研究概要
研究テーマ: 「アフリカ諸言語を対象とした研究手法の開発と記述研究、ならびに言語研究をベースとした民族の文化・歴史に関する研究」
バンツー系を中心にナイロート系、マンデ系、西大西洋系などの諸言語を対象にフィールドワークの手法の開発、ならびに言語記述をベースに言語と文化の問題を考察している。また、政治と言語などの社会言語学的テーマや、少数言語・危機言語の問題などにも積極的に取り組んでいる。
業績:
著書単行本
- 2007 A Rutooro Vocabulary, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 2005 『アジア・アフリカにおける多言語状況と生活文化の動態』(石井溥と共編), 平成13-16年度科学研究費補助金基盤研究(A)報告書, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 2004 A Runyankore Vocabulary, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 2003 Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Historical Development, Phonetics of Tone and Descriptive Studies (ed.), 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 2003 『地方語と共通語における借用語の動態関係-アフリカとインドネシアの場合-』(編著), 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局.
- 2001 Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Tonogenesis, Japanese Accentology, and Other Topics (ed.), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 2000 A Haya Vocabulary, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1999 Cross-linguistic Studies of Tonal Phenomena: Tonogenesis, Typology, and Related Topics (ed.), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1998 『ハヤ語語彙集』(平成10年度言語研修「フィールド・メソッドによるハヤ語研修」報告1), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1994 『ウォロフ語入門』(ジャン・レオポルド=ジュフと共著), 言語研修テキスト1, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1994 Vocabulaire Nande. 平成5年度文部省科学研究費補助金一般研究(C)報告書, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1993『アフリカをフィールドワークする』, 大修館書店.
- 1992 Vocabulaire Lingala Classifie. African Languages and Ethnography Vol.2, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1992『テンボ語音韻論-その共時態と通時態-』, 京都大学大学院文学研究科提出博士論文, 1992(1993年3月学位受理).
- 1992 Vocabulaire Hunde. アジア・アフリカ基礎語彙集No.24, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1991 Plantes Sauvages et leurs Utilisations chez les Batembo. 平成2年度文部省科学研究費補助金一般研究(C)報告書.
- 1986 Lexique Tembo I: Tembo-Swahili du Zaire-Japonais-Francais. アジア・アフリカ基礎語彙集No.16, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1985 Deux Mille Phrases de Swahili tel qu'il se Parle au Zaire. African Languages and Ethnography Vol.19, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 1977 『テンボ語語彙表』, 京都大学教養部社会学研究室.
論文
- 2009 “Tone and syntax in Rutooro, a toneless Bantu language of Western Uganda”, Language Sciences Vol.31(2-3): 239-247.
- 2008 「トーロ語―私のフィールドノートから」, 『月刊言語』, Vol37(12): 88-93.
- 2008 「適用形―動詞が担う意味役割の多様性」, 『月刊言語』, Vol37(5): 60-65.
- 2007 「トーロ語の地名」, 『生きる場の人類学—土地と自然の認識・実践・表象過程』 (河合香吏編), 京都大学学術出版会, pp.185-194.
- 2007 「アフリカの言語は易しいか-バンツー系トーロ語の統語構造と声調の係わりにおいて検証する-」, ARENA 2007, 中部大学国際人間学研究所編、pp.44-51.
- 2007 「多様な言語の形成と言語の大分類」, 『新世界地理 アフリカI』(池谷和信、佐藤廉也、武内進一編), 朝倉書店、2007年4月, pp.68-78.
- 2007 「コンゴ・スワヒリについて、その1:英語からの借用とフランス語からの借用」, 『スワヒリ&アフリカ研究』 第18号: 64-74, 大阪外国語大学地域文化学科スワヒリ語・アフリカ地域文化研究室.
- 2006「ハヤ語、アンコーレ語およびトーロ語の声調の比較、特にトーロ語の声調消失に関連して」『言語研究』 129: 161-180.
- 2005「アフリカの多言語使用―特に東アフリカのSwahili語圏の国語問題を中心に―」, 『アジア・アフリカにおける多言語状況と生活文化の動態』(梶 茂樹・石井 溥編), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-14.
