日 時:2012年2月3日(金) 15:30~18:30
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室
共通テーマ:
「インドネシア・リアウにおける熱帯バイオマス社会再生のための文理融合フィールドワーク」
発表者:
水野 広祐 氏(京都大学東南アジア研究所 教授)
増田 和也 氏(同 特定研究員)
藤田 素子 氏(同 特定研究員)
鈴木 遙 氏(同 G-COE研究員)
渡辺 一生 氏(同 特定研究員)
コメンテータ:
バンバン・スビアント 氏(インドネシア科学院)
全体の要旨:
グローバルCOE・イニシアティブ3班では、熱帯バイオマス社会の再生を目指し、林学、生態学、人類学、社会学、情報学の研究者らによる文理融合フィールドワークを進めてきた。本研究会では、この共同研究によって得られた成果を報告し、熱帯地域の多くが直面している急激な開発に伴う様々な課題とその解決策について、文系・理系の枠を超え活発な議論を展開したい。
インドネシアには、世界の泥炭地の約1割に相当する4,000万haの泥炭地が分布しているが、この内約400万haが、スマトラ島リアウ州に広がっている。かつて、この地域は、人の手がほとんど入らない未開の地であった。しかし、1980年代以降からの大規模な森林伐採やオイルパーム及びアカシアプランテーションの造成などによって、森林面積の急激な減少や森林火災の頻発などの問題に直面している。
これらの問題は、世界的には地球温暖化や生物多様性の減少が、ローカルにおいては森林産物の減少や家屋及び農地の焼失が危惧されており、持続的な森林利用システムの構築が喫緊の課題となっている。
本報告では、リアウ州に位置する"Giam Siak Kecil-Bukit Batu Biosphere
Reserve"(2009年にUNESCOにより生物多様性保護区として認定)における森林開発過程の実態について、社会学、人類学及び地理情報学の立場から明らかにする。更に、生物多様性とバイオマスストックの観点から、現状の泥炭地環境について評価を加える。これら実態解明や環境評価から得られた結果を用いて、地域の人々が森林を保全しながも利潤を得ることが可能となるような、住民林業システムを提唱する。
*会の後には懇親会を予定しております。
日 時:2011年10月4日(火)~8日(土)
場 所:プカンバル, インドネシア
発表者:
1.Kosuke Mizuno, Kazuo Masuda
Socioeconomic challenges for sustainable management of a tropical peat land ecosystem and proposal of people’s forest
2.Hiromitsu Samejima,Motoko S. Fujita, Dendy Sukma Haryadi and Ahmad Muhammadbr> Biodiversity inventory in a peat-swamp area -Mammals & Birds-br>
3.Kazuo Watanabe, Shuichi Kawai
「Land Use and Biomass on the Peat Swamp Area in The Giam Siak Kecil- Bukit Batu Biosphere Reserve」
4.Haris Gunawan, Shigeo Kobayashi, Kosuke Mizuno, Kono Yasuyuki, Osamu Kozan
Peatswamp Forest and Restoration Experiments to Promote the Local Community Livelihood and Ecosystem Services Functions in Riau Biosphere Reserve, Indonesia.
【活動の記録】
泥炭地問題への取り組みを、泥炭地火災とこれを踏まえた住民林業の提案を軸に、社会経済、生物多様性、バイオマス生産、それに水と保全問題を前提にした住民林業に適切な樹木の研究としてプレゼンを行った。
同じ地域をフィールドにし、異分野融合によって、生存基盤持続型発展の一つの形を、具体的には泥炭地地域の保全、生存、利潤のあり方を通じて検討したもので、議論はすべてフィールドにおけるデータに基づいて行われた。
報告には多くの質問が出されて注目を集め、また地元紙のRiau Posにも取り上げられた。
ユネスコ代表のRaondry氏からは、『ユネスコもいつも異分野融合を心がけている、京大チームの発表は、プレゼン相互によく連携がとれていた」と評価され、第3イニシアティブは、7月19日のLIP-MABとのセミナー、そして10月5日のプカンバルにおけるユネスコセミナーにおける発表を契機に議論を深めて来ました。これをばねに第4巻の執筆を急ぐ予定。
(分責:水野広祐)
English Site
/en/article.php/20111004_ini3_en
日 時:2010年10月20日(土) 13:30 ~ (9月27日(月)より変更)
場 所:
<共催>
G-COE Initiative3, リアウ大学
【趣旨】
リアウ大学との連携強化
英語ページに活動の報告が掲載されています。
English Site
/en/article.php/20100906165231381
日 時:2010年6月10日~12日
場 所:ガジャ・マダ大学, インドネシア
<共催>
生存圏研究所、インドネシア科学庁生物材料研究開発ユニット、日本学術振興会アジア・アフリカ学術基盤形成事業
英語ページに活動の報告が掲載されています。
English Site
/en/article.php/20100622101812592
日 時: 2010年2月4日(木) 10:00~17:00
場 所:東南アジア研究所、稲盛財団記念館 中会議室332室
主題:
Sustainable Forest Tree Plantation in the Giam Siak-Bukit Batu Biosphere Reserve of Riau in Indonesia
また、ワークショップに関連しまして、寒行セミナー(比叡山にて)を2月6-7日で行います。こちらのセミナーにご参加を希望される方、海田kaida[at]rish.kyoto-u.ac.jp までご連絡いただけますようお願い致します。
生存圏研究所
海田るみ
e-mail : kaida[at]rish.kyoto-u.ac.jp
tel : 0774-38-3622
日 時: 2009年8月4日(火)~5日(水)
場 所:リアウ大学(インドネシアスマトラ島ペカンバル)
内容:
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されています。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究が展開できないかと計画しております。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となります。
プログラム>> エコツアー用レポート>> サステナ第13号>>
スマトラ、リアウ生物圏コアエリアへのエコツアーは、2009年7月31日~8月2日まで上記セミナーに先立って行われました。
English page>>
www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/en/article.php/20090522161122398
日 時:2009年7月13日(月) 10:00~11:30
場 所:京都大学生存圏研究所(HS 202室)
リアウにおけるサイト研究の現状報告と活動について
1)リアウ生物圏ユネスコ登録に関する報告。
2)リアウ大学HSスクールについて連絡と今後の研究活動。
3)講演: 岩手県におけるバイオエネルギー構想とその取り組み
(岩手生物工学研究センター 生物資源研究部 竹田 匠)
竹田さんから、岩手県らしさを生かした岩手ならではのバイオエネルギー生産の取り組みについて、岩手県の例を紹介していただいた。減反政策により現在使われていない農地をエタノール生産用の米作りに利用することや、原料・生産物の輸送などに係るコストを削減し、県内で効率よくエタノール生産・消費が回転できるよう、生産者、企業および行政がうまく連携して取り組んでいる現状が述べられた。
バイオマス炭素循環を効率よく回転させることは、環境に良い影響をもたらす。岩手生物工学研究センターは、バイオテクノロジーによって、バイオマスを利用目的に適した良質なものに転換し、バイオマスの価値を高めることに貢献されている。今回は、植物セルロースを効率良く糖化する技術開発として、セルラーゼ等の植物細胞壁の加水分解を促進する新規物質の探索とその効果について発表された。
(海田るみ)
日 時:2009年6月12日(金) 10:00-12:00 (その後、夕刻に京都市内で懇親会あり)
場 所:京都大学東南アジア研究所
講演者:大崎 満(北海道大学)
講演題目: インドネシアの泥炭-森林における火災と炭素管理
コメンテーター: 甲山 治 京都大学 東南アジア研究所 助教授
研究内容:
JST/JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業により、インドネシアの泥炭・森林における火災と炭素管理のプロジェクトについて研究を紹介していただきます。熱帯泥炭の保全・修復により地球規模での温暖化抑制についての話をして頂くとともに、北海道大学サスティナビリティ学教育研究センターの活動についても紹介していただきます。
