日 時:2011年2月18日(金) 16:00~18:00
場 所:京都大学東南アジア研究所 稲盛財団記念館3階 中会議室
題目: 『変容過程にある焼畑営農体系における民族ごとの戦略~ラオス北部の民族混住村を事例として~』
話題提供者: 亀田 知佳氏(京都大学大学院農学研究科)
【発表要旨】
東南アジアでは伝統的に、広く焼畑農耕がおこなわれてきた。しかし現在、政治・社会・経済的な状況の変化をうけ、焼畑農耕システムが他の土地利用法へと変容しつつある。その要因や背景は地域や民族により様々であり、その詳細はまだ部分的にしか理解されていないのが現状である(Mertz
et al, 2009)。
ラオスは東南アジア大陸部に位置する内陸国で、国土の約7割が山林にしめられている。特に北部は山岳地帯で、焼畑農耕が主な生計手段のひとつとなっている。ラオス政府は森林保護と山地民の生活向上を目的とした、一連の焼畑抑制策を1990年代後半より実施してきた。ひとつは山地民の移住政策であり、もうひとつは林野土地配分事業と呼ばれる、土地を区分し、農民に一定区画の農用地を配分し、他の林地での焼畑を禁止する政策である。これらの政策の影響を受け、現在ラオスでおこなわれている焼畑農耕は変容の途上にある。
今回の発表では、ラオス北部ルアンパバーン県における、移住政策後に低地へ移住してきたカム族・モン族が集住する村を事例とし、焼畑営農システムの現状を報告したい。特に、民族間に見られる状況・戦略の違いに着目する。
*会の後には懇親会を予定しております。
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