- 2005「フィールドワークで作る辞書」, 『レキシンコンフォーラム』No.1(影山太郎編), ひつじ書房, pp.1-10.
- 2003「無文字社会のことばと智恵-アフリカにおける文化の伝承」, 『少数言語をめぐる10の旅-フィールドワークの最前線から-』(大角 翠編著), 三省堂, pp.13-35.
- 2003「ハヤ語,アンコーレ語およびテンボ語における借用語」, 『地方語と共通語における借用語の動態関係-アフリカとインドネシアの場合-』(梶 茂樹編), 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局, pp.11-40.
- 2002 「アフリカにおける危機言語問題-はたしてクラウス説は当てはまるか-」, Conference Handbook on Endangered Languages, 環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究事務局, pp.105-113.
- 2002 「スワヒリ語はなぜザイールにまで広まったのか-その構造から探る-」, 『現代アフリカの社会変動-ことばと文化の動態観察』(宮本正興・松田素二編), 人文書院, pp.134-149.
- 2002「ハヤ語とアンコーレ語の声調の比較-名詞編-」, 『北部中央バントゥ諸語の記述・比較研究』(加賀谷良平編), 平成11-13年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(2))研究成果報告, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.42-51.
- 2002「未知の言語の文法を探り出す手がかり」, 『月刊言語』Vol.31.No.4, 大修館書店, pp.38-43.
- 2002「現代都市とポピュラー・ミュージック」, 『アフリカの都市的世界』(嶋田義仁・松田素二・和崎春日編), 世界思想社, pp.217-238.
- 2001「バンツー諸語の声調-そのタイプ-」, 『音声研究』第5巻1号, p.37-45.
- 2001「世界の声調・アクセント言語」, 『音声研究』第5巻1号, pp.8-10, 2001.
- 2001「ハヤ語の母音と声調-『ハヤ語語彙集』に関連して-」, 『アジア・アフリカ文法研究』29号, pp.181-191.
- 2001「21世紀のアフリカ言語学」, 『アフリカ研究』第57号, 日本アフリカ学会, pp.5-8.
- 2000"Variabilite du trait voyelle [ATR] en wolof contemporain", in『セネガルにおけるウォロフ語使用の研究』(Y. Sunano ed.), 平成8-10年度科学研究費補助金(国際学術研究)研究成果報告書, pp.83-156.
- 1999「ヒトが出す音はこんなにも多彩!」, 『サイアス』1999年8月号, 朝日新聞社, pp.36-39.
- 1999「スワヒリ語」, 『'99第二外国語をモノにするためのカタログ』, アルク, pp.127-129.
- 1998「スワヒリ語」, 『世界の言語ガイドブック2』(東京外国語大学語学研究所編), 三省堂, pp.79-92.
- 1997 "ATR and Wolof Vowels", 『言語研究』第112号, pp.33-65.
- 1997「テンボ語の親族名称」, 『スワヒリ&アフリカ研究』第7号, 大阪外国語大学スワヒリ・アフリカ地域文化研究室, pp.53-77.
- 1996「フィールドワークによるバンツー系諸語の記述・比較言語学的研究」, 『フィールドワークを歩く』(須藤健一編), 嵯峨野書院, pp.258-265.
- 1996 "The Applicative in Tembo (Bantu J57): A preliminary synthesis", in The dative and related phenomena (K.Matsumura and T Hayasi eds.), Hituzi Syobo, pp.145-164.
- 1996 "Tone Reversal in Tembo (Bantu J.57)", in Journal of African Languages and Linguistics Vol.17-1, pp.1-26.
- 1995「言語調査法」, 『言語学大辞典 第6巻述語編』(亀井 孝・河野六郎・千野栄一編), 三省堂 pp.444-449.
- 1995「テンボ語通時音韻論」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.48-49, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.387-418.
- 1995 "Le Nom Personnel chez les Batembo: Analyse Ethnolinguistique", Bulletin des Seances Vol.41-3, Academie Royale des Sciences d'Outre-Mer, pp.345-362.
- 1995「名詞の性」, 『月刊言語』Vol.26-4, pp.60-63, 大修館書店.