1.泥炭湿地林の炭素管理について
地球上で大規模な森林が残っている地域は、インドネシア、ブラジルのアマゾン流域および中央アフリカの3か所であり、これらの熱帯の森林が有する泥炭は83.8 Gtと見積もられる。このうちの約50%をインドネシアが占めており、インドネシアの泥炭湿地林を保全・修復することの重要性が挙げられる。インドネシアの泥炭湿地林火災で放出されるcarbonは、エルニーニョのあった1997,1998,2002では1.6 Gt/yearと推定されている。日本のcarbon emission、 0.3 Gt/yearに比較し、熱帯泥炭湿地林の保全・修復がいかに温室効果ガスの削減に寄与することかが理解される。
北海道大学JST-JICA 地球規模課題対応国際科学技術協力事業プロジェクト(2009-2014)のプログラム「インドネシアの泥炭-森林における火災と炭素管理」では、インドネシアカリマンタン中央部セガンガウ国立公園に隣接するメガライスプロジェクト地域をフィールドとして研究が進められている。泥炭湿地火災は、地下水分量と関係しており、火災を防ぐために地下水位(water table)をコントロールすること(地下水位50 cmが目安とされている)の重要性が指摘された。このプロジェクトでは、(1)サテライトセンシングによる地下水位の計測、(2)カーボンアセスメント(計測器を3か所に設置)、(3)バイオマスと泥炭の相関性の評価等行い、これらのデータを基に泥炭のマネージメントを行っていくことが目的である。また、自然環境を守りながら人々の生活が成り立つような社会システムの管理の在り方をも考えていかなればならない。
また、CO2を削減するための制度として、クリーン開発メカニズム(CDM)やレッド(REDD)がある。このREDD制度に泥炭湿地を加えたいと考えている。本プロジェクトのもうひとつ大切な目的は教育である。研究を通して、ローカルな文化・知識を礎に環境倫理を考えられる、サスティナブルソサイティを築けるリーダーを養成する。
2.根圏の栄養生態について
泥炭湿地の土壌は、硫酸酸性のためpH 3という極度な酸性であること、また、土壌養分が溶脱し、ポトゾル化して貧栄養状態となっている。このような土壌にも耐えられる樹種として、メラルーカ、ソレアやゼロトンなどが植林されている。これらの樹種は、有機酸を分泌してアルミニウムをキレートし、アルミニウム毒性を下げて自身の生育を可能にしていると考えられる。根圏を制御できる樹木が泥炭湿地で生育でき、森林の再生に利用可能である。 泥炭の表層から1 m の層は、微生物が豊富であり、この層が樹木の生育に必要である。
コメント(甲山):
(1) 熱帯の降水量の多さが泥炭湿地の形成に関与している。
(2) 現在の植林地が放棄された場合、どのようなリハビリテーションが有効であるかとの質問に対して、現在、オイルパームプランテーションが存在するが、オイルパームの付加価値を安定させる社会システムの構築が必要である(大崎)。
(3) 元の状態,もしくは別の局所解に達するまでの要するタイムスケールに関する質問に対して、水分蒸発量などを計測し、シミュレーションすることが可能である(大崎)。
(4) CO2収支,微生物,植物に関する質問に対して、モニタータワーによる観測を2002年から開始している。このデータをFFPRI FluxNet(森林―大気間の水蒸気、CO2、エネルギー輸送に関する森林総合研究所のフラックス観測ネットワーク)に載せる予定である(大崎)。
(文責 海田るみ)
日 時:2009年5月15日(金) 10:00~12:00
場 所:生存研2F(HS 202室)
題目:「Results and Potential Research at Nominated Giam Siak Kecil-Bukit Batu Biosphere Reserve」
講師:Enny Sudarmonowati, Research Centre for Biotechnology-LIPI
コメンテーター:
Kosuke Mizuno
Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
Osamu Kozan
Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
Shuhei Kimura
Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University
英語ページに活動の報告が掲載されています。
English Site
/en/article.php/20090513103725930
日 時:2009年4月27日(月) 15:00~17:00
場 所:生存研2F(HS 202室)
題目:「新規生理活性物質を用いたファルカタの挿し木増殖」
講師:横山 峰幸 博士 ((株)資生堂新成長領域研究開発センター)
【活動の記録】
森林は、光合成により大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を貯蔵しながら成長することから、二酸化炭素の吸収源・貯蔵庫として重要な役割を果たしている。現在、インドネシア林業省の産業造林政策において、ファルカタが選ばれ植林が進められているが、種子による植林が行われている。東南アジアのインドネシアの天然林を守るためにも、人工産業林における木材産業の収益性を上げることが不可欠である。そのためには、より優良な性質を有する樹木(精鋭樹)の植林が必要であり、精鋭樹の増殖(苗木の作出)方法として、挿し木による繁殖方法が通常の方法とされている。しかし、まだ、ファルカタの挿し木増殖は極めて困難と考えられ、実用化されていない。
今回、挿し木増殖が不可能とされていたマメ科樹木のファルカタの切断木を挿し木により増殖することを可能とした2種類の発根促進誘導剤を発見し、それを用いた発根方法を研究開発された横山博士から研究内容を伺った。
横山さんは、2種類の植物発根誘導剤を発見した。ひとつは、KODAと命名された化合物9-hydroxy-10-oxo-12,15-octadecadienoic acidで、アオウキクサから抽出・精製し見出された。KODAは、植物が乾燥、熱、浸透圧ストレスを受けた時にその生合成系が誘導される。挿し木を土壌に挿し、芽に散布する。もうひとつは、IBLというオーキシン(IBA)のderivativeである。枝の下方を3-5時間IBLに浸漬した後、土に挿す。ファルカタの発根促進作用は、KODAよりもIBLの方が高く、両者を併用することにより、相乗効果が認められた。KODA作用は、次のように考えられる。植物は、ストレスを受けると成長を止め、休もうとする。例えば、挿し木を行うために、切られた枝はストレスを受けている状態と言える。KODAは、植物の休眠を打破する作用があり、これにより植物の成長(発根)を促進するのではないか。
日 時: 2009年3月31日(日) 10:30~(早く終える予定です)
場 所:稲盛新棟小会議室330号室
イニシアティブ3研究会討議事項
1)リアウワークショップ(平成20年2月19日~20日)の報告
2)リアウにおける平成21年度の研究について
3)HSスクールの開催について
4)平成21年度の研究費の配分方法について
5)研究テーマと講師の招聘について
内容:
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されています。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究が展開できないかと計画しております。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となります。
【活動の記録】
1)リアウワークショップ(平成20年2月19日~20日)の報告、およびリアウにおける平成21年度の研究について
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林、観光林およびSinarMas社の産業人工林が複合したRiau Biosphere Reserve(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されています。このサイトにおいて、京大CCOE、リアウ大学、インドネシア科学院(LIPI)、林業省、リアウ州で共同研究を展開する。本ワークショップは、Riau Biosphere Reserveエリアにおける研究活動を明確に提示すること、各研究についてコンタクトパーソンを選出することを目的に開かれた。
共同研究を行うために、京大CCOE、リアウ大学、インドネシア科学院(LIPI)、林業省、リアウ州の間でアグリメントレターを作成することがワークショップで取り決められた。
Riau Biosphere Reserve におけるResearch Proposals、および研究分担者(コンタクトパーソン)
(1) Collaborative natural resource management between local community and timber plantation (Equitable partnerships between corporate and small-holder partners in timber plantation industry), Culture, Empowerment of local people, Eco-tourism, Illegal logging and encroachment
