調査の概要
エチオピアは世界の栽培植物の10大起源地のひとつである。エチオピアの人々は、テフ、エンセーテ、ソルガム、オオムギなどの在来作物と、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなど外来作物を主食として栽培している。エチオピアの農業システムは、seed-farming complex, ensat-planting complex, shifting cultivation, and pastoral complexの4つに大別されている。中央・北部エチオピアのように、穀類中心に農業をおこなっている地域もあれば、南部エチオピアのように、テフやトウモロコシなどの穀類とエンセーテなどの根栽類を複合的に栽培して農業をおこなっている地域もある。
エチオピアに外来作物とそれに伴う外来技術が導入されたのは、他の東アフリカ諸国よりも遅く、最近までいわゆる伝統的農法によって栽培された在来作物が、各地で自給作物として広く利用されてきた。しかし、近年エチオピア南部地域ではテフやソルガムなどの在来作物に換わってトウモロコシなどの外来作物を栽培する割合が急激に高くなってきており、外来作物の定着化は、正に現在進行中である。
本研究の目的は、新しく導入される作物と在来作物の両者の位置づけが、地域住民にとって大きく変化する過渡期にあるといえるエチオピアにおいて、作物学的視点と社会科学的視点の両方から、農村住民の生業活動としての農業全般を長期的なフィールドワーク調査から分析することである。
調査地: エチオピア南部諸民族州、Derashe地域(チャモ湖の近辺)
調査歴:
2008年8月26日~2008年9月26日調査地の選定
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