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京都大学東南アジア研究センター(現在東南アジア研究所)が最初に推進したプロジェクトの一つであるマレーシア・インドネシア計画の成果である、『マレー農村の研究』が1976(昭和51)年東南アジア研究叢書の第12巻として創文社より刊行されました。1979年には、Three Malay Villages: A Sociology of Paddy Growers in West Malaysiaと題されて、ハワイ大学出版局からも上梓されています。
編者の口羽益生、坪内良博、前田成文のほかに、土壌学の古川久雄、かんがい・排水学の海田能宏、作物学の西尾俊彦、医学の滝沢英夫が執筆しています。
長期的な海外フィールドワークの嚆矢として、社会学者をコアーとして自然科学者の参加した共同研究として、記念すべき仕事でしょう。いわゆる民族誌とは違い、社会学的な手法を民族誌学に持ち込んだ点が注目に値します。
その当時のマジョリティはまだ農村研究のようでしたが、その後は、都市、エスニシティ、政治、経済へと専門分化していっています。
戦後の本格的なフィールドワークに基づく農村調査を思い出しながら、マレーシア研究の回顧と展望をするのが今回のゼミナールの趣旨です。 |