[UNRI: Syaiful; LIPI: Savitri, Enny; Kyoto: Retno, Mizuno]
(2) Dynamic evaluation of forest biomass in plantation forest using ground-based and satellite remote sensing data
[UNRI: Nurul; LIPI: Bambang, Ismail; Kyoto: Kawai, Omura, Kobayashi]
(3) Water/carbon cycle and soil moisture control, hydrogical mapping, weather observation in the peat swamp
[UNRI: ; LIPI: ; Kyoto: Kozan]
(4) Case study on biofuel production: from pulp to bioethanol
[UNRI: Chairul, Titania, Misri, Sulistyati, Misri; LIPI: Enny; Kyoto: Kaida, Hayashi, Kaku, Baba]
(5) Biodiversity observation of Riau biosphere reserve
Aquatic and Terrestrial (Conservation status)
Valuation and development
[UNRI: Defri, Fajar, Sugiarto, Muhibbuddin, Siti, Sujarwati, Ahmad, Khairijon, Fitmawati, Siti, Sujarwati, Titania, Yuana, Fifi, Tetty, Delita, Setyaningsih, Yusfiaty, Koto, Chaidir, Muhammad, Sujarwati, Haris; LIPI: Tukirin, Harmastini, Purwanto; Kyoto: Fujita, Yoshimura, Ubukata]
(6) Peat land Management and conservation
Fire peat land, Hydrology management, Restoration
Peat land physical and nutrition improvement
[UNRI: Ahmad, Besri, Haris; LIPI: ; Kyoto: Kobayashi]
リアウの森林で調査を行うためには、「調査許可証明書」を取得する必要がある。この証明書の手続き、書類の提出方法については小林さんに調査を依頼した。
2)HS Schoolの開催について
生存圏研究所とLIPIが行っているHS (Humanosphere Science) Schoolを本年8月にリアウ大学で行うことが提案された。Riau Biosphere Reserveエリアにおける研究活動を促進することが目的である。共同研究に興味を持って、新たに研究に取り組める研究者を見出す機会になる。
3)研究費の配分について
リアウへ行って調査・研究することを目的とした旅費に配分することで一致した。
4) 研究テーマと講師の招聘について
Riau Biosphere Reserveエリアにおける研究テーマと関連深い研究を行っている方を招聘し、レクチャーを依頼して研究会を開催することが提案された。
日 時:
2009年2月19日 Preliminary meeting
2009年2月20日 Workshop presentation
場 所:University of Riau, Pekanbaru, Riau, Sumatra, Indonesia
出席者:
Kyoto University, 林隆久、甲山治、Retno Kusumaning、海田るみ、原田ゆかり
Riau University, Indonesian Science Institute (LIPI), Local Research and Development Body (Balitbangda), Forest and Natural Resource Conservation Office in Riau Province (BBKSDA), Asia Pulp and Paper.
1)~6)のプロジェクトに対して研究参加可能者のグルーピングや共同研究について議論します。
1) Collaborative natural resource management between local community and timber plantation
2) Dynamic evaluation of forest biomass in plantation forest using ground-based and satellite remote sensing data
3) Water/carbon cycle and soil moisture control, hydrogical mapping, weather observation in the peat swamp
4) Case study on biofuel production: from pulp to bioethanol
5) Biodiversity observation of Riau biosphere reserve
6) Peat land Management and conservation
【活動の記録】
Preliminary meeting (2009年2月19日 14:00 ~ 16:00)
翌日2009年2月20日に行われるInternational workshop のスケジュールとプレゼンテーションについて議論された。Kyoto University, University of Riau と LIPI が、Riau Biosphere Reserveエリアで共同研究を行うためのアグリメントレター (LOA) について協議された。このLOAは、Kyoto University, University of Riau とLIPIの間で契約が結ばれ, リアウ林業省, SinarMas社により承認される。このLOAのドラフトは Purwanto (LIPI)によって作成されることが決められた。
International Workshop (2009年2月20日 08.00 ~ 15.00)
08:00 ~ 0845
本ワークショップの目的は、Riau Biosphere Reserve エリアにおける研究活動を明確に提示すること、また、それら研究について3つの研究機関(University of Riau, Kyoto University and LIPI)からコンタクトパーソンを選出することである。会議は、Endang Sukara によるスピーチ「Application Giam Siak Kecil and Bukit Batu Area for UNESCO`s biosphere reserve」でスタートした。彼は、biosphere reserve responding to the global climate changeについて話した。
08:45 ~ 09.00
Rachmat Sidik, M. Ed (Provincial Office for Natural Resource Conservation (BBKSDA))により、Riau Biosphere Reserve におけるロケーション、現状、マネージメントシステムについて説明がなされた。
09:00 ~ 09:10
Harris Surono (SinarMas)は、UNESCO`s biosphere concept Riau Biosphere Reserve のプランを実行するために会社が行っている調整・準備について説明した。
09:10 ~ 09:20
Local Research and Development of Riau Provinceの代表が、Riau のリサーチにおける任務、活動および可能な協力体制について説明した。
09:20 ~ 09:30
Ahmad Muhammad (University of Riau)が、リアウ大学の research proposalを発表した。25のresearch proposalが挙げられ、それらは 3つにグループ化される。ひとつは、biodiversity and ecological processes に関して、ふたつめは、exploration of potential organismsについて、もうひとつは、landscape management, fishery source, Swamp peat restoration, socio-economyや institutional aspect of biosphereについてである。
09:30 ~ 10:15
LIPIから以下のタイトルで発表があった。
(1). Tukirin; Thematic program of LIPI for the year 2009 ~ 2011.
