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イニシアティブ4 「地域の知的潜在力研究」:研究内容

本イニシアティブでは、生存基盤持続型発展のための、地域の知的潜在力を発見し理解しようと試みる。ここでいう知的潜在力とは、世界のさまざまな地域において歴史的に蓄積された在来知―概念・実践知、生態・社会関係、価値観、技術・技法など―のうち、現代の科学技術や制度や思想との媒介・接合によって、持続的生存基盤パラダイムを支えうる可能性をもったものを指す。 人類の生存基盤を持続させるということは、まず、資源のリサイクルを可能にする技術と制度を確立することである。このために、地域研究と先端科学の協働はかかせない。地域住民は、環境との長い歴史的なつきあいのなかで、固有の技術と文化をつくりあげてきた。生存基盤持続型の発展のためには、こうした知的潜在力の基礎にたちながら、先端的な知見を取り入れることにより、地域に即した循環的な社会・技術システムを創る必要がある。

生存基盤持続型の発展とは、こうした循環的な生活様式において、生命・生活の質を向上することであろう。そもそも生命・生活の営みは、環境(他の人々、動植物、その他の自然)との相互作用において成立する。食にせよ、性にせよ、生産と消費にせよ、再生産と死にせよ、いずれもそうである。生命・生活の質を向上するとは、生産の量を増やしたり効率性を上げたりすることではなく、人と人そして人と自然の相互作用のありかた、つまりは、関係性自体を、より豊かで価値あるものとすることにある。生存基盤持続型発展には、「資源の循環」とともに「関係性の豊饒化」が求められるのだ。

このためには、自然を、生産のための資源として所有し利用するという考え方や、ひとつの地域は、生態的・社会的に自律的で閉じた構造をもっているという前提から、脱却しなければならない。そして、生存圏全体の物質・エネルギー循環の構造を理解し、地域の事情に応じたリサイクルの技術・制度を確立すると同時に、さまざまな状況において生きる人間にとっての、環境の意味と価値を解明し、それを人類共通の文化的資源として生かす必要がある。これに向けて、まず必要なことは、現代世界における、多元的で脱領域的な関係性のネットワークとそこから生成する動態を、自然と文化、グローバルとローカルの二分法を超え、先端科学的な知見を加えながら、フィールドから描き出すことであろう。 地域の知的潜在力は、在来知と外来知の接触領域において発揮されるのであり、新たなパラダイムの可能性は、現場の現実のなかにこそ発見される。本研究班では、自然生態、紛争・災害、健康・宗教、政治経済・教育などの分野において、内発的で創造的な動きの現状を紹介し分析すること、そのなかに生存基盤持続型の発展径路の萌芽を発見していくこと、そして、諸地域の知的潜在力と、先端的な科学技術および社会思想とを架橋し、新たな知的パラダイムを創発するための、理論的・実践的可能性を探求することをめざす。

(イニシアティブ4 リーダー 田辺明生)

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