調査の概要
エチオピア中央高原付近に暮らすオロモの人々は、伝統的に農業と家畜の飼養とを結び付け、限られた土地で自給生産的な有畜農業をおこなってきた。
彼らにとってウシは非常に重要な生活資源である。
例えば去勢牛は、畑の犂耕作業や、収穫した穀物の脱穀をおこなう際に必要不可欠である。雌牛が提供する乳製品は人々の食文化を支える重要な食品である。
また人々にとって貴重な動物性タンパク質も提供している。牛糞は畑に有機物として還元されたり、天日干しして薪の代替燃料として利用したりもする。さらには、建築資材として用いられるほか、床を補修する材料としても利用されている。
エチオピアの農村研究においては、ウシの所有頭数が経済的な豊かさの指標としてもちいられることも多い。このようにウシは、オロモの人々の生活に深く関わっており、多面的な役割を果たしている。
本研究の目的は、人々と家畜との間にみられる様々な関係に焦点をあて、在来の有畜農業システムを畜産学、農学、歴史学、人類学等さまざま視点から総合的に検討し、その特質を明らかにすることである。
オロモの人々が伝統的に行ってきた在来有畜農業の知識・技術を積極的に評価し、アフリカ型の農業システムの可能性について考察する。
調査地:エチオピア中央部 首都アディスアベバから南西方向へ幹線道路で110キロの町ウォリソから、5キロ地点にあるディレディラティ村ガーグレ地区
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