(2). Bambang Subyanto; Biomass research activities.
(3). Enny Sudarmonowaty; Bio-ethanol and bio-diesel case in Indonesia
10:15 ~ 10:45
Kyoto University から以下のタイトルで発表があった。
(1). Retno Kusumaningtyas; Research proposal with title “Assessing the potential collaborative scheme of forest resource management for timber plantation and local communities”.
(2) Osamu Kozab; “Heat, water and CO2 flux observation in the peat swamp”.
(3) Rumi Kaida; Biofuel production from pulp to bioethanol.
10:45 ~ 11:45
Takahisa Hayashi (Initiative 3 G-COE, Kyoto University)が、最後にcollaboration researchesを遂行するために緊急を要する‐各research subjectについて、leaders とcontact personsを決めることが必要である‐と提案し、その会議の場で各リサーチプロジェクトの代表者を決定した。
日 時: 2009年1月26日(月) 12:30~14:00
場 所: 京都大学東南アジア研究所 稲盛新棟小会議室330室
リアウにおけるサイト研究の現状報告と活動について
1)リアウワークショップとMOUについて報告
2)今後の研究活動
3)国際シンポジウム(本年3月)について
【活動の記録】
1 リアウサイト研究「Riau Biosphere Reserve Project」の現状報告と活動について
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されている。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究を展開しようと計画している。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となる。
研究をはじめるために、MOUを締結しなければならない。MOUに関して、下記の計画が、提案され(林)、議論された(川井、田中)。
京都大学は、G-COEリーダーの杉原とLIPIライフサイエンスリーダーのE. Sukaraとの間でMOUを結ぶ。LIPIは、林業省、リアウ政府とともにSinarMas社とMOUを締結する。すなわち、京都大学とSinarMas社は、LIPIを通して間接的にMOUで結ばれるという方向で進む(林)。MOUに関して、学術交流と共同研究の2つのパターンがある。リアウでの研究については、共同研究MOUを採ることが望ましいと意見が出され(川井)、合意が得られた。
2 今後の研究活動として
2月20日に、リアウでRiau Biosphere Reserveのワークショップが開かれる。イニシアティブ3のメンバーは、下記のResearch Proposalsに沿った研究内容の提案書を作成し、2月10日までに林まで送る。それをまとめた提案書を京都大学からリアウ大学に13日までに提出することで一致した。
Research Proposals
1. Collaborative natural resource management between local community and timber plantation (Equitable partnerships between corporate and small-holder partners in timber plantation industry)
Culture
Empowerment of local people
Eco-tourism
Illegal logging and encroachment
2. Dynamic evaluation of forest biomass in plantation forest using ground-based and satellite remote sensing data
3. Water/carbon cycle and soil moisture control, hydrogical mapping, weather observation in the peat swamp
4. Case study on biofuel production: from pulp to bioethanol
5. Biodiversity observation of Riau biosphere reserve
Aquatic and Terrestrial (Conservation status)
Valuation and development
6. Peat land Management and conservation
Fire peat land
Hydrology management
Restoration
Peat land physical and nutrition improvement
このワークショップのプログラムは、主としてリアウ大学とLIPIの連携で行われる予定である。
3 3月9, 10, 11日に行われる国際シンポジウムについて
今回の国際シンポジウム、イニシアティブ3の趣旨として、「環境・エネルギー問題は、人類にとって危機的な状況にあり、化石燃料の依存度を減少させ、人類と自然が持続的に共存可能な生存圏を再生することが最優先である。」と挙げている。バイオマスから作るバイオ燃料は再生可能なエネルギーである。バイオ燃料に焦点をあて、ユトレヒト大学Andre Faaij氏とAIST Kinya Sakanishi氏に発表を依頼している。また、森林経済の発展には、先端的科学技術、森全体のサイエンス、土地の利用方法、雇用制度、政治と行政など、様々な要因が複雑に絡み合っている。これらを総合的に考えて地域社会の森林モデルを探究する。このような視点からもコメントを行う。
また、イニシアティブ3のメンバー中心によるポスター発表を行う。各発表毎、2~3分間の口頭発表を行うことで一致した。
日 時: 12月8日(月) 16:00~19:00
場 所: 宇治キャンパス E棟共通会議室(E114N)
(会議室へのアクセスはPDFファイルをごらんください.
1階ですが,工事の都合上3階に上がっていただいてから1階に下りてもらっています)
【発表趣旨】
GCOEでは単行本の出版を予定していますが,イニシアティブ3班の内容を含む章の執筆者による打ち合わせを下記のとおり行います.執筆途中である原稿を持ち寄って,内容の検討を行うものですが,議論にご興味のあるかたにはぜひ参加して頂きたいと思っております.今回は宇治で行いますので,ご都合のつく方には参加して頂き,アドバイスをいただけたら幸いです。
-------本の構成-------
『生存基盤とは何か アジア・アフリカから地球環境を考える』
杉原薫・川井秀一編
第3編 森林からの発信-バイオマス社会への展望
川井秀一:熱帯人工林の創出と定着(仮)
藤田素子:大規模熱帯植林地における生物多様性の維持は可能か?
