新しく始動したこの研究プロジェクトでは、若手の育成、新世代の人材の育成を大きな目的に掲げています。研究というものは、継承され、発展すると同時に、その中から今までにないような斬新なものが誕生してこそ意義を持ちますから、若手の育成はどんな研究においても重要です。本プロジェクトでは、単に目的として掲げるだけではなく、若手の育成を実現するために、きちんとした制度的な整備をめざしています。それがまず「人材育成センター」が設置された意義です。
このセンターは、さらに2つの部会に分かれています。1つは「大学院教育部会」で、もう1つは「若手養成・研究部会」です。名称が示すように、大学院で学び博士論文を用意するような段階の皆様と、さらにその先の段階で研究を続ける皆様を視野に入れて、それぞれに対して、研究の場を作り、互いに知を磨き合い、知的創造の喜びを分かち合えるような空間を、共同で構築していきたいと思います。
現在、研究者として発展中の皆様、どうぞ、このセンターが提供する場を活用し、新しいプロジェクトにご参加ください。ここで「若手」と言う時は、年齢は関係ありません。新しい研究にチャレンジして、自分を発展させる途上にある方には、誰にでも門戸を開きたいと思います。
すでに、育成部会では8月に助教および研究員の公募をおこないました。年が明けると、また公募をします。公募は、このプロジェクトに参加するチャンネルの1つに過ぎません。大学院部会では、フィールド・ステーションのいっそうの整備や大学院における「持続型生存基盤研究コース」を準備しています。そのほかにも、いろいろな参加の仕方を考えています。若手の皆様に参加方法についてのアイデアがあれば、それも大歓迎です。ともに、パラダイム創成と新しい地域研究の発展のために、交流・交歓していきましょう。 (小杉 泰)