仏教改宗運動がある。すなわち、かれら「不可触民」の間で、独立以降、仏教への改宗の動きが漸進的に増加していると認められるのである。それでは、かれら「改宗仏教徒」たちは、どのように改宗に至り、どういった生活を送っているのであろうか。特に、改宗仏教徒の宗教儀礼実践に焦点をあてて、その混淆性と選択性に着目しつつ、かれらが改宗以前の過去(自己のカースト性)と完全に断絶するのではなく、また他者関係、とりわけ親族・姻族関係においても断絶することなく、むしろ、継続性・共同性を希求・主張している様相を検討したい。そこにおいては、平等主義を標榜したブッダや中世の詩聖人であるラヴィダースとの系譜の同一性が唱えられ、同一カーストの非仏教徒(ヒンドゥー教徒)との共同性が主張されることになる。これはつまり、現代北インドに生きる改宗仏教徒たちによる、「平等的カースト性」の追求・主張であるといえるのではないだろうか。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は資料代として200円いただきます。
*京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。
どなたでも自由に参加いただけます。
【お問い合わせ先】
京都人類学研究会事務局
inq_kyojinken(at)hotmail.co.jp
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