石川登:歴史のなかのバイオマス社会
渡辺隆司:産業構造の大転換-バイオ・リファイナリーの衝撃-
まず全体的な方向性として,川井先生による人工林に関する総論が述べられたあと,藤田が生物圏への影響を述べ,石川先生による歴史的な視点,渡邉先生による未来を見据えた視点と続く対比的な構成になっていることが確認された.本全体のなかでは,これまでのGeosphere的な価値観を,Biosphereベースの価値観へと転換するための章である.川井先生の節ではバイオマス生産の維持機構として,ストックの維持・フローの利用が重要であることを強調するべきだということだった.藤田の節では,ランドスケープという言葉が,移動性が高く上空を使う鳥類の生息する空間・時間軸を考慮したうえで,適切かどうかが議論された.今後の管理形態を考えていくうえで,生物多様性の変化に時間軸をどう組み込むかを議論する必要がある.それと関連して,人工林が良いというメッセージを出すつもりはないが,そう取られかねない表現には気をつけたほうがよいということになった.石川先生の節では,バイオマス資源の種類の変化に応じて,社会的な構造や生業のありかたが変化することが論じられたが,Humanodiversityの減少という問題を提起するにあたってその言葉の定義を考える必要があった.結局はBiosphereへのさわりかたのdiversityが変化するということとなった.渡邊先生の節ではバイオリファイナリーの歴史的背景を述べたうえで,社会の産業構造の変革にどう影響するかという問題点をどう書くかが議論された。
(文責者 藤田素子)
日 時:2008年11月13日(木)17:00~18:30
場 所:東南研会議室 東棟107
議 題: リアウサイトRiau Biosphere Reserve Project の説明と参画に関する議論
プログラム:
1)Sinarmas Forestry のスライド説明(小林祥子)
"PROPOSED GIAM SIAK KECIL BUKIT BATU BIOSPHERE RESERVE RIAU, SUMATRA"
2)提案事項に関する説明(林 隆久)
【活動の記録】
1)リアウサイト「Riau Biosphere Reserve Project」の説明(小林祥子)
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(70万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されている。Biosphere Reserve is an area of terrestrial and coastal/marine ecosystems, or a combination thereof, which is internationally recognized within framework of UNESCO’s Program on Man and Biosphere. Biosphere Reserve is established to promote and demonstrate a balanced relationship between humans and biosphere. The Biosphere Reserve concept is a robust alternative approach and tool to achieving sustainable development.
The three functions of Biosphere Reserve are (1) Conservation: to conserve genetic, species, ecosystem and landscape resources; (2) Development: to enhance the economy of community and human welfare; (3) Logistic support: to support pilot project, environment education and training, research and monitoring related to conservation and sustainability.
リアウサイトは、Core Area (179 ha), Buffer Zone (222 ha), Transition Area (304 ha)から構成され、Core Area は、天然林を保全するため、Buffer Zone は、植林することにより、Core Zone を守るため、Transition Areaは、農業を行うAreaとされている。
このリアウサイトで、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Ministry of forestry)、リアウ大学、R&D Sinarmas およびイニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究を展開する。
2)提案事項に関する説明(林 隆久)
「Riau Biosphere Reserve Project」のSinarMas側の目的は、(1)会社のイメージを良くする、(2)森林の保全、(3)RDDによる収入、(4)エコツーリズムによる収入などが考えられる。
「Riau Biosphere Reserve Project」にイニシアチィブ3が参加する場合、以下のResearch project が提案された。
この案に対するコメントとして
1.の人文系の研究を京大の研究者が行うのは非常に困難である。リアウ大学の研究者が、地元の研究者や地元活動家とともにチームを組んで行い、京大は、コーディネートする形をとるべきである(田中)。
7.の研究についてもリアウ大学が主に研究を実施するべきである。リアウ大学が、リアウの泥炭湿地林をいかにして保全・改善するのか研究し、これと社会学的な面との関連性をもたせる(田中)。
現実のリアウサイトを見学すると、Core Areaの天然林は伐採されており、泥炭湿地にアカシアやユーカリを植えて沈下を防ぐ手段が考えられていないように伺える(水野)。このような「保全」を実施していない企業と共同研究を行ってもよいのであろうか、という疑問が生じる(田中)。
京大がMOUを結ぶ場合、その書き方として、例えば、泥炭地をどのようにすれば破壊されないか、その方法を考える、また、破壊されてしまった泥炭地をどうのように改善するかなど、研究者としての中立的な立場を守る姿勢を盛り込む必要がある(田中)。
今後の予定
2009年2月に、リアウにおいて、R&D Sinarmas、 LIPI、 Kyoto University (G-COE) および University of Riau (Research Center) and KSDA (Forest Department)の5者参画によるワークショップが開催され、そこで、MOUを結ぶ予定である。
(文責 海田るみ)
日 時:2008年10月21日(火)16:00~18:00
場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階大会議室(E207))→ 場所変更 旧工学部4号館4階大会議室
プログラム:
リアウのサイト紹介(16:00-16:15)
小林繁男(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)(16:15-16:45)
東南アジア低湿地における温暖化抑制のための土地資源管理オプションと地域社会エンパワーメント
田中耕司(京都大学地域研究統合情報センター)(16:45-17:15)
リアウ州プラウキジャンの泥炭湿地と農地開拓:四半世紀前
川井秀一(京都大学生存圏研究所)(17:15-17:45)
泥炭湿地の持続的開発は可能か?