- 1994「テンボ語の声調の逆転現象-フンデ語、バンツー祖語と比較して-」, 『言語研究』第105号, pp.54-86.
- 1994「テンボ語植物名の語源分析」, 『文化の地平線-人類学からの挑戦-』(井上忠司・祖田 修・福井勝義編), 世界思想社, pp.436-454.
- 1993「アフリカとことわざ」, 『アフリカ研究-人・ことば・文化-』(赤坂 賢・日野舜也・宮本正興編), 世界思想社, pp.60-70.
- 1993「アフリカとフランス語-フランス語圏アフリカに見る多言語使用の実態-」, 『フランス語とはどういう言語か』(大橋保夫他著), 駿河台出版, pp.313-331.
- 1992 "Particularites Phonologiques en Tembo", in Studies in Cameroonian and Zairean Linguistics (Bantu Linguistics Vol.3), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.363-372.
- 1991「テンボ族の結縄」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.41, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.137-142.
- 1991「レガ族の知恵の紐」, 『アフリカ研究』第38号, pp.1-15.
- 1990「モンゴ族の伝達用太鼓について」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』, No.40, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.133-141.
- 1990「テンボ語の声調の通時的特性」, 『アジアの諸言語と一般言語学』(崎山 理・佐藤昭裕編), 三省堂, pp.368-381.
- 1990「リンガラ語とモンゴ語におけることわざの挨拶」, 『ことば遊びの民族誌』(江口一久編), 大修館書店, pp.413-425.
- 1989「テンボ語におけるマインホフの規則の残存物について」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.37, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-13.
- 1986「比較言語学と言語分類-アフリカの場合-」, 海外学術調査公開シンポジウム『アフリカの自然と諸民族-その移動と文化接触をめぐって-』, 海外学術調査総括班, pp.29-46.
- 1985「テンボ族の人名の言語学的特徴」, 『季刊人類学』第16巻2号, 講談社, pp.72-120.
- 1985「テンボ語の動詞の活用」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.29, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.91-131.
- 1985 「テンボ族における個人名-言語人類学的考察-」, 『季刊人類学』第 16巻1号, 講談社, pp.47-88.
- 1984 "List Lexicale Tembo: Point de Depart", in Multi-lingualizm and Swahilization in Swahili Speaking Area (Y. Wazaki ed.), 富山大学, pp.149-201.
- 1984 「テンボ語動詞の形態論的構造」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No. 28, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.1-47.
- 1984「テンボ族の言語と民話」, 『アフリカ文化の研究』(伊谷純一郎・米山俊直編), アカデミア出版, pp.523-543.
- 1983 "Mise au Point de la Traduction de l'Evangile Selon Marc en Tembo, avec l'Equivalent en Swahili du Zaire", 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.26, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.84-152.
- 1982 「テンボ語音韻論におけるいくつかの問題点-特に子音交替に関連して-」, 『アジア・アフリカ言語文化研究』No.24, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, pp.62-96.
- 1982 "Enquete Preliminaire sur la Phrase Swahili du Zaire", in Multi-lingualism in Swahili Speaking Area. (Y. Wazaki ed.), 富山大学, pp.75-120.
- 1979 「フランス語におけるヒューマニゼーションについて-文法的性の機能-」, 『人類学方法論の研究』(谷 泰編 ), 京都大学人文科学研究所, pp.97-133. 1978「Tembo語の名詞のtone」, 『アフリカ研究』第17号, pp.34-57.
略歴:
香川県出身
学歴
- 1969年 3月 香川県立高松高等学校卒業
- 1969年 4月 京都大学文学部入学
- 1974年 3月 同上卒業
- 1974年 4月 京都大学大学院文学研究科修士課程入学
- 1976年 3月 同上修了
- 1976年 4月 京都大学大学院文学研究科博士課程進学
- 1979年 3月 同上単位取得退学
- 1993年 3月 京都大学文学博士
職歴
- 1979年 4月 京都大学文学部研修員
- 1979年12月 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手
- 1987年 2月 同助教授
- 1995年 4月 同教授
- 2005年10月 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
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