日 時:2011年1月15日(土) 13:30~18:00
場 所:稲盛財団記念館小会議室I
【プログラム】
1.「東北タイ・ドンデーン村における半世紀にわたる現地調査とその時空間データベースの構築について」
渡辺一生(京都大学東南アジア研究所)
東北タイ・ドンデーン村では、1964年から現在まで分野融合型の集落定点調査が継続されている。発表者は現在、約8000区画に上る農地図及び260世帯の集落地図を基に、これら膨大かつ多岐に渡る調査情報のGISデータベースを構築中である。
本発表では、ドンデーン村における調査の性格や調査情報のデータベース化についてに説明し、地域研究におけるGIS利用の有効性やモデリングなどについて議論する。
2.「野外でのデータ収集におけるデジタルペンの活用(仮)」
石川正敏(東京成徳大学経営学部経営学科)
PDA、スマートフォン、GPSなど様々なモバイルデバイスの普及に伴って、様々な分野の野外調査で、モバイルデバイスの利用が進みつつある.しかし、モバイルデバイスには、動作不良や電源などの問題にから、長時間の野外でのデータ収集に不向きなものも多い.一方、従来の紙とペンを使ったデータ収集は、モバイル機器に比べて信頼性が高いが、データ収集後の電子化に手間がかかり効率が悪い。
そこで、本研究では、紙への筆跡を電子的に記録することのできるデジタルペンを利用し、紙によるデータ収集と、紙に記録した手書きデータの電子化の効率化を目指す.本発表では、デジタルペンの利点を、野外でのデータ収集法(自由メモ、地図への注釈、分布調査)を提案する。
3.「北海道におけるGISを活用した情報の共有化と公開」
金子正美(酪農学園大学環境システム学部生命環境学科)
GIS、GPS、リモートセンシング、インターネット技術の進歩に伴い、地域の情報システムは、数値や文字を蓄積したデータベースから、時空間情報をビジュアルで高解像度な地図情報としてWEBを介して共有化するネットワーク型のシステムの時代となってきた。また、携帯電話やモバイル端末の普及に伴い、野外での空間情報の収集と活用が一般的なものとなりつつある。本発表では、北海道で開発を進めてきた釧路湿原データセンター、知床世界遺産データセンター、油汚染等の海洋生態系への影響評価につながる海域-陸域統合型GISの事例を紹介しつつ、北海道におけるGISを活用した情報システムの現状と課題について報告する。
※研究会後は懇親会を予定しております。