本プログラムは、「持続型生存基盤パラダイム」の創出という未来志向型の課題のもとで先駆的な研究を実施し、その現場で大学院後期課程やポスドク研究員、助教を対象とした
人材育成を行うものです。京都大学の
東南アジア研究所、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、地域研究統合情報センター、アフリカ地域研究資料センター、人文科学研究所の地域研究を志向する5つの部局と
生存圏研究所、生存基盤科学研究ユニット、大学院農学研究科(地域環境科学・応用生命科学・森林科学専攻)、大学院工学研究科(電気工学専攻)のハードサイエンスを志向する4つの部局が共同して推進していきます。 本プログラムの概要を図1に示します。運営委員会と4つの部会が中心となって、研究・人材育成プログラムを実施していきます。 研究に関しては、パラダイム研究会と4つの研究イニシアティブを組織します。パラダイム研究会は、いわば本プログラムのアリーナです。関係者全員が参加して、毎月開催します。多様な専門分野からなる本プログラムの参加者が、それぞれの考え方をぶつけ合い、建設的に批判しあい、そして個別の専門分野が蓄積した知を持続型生存基盤パラダイムとして統合し結実させることを目指します。また、アジア・アフリカの研究現場とパラダイム研究をつなぐために、「環境・技術・制度の長期ダイナミクス研究」、「人と自然の共生研究」、「地域生存基盤研究」、「知的潜在力研究」の4つの研究イニシアティブを組織し、ワークショップやフィールドワークの共同開催、データベースの構築などを実施します。 人材育成に関しては、大学院後期課程からポスドク研究員、助教に至る開放型のキャリア・パスを構築します。大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に『持続型生存基盤研究コース』を開設し、そのコア・コースとして「持続型生存基盤研究の方法」を開講します。また21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」の成果を継承、発展させ、アジア・アフリカ各地のフィールド・ステーションを活用した臨地教育を推進します。さらに若手研究者を対象として、国際的なコミュニケーション力を向上しリーダーシップを涵養するための国際リーダーシップ能力強化トレーニングコース、専門分野の研究成果をより広い研究分野でも応用可能な理論へと発展させるためのパラダイム創成プログラム、そして若手研究者が自ら分野横断型の共同研究を企画・運営する次世代研究イニシアティブ・プログラムを実施します。またワーキングペーパー・シリーズを創設し、研究成果を国際的に発信します。 本プログラムは、地域研究に科学技術研究を内在化させ、自然科学と人文社会科学をつなぐ学際研究として地域研究を強化する国際拠点の形成を目指しています。そのためには、学外や国外の研究機関や研究者との連携が不可欠です。助教やポスドク研究員、次世代研究イニシアティブ・プログラムへの公募や共同研究の実施などについて、順次、ウェッブサイトを通じて公表していきますので、積極的なご支援をいただきますようお願い申し上げます。
(河野泰之 事務局長)
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