17:45-18:00 ディスカッション
発表内容:
インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されています。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究が展開できないかと計画しております。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となります。そこで、リアウの地域に関する研究会を開催します。
【活動の記録】
1)リアウのサイト紹介
インドネシアスマトラ島リアウ州にある野生保護区とSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在ユネスコに、"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されている。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究を提案したい。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となる。可能な研究テーマを添付ファイルで示した。
イニシアティブ3研究会では、リアウの地域に関する研究をベースにして今後の研究テーマの解析を行った。
Riau Biosphere Reserve Project>>
2)小林繁男(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
「東南アジア低湿地における温暖化抑制のための土地資源管理オプションと地域社会エンパワーメント」
アフリカやラテンアメリカに比較して東南アジアには泥炭湿地が多く、その化学的・物理的特徴(pH 3 以下、硝酸態窒素やカリウムが少ない、ポーラス)から、その土地利用は非常に難しい。いかに泥炭を分解することなく、土地を利用していくか、持続的な利用方法を考えていく必要性がある。地方自治体・政府や企業などの協力のもとに、地域住民が泥炭地を利用できるような方策を考えることが重要である。
3)田中耕司(京都大学地域研究統合情報センター)
「リアウ州プラウキジャンの泥炭湿地と農地開拓:四半世紀前」
研究のフィールドを決める際には、その土地の地理と歴史を知っておく必要がある。地元のミナンカバウの人々は、19世紀から丘陵地でゴムを作り、水田を開いた。また、外からもジャワ人やブギス人が農地開拓で入植し、ココヤシやイネを栽培した。現在、地元では土地紛争の問題も起こっている可能性がある。SinarMas社はどのように伐採権利を得たのか。また、リアウ泥炭湿地からは、石油がとれるが、この石油の利点と森林開発との関わりも研究のポイントとなる。
4)川井秀一(京都大学生存圏研究所)
「泥炭湿地の持続的開発は可能か?」
人が関与することで植林に適さない泥炭湿地の環境を修復し、地域住民を支えられるような造林をいかにして築くか。タイの泥炭湿地の研究例を示した。泥炭湿地中心にあるPreservation zone では天然林を保全し、Buffer zoneでは2次林を維持しながら、そこから人々が必要なものをとりだし、 Development zoneではアブラヤシ、イネ等などの農作物を作る。また、硫酸化した土地でメラルーカを地域の中で利用していく小規模な木材産業を提案し、実際に木材とセメントを組み合わせたボードを作成し、家の屋根や壁に利用できることを実証した。
~インドネシアで津波被害を受けた地域での植林活動~
アチェ州の海岸沿いのクルノー村は,2004年の12月に起こったインド洋津波の被害を受けた。この地域において,開発・再生に向けた支援を行っている。この支援は,日本政府が400万ドルを投資して行っている。
海岸線沿いのこの地域において,緑化のためにココナッツヤシを植えて,植林活動を行っている。実の中に栄養と水分があるので,少しは乾燥に強いのだが,水が厳しいところでは,根付きが悪い。この地域では,植えた苗木がほとんど育たなかったため,それを調査した。苗木は,ポットで育てられるが,そのポットに入れたまま植えていたため,苗木が死んでいたことが分かった。もう一つの原因は,ポットの中に粘土の塊が,入れられており,根の生長を阻害していたと考えられる。これらの指導は,FAOが委託した企業によって行われていたが,なぜそのような指導をしたのかは,見当がつかない。
~インドネシアのマングローブ林の現状~
インドネシアは,マングローブ林を保有する国であり,この真水と海水が混じった部分のマングローブ林を養魚場にして,開発してきた。現在では,その開発の影響で,マングローブ林は,全滅に近く壊滅状態である。
またある村では,インド洋津波の前には,すでにマングローブ林が消失していた。村人に聞いたところ,マングローブ林を焼いて炭にして売っていたという。この地域で,湿地林の造成地を行っていたのだが,苗木の生存率は,20%であった。この原因も,ポリエチレン袋の中に入れたまま,苗木を植えていたことにあった。また,土に固い粘土を入れている。この指導も,FAOのコンサルタント会社(FAOからの委託を受けた民間会社)からの指示で行っていた。
~インドネシアの森林破壊の背景~
インドネシア政府は,スマトラ島の低地森林をつぶして,ゴム・油ヤシ園を作ろうとしている。ジャワ島から人を移住させ,この開発に従事させている。しかしながら,インドネシアの森林行政は,実務を民間に任せていることから,賄賂が横行し,不法伐採が絶えない。低地林は,今後さらに変動していく可能性がある。
山の国有林を伐採し,違法伐採によって畑が作られているところが多くみられる。これは,投資家たちが,貧困層にお金を渡して違法な森林伐採をさせているのである。そして,利益の大半を投資家たち(お金を持っている村人)が持っていく仕組みになっている。このように,違法伐採を指示しても逮捕されないのは,賄賂があるからであり,このようなシステムは,インドネシアでよく見られる。
~まとめ~
村人たちの要望は,今の生活よりも,経済的に豊かになることである。環境問題や地球環境などには,全く興味を持たず,聞く耳を持たない。そして,それまで自然に極めて近い場所に住んでいる人々が,金銭欲・物欲の情報を得てしまうと,今度は歯止めがかからなくなる。昔の教訓を学ぶことは難しく,自分たちで経験することでしか学べない。 FAOでの森林調査は,生計向上につながるために調査をすることが目的ではあるが,金儲けの手段を持ち込むことにもなるため,その影響は常に危惧している。特にインドネシアでは,拝金主義の傾向にあり,島の近代化・開発・発展と自然との共生(環境保護・保全)を,どのように成り立たせていくのかが大きな課題である。しかし実際に,地域開発と生計向上を成り立たせるのは,非常に難しいと実感している。
(文責者 小林祥子)
日 時:2008年6月25日(水) 16:00〜19:00
場 所:東南アジア研究所東棟1階第1会議室(E107)
イニシアティブ3においては、人工林のサステナビリティをテーマにした実践研究を行います。実践的な研究の中で、パラダイム形成を進めるものです。研究会においては、フィールドにおける実践的な研究成果の報告を行い、共同研究を募るとともに、それを受け入れる場にしたいと考えております。下記、1)~6)の分類分けは正確ではないかもしれませんが、かなり多様な発表を行いなす。G-COEメンバーの多くの方々の参加をお願いします。同時に、共同研究相手を見つける出会いの場にしたいと思います。
発表内容:
1)地球環境
小林祥子、甲山 治、大村善治、川井秀一:地上観測および衛星観測データを用いたスマトラ島南部における森林バイオマスの動態評価
2)日本と東南アジアとの関係
水野広祐:泥炭地人造林による持続的森林圏の創出
小林繁男:タイにおける住民の森林に期待すること-日本とタイ・インドネシアとの比較(タイのチーク人工林における間伐の効果)
3)森林の利用とバイオ燃料
渡辺隆司、大橋康典:東カリマンタンのバイオ燃料開発の現状と動向(仮題)
林 隆久:アジアバイオ燃料共同開発
Retno Kusumaningtyas: Integrating industry based bio-ethanol production from timber with traditional local community crop production in Indonesia
水野広祐:ジャトロファによる、混作林を利用した地域バイオエネルギー生産システムの創生
4)樹木の育種
鈴木史朗、梅澤俊明:熱帯アカシアの育種
海田るみ:熱帯早生樹の育種的改良
5)生物多様性の保全
藤田素子、生方史数:生物多様性はなぜ維持されないのか?熱帯大規模人工林をモデルケースとした生態学的・社会学的アプローチ
藤田素子:熱帯大規模アカシア植林地で,鳥類の多様性を維持することは可能か?
6)住民・コミュニティへの経済効果
田中耕司、岡本正明、島上宗子、藤田素子:政治・社会・生態空間としての混合樹園地:地方分権下の森林地帯のガバナンス
田中耕司:地方分権下の社会林業政策の行方:スマトラ、ランポン州グヌンブトゥン森林公園の管理をめぐって
石川 登:人工林と地元コミュニティの関係、東マレーシアの事例
【活動の記録】
MHPという会社で共同研究やろうとしたが,テーマによって可否が分かれた.水野先生と川井先生が中心として場所探しを続けているが,時間がかかりすぎる.そこで,それぞれの場所で共同研究を促進するという形にしてはどうか.産業林だけでなくても,人工林の問題を文理融合の立場で研究する可能性を探る。
1. 小林繁男
伐採による土壌へのインパクト.パルプ材用の早生樹だけでなく,木材の生産を考えた持続可能性はどうなのか?タイにて.ユーカリとチーク植林が増えている.伐採の仕方を変えてみる.コーヒーを植えるのは失敗.現地で集材して,競りを行う.マニュアル化が必要.人が森林に何を期待するかを調べたら,タイやインドネシアでは,資源そのものとしての利用や,洪水防止などの涵養機能を期待.日本とは考え方がすこし違う.コストベネフィットを考えることも必要.
2. 小林祥子
炭素動態の把握を目的.木のパラメータごとの相関,それに伴ってC含有量が変化することが分かってきた.現地調査だけでは把握しきれないところを衛星データを用いて解析.解像度・観測頻度の異なる2種類の衛星データを使う(熱帯では雲が多いため).Landsat(光学リモセン)と地上観測データを使って相関を出したのち,Modis(マイクロ波リモセン)を使って補正する.問題点1:バイオマスが多くなると,PAR吸収率が飽和する.アカシア林では3年くらいで飽和?問題点2:下層植生の反射率も考えないといけない.問題点3:地上データがUnit5のものしかない.結論:現場調査が不可欠.林冠の状態,下層植生,土壌の状態のデータを得るために,現地に行く.
3. 甲山治
川井グループの意見として.解析手順の説明.InSARを用いた植生モニタリングの研究はない(広域データが得意). 3班の研究について:川井グループは西カリの日本企業と協同していきたい.シナルマスとは技術的な観点や,インドネシア社会の現状として研究対象になる?泥炭湿地林では開発の失敗例が多い.社会林業プログラムやマングローブ再生,保存林としてのバッファーゾーンを作るなど,環境保全型の林業資源開発をしたい.
4. 水野広祐
泥炭地での林業をどうしたらよいか,は難しい?日本企業で地域社会との関係,生態系への影響を考慮したプログラムを作りたい.8月初めに西カリの現地を視察する.泥炭地開発の問題点はかなり明らかになっている.被覆されることが重要かもしれない.飽和している水を排水せずに植林することで,荒地回復にもなるのではないか。
5. 渡辺隆司
バイオエタノール開発の現状と動向を知りたい.21世紀はバイオマスの争奪戦?土地利用の形態も変革していってしまう.理科系のみでなく具体的な地域のことを知りたい.インドネシアの石油資源:15~20年くらいまで?バイオエタノールを2015年までに5%までにあげたいらしい.ジャトロファは小規模な工場でもオイルができる.それほどPureではないが,グレードが低くても地元の用途(農業機械,発電機など)とリンクした開発ができないか,議論できればよい.成果としてはレビュー形式のものを出したい.バイオディーゼルに関しては,アドバイスはするが,中心課題にはしない.現地大学と協同することも可能かも.
6. 林隆久
細胞壁分解酵素を発現させてきた.バイオエタノールのために,セルロース分解性を上げる.ファルカータでポプラのセルラーゼを発現,早生樹を使ってエタノールを作れるのでは?インドネシア-日本の関係として模索できないか.
7. Retno Kusumaningtyas
インドネシア政府の対応は2025年までにガソリンの20%をバイオエタノールにする.インドネシアは砂糖の輸入国なので,食物との競合がおこる.Sengon(樹木)が適切なのでは?混交樹園地のようなものにできないか.そのことで,地元住民とのパートナーシップが達成できるのではないか.
8. Wil de Yong
熱帯林のガバナンスが変わってきた.近年の傾向:気候変動,化石燃料からバイオエネルギーへの転換,食料価格の高騰.なにが懸念されるか:土地の権利争い(?),外部のひとの参加,共同マネジメント(?).国レベルの決定を地域ごとに,ステークホルダーごとに解析し,必要な調整をして,いくつかの国を比較する(南米大陸も含めて).
9. 田中耕司
地元のひとが何を欲しているかを考えずには,Sustainabilityはありえない!(バイオエネルギーに偏りすぎ)大規模植林地がひとつの極としたとき,混合樹林地が対極にある人工林なのでは.アクターの役割と,造成された樹林地の政治的・社会的・生態的意義をあきらかにしたい.インドネシアの現状:所有者が明確でないままで,混乱を引き起こしている.森林公園に造成された混合樹園地は生態学的には森林とみなされない.生態系機能がどうなっているか?バイオマスの生産,水循環への影響,鳥類相への影響など.自然科学系のひとと協同研究求む.住民の交渉力を高める・グループ間の連携をとっていく.地元のひとの力が強くなるにつれて,調査者のコミットメントを考えていく.混合樹園地などは,3班のもうひとつのテーマとして展開したらどうか.
10. 石川登
調査していたところをアカシア植林地が囲み始めた状況で4年くらい関係を続けてきた.バイオマス(木材)社会を日本企業がどうとらえてきたかを見てきた.調査地はBintuluの流域スケールで村の生成,森林産物のやりとりをみる.すべての民族がいる.早い時期から換金食物を作り,農業はしない社会.木材の時代→オイルパーム.働いているのは外国人.地域住民が大企業にどうやって巻き込まれていくかを見たい.木材伐採からの現金収入が減り,焼畑もできず,生きていける基盤がなくなったので都市への移住が多い.規模の経済学,小農のひとたちがどうやって生きていくかを考えていきたい.人々にとっての森林の意味とは何か?理系の人と協同できるような基盤を整えていきたい.
11. 藤田素子
アカシア植林地では,生物多様性が低いと考えられる.現在は,植林地は増加傾向にあり,2次林は減少傾向にある.ランドスケープ管理をどうしたら,鳥類多様性を保てるかを考えていく.今年度は,残存2次林の構成,面積等に注目する予定である.また鳥フンを介した窒素・リンの移動を探っていく.鳥類の調査と森林の階層構造を重点的に行う.
12. 生方史数
なぜ生物多様性が守られないのか?その理由:多様性の機能と価値がよくわかっていないことと,多様な利害関係者によるコンフリクトが管理制度を崩壊させること.生物多様性保全を可能にするような生態系モデル・社会モデルが考えられるか?生態系の価値を最大化するような管理方法は?また,異なる利害関係者間におけるコンフリクトの経緯と現状の把握をしたい.メタスタディーのようにしたい.
13. 鈴木史朗
熱帯アカシアは育種が進んでいない.耐病性アカシアの育種をする.内在性・外在性抗菌遺伝子の発現.サンプリングののち,アカシアのデータベースからの候補遺伝子の探索,クローニング.
14. 海田るみ
産業林を持続させるには,コミュニティの住民が積極的に栽培するようにしたらよい.そのためには付加価値の高い樹木の育種と植林が必要.例えば成長が早く,セルロース密度の高いアカシアやファルカータの生産.エンブリオレスキュー法によるアカシアハイブリッドの作出(コシナールとの共同研究).GM樹木の作出によって分解性を上げ,木質の糖化レベルを上げる(LIPIとの共同研究)
まとめとして、共同研究を考えてほしいとの要望が挙がった。
(文責 藤田素子)
日 時:2008年5月22日(木)
場 所:メール会議
【活動の記録】
イニシアティブ3研究会 研究テーマについて
イニシアティブ3の研究会は、フィールドを限定せずに各々が設定したフィールドで研究を進め、他のフィールドへの共同研究を促進する場にし、特に文理融合の研究を目指したいと思います。
また、「産業人工林」に特定するのではなく、人工林を相対化してテーマを進め、変換林、観光林、経済林その他様々な人工林を対象として、その中で人工林持続のパラダイム転換を図りたいと思います。
これまでの研究会では下記のテーマが取り上げられてきました。
1. 地球温暖化問題(地球環境)
2. 人工林の土壌の問題
3. partnership と key stakeholders
4. 生物多様性の保全
5. 住民・コミュニティへの経済効果
6. 作物(食糧)との競合 7.日本と東南アジアとの関係
次回の研究会では、各人の研究について簡単に紹介していただきたいと思います。
(文責 林隆久)
日 時:2008年5月9日(金)
場 所:メール会議
【活動の記録】
イニシアティブ3研究会 活動概要について
イニシアティブ3の研究会は、フィールドを限定せずに各々の設定したフィールドで研究を進め、互いの共同研究を促進することに主眼を置き、フィールドにおける実践的な研究成果の報告を行うこととします。
また、産業人工林のフィールドで問題となる様々なテーマについての研究は、基本的にパラダイム研究会でディスカッションしたいと考えております。例えば、遺伝子組換え研究と生態学者、産業林開発研究と環境保護論者、実学と虚学、などのディスカッションです。
(文責 林隆久)
日 時:2008年4月21日(月) 14:00〜16:00
場 所:東南アジア研究所共同棟4階会議室
発表内容:
1)調査報告
Retno Kusmaningtyas(東南アジア研究所 研究員)
テーマ:「インドネシアパレンバン、シナールマス社の泥炭地植林に関する短期調査報告と研究計画」
2)林隆久 (生存圏研究所 准教授)
「NEDO国際共同研究先導調査事業について」
3)今後の研究体制について
【活動の記録】
1. Retno Kusmaningtyas (東南アジア研究所 研究員)
シンナマス社産業林における地域研究を報告した。その結果、MHP社とは異なる手法でコミュニティとの連携を図っていることが示された。
2. 林隆久 (生存圏研究所 准教授)
・インドネシアとの基盤技術共同研究開発:遺伝子組換え技術により、木質の糖化レベルが格段に向上する植物(樹木) の作出を目的とした共同研究の可能性を調査する。
・投資とパートナーシップの現状解析:現在、約100存在するインドネシア産業林会社組織(企業)とコミュニティ(住民)との森林管理に関するパートナーシップを調査して解析する。
(文責 海田るみ)
日 時:2008年3月13日(木) 17:30〜19:00
場 所:東南アジア研究所東棟2階会議室E-207号室
発表内容 1)研究発表
嶋村鉄也氏(京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科)
テーマ「熱帯泥炭地の生態系機能」
2)南スマトラにおける調査地の選定シナールマス社との協力について
3)会計報告
日 時:2008年2月18日(月) 13:30〜15:30
場 所:生存研セミナー室1 総合研究実験棟 5F HW525 宇治キャンパス
発表内容:
1)MHPおよびSinar Masとの交渉および研究に関する今後の方向性(60分)
2)会計報告(10分)
3)研究紹介(40~50分):
山下尚之(京都大学大学院農学研究科)
「土壌養分から見たアカシアマンギューム植林地の持続性」
日 時:2008年1月7日(月) 13:00~15:00(時間厳守)
場 所: 東南アジア研究所 共同棟4階セミナー室(409)
1. 研究紹介(30分):
川井秀一(京大生存研)
Ragil Widyorini(京大生存研)
Bambang Subiyanto(LIPI)
Eko Bhakti Hardiyanto (Gadjah Mada University)
Anita Firmanti(RISH)
Rosyid Gunawan (MHP)
Tri Suryanti (MHP)
Agus Wicaksono (MHP)
タイトル:「熱帯早生樹造林地における樹木生長量評価(その1)」
3. 会計報告(10分)
English Page>>
/en/article.php/20071206
日 時:2007年11月30日(金)
場 所:南スマトラ州パレンバン市のN
【活動の記録】
G-COEの活動に関連して南スマトラにおいて活動する様々な
そこには、WALHI,インドネシア農民組合南スマトラ支部
日 時:2007年11月30日(金)
場 所:南スマトラ州 パレンバン市、スリビジャヤ大学
南スマトラ州 パレンバン市にあるスリビジャヤ大学における研究協力の協議
発表内容:
1.水野広祐 教授 (CSEAS)
"Forestry Model of Sustainable Humanosphere: the Case of a Sumatran Community"
2. Prof. Fachrurrozie Sjakowi
" WELCOME TO THE ‘HTI’ PROVINCE OF SOUTH SUMATRA"
フィールドステーションの開設を含む、様々な研究協力の可能が検討された。
【活動の記録】
2007年11月30日、第3イニシアティブがスリジュジャヤ
日 時:2008年11月29日(木)
場 所:インドネシア南スマトラ州
インドネシア南スマトラ州においてムシフタンプルサダ社
1.川井秀一 教授 (RISH)
"Collaborative research project among Kyoto Univ. LIPI and MHP Sustainable Forest Management, Forest Products and Regional Environment"
2. 水野広祐 教授 (CSEAS)
"In Search of Sustainable Humanosphere in Indonesia- Forestry Model of Sustainable humanosphere in Sumatra, Indonesia"
【活動の記録】
19万ヘクタールのアカシアマンギウムの産業植林を行い、7
1) 11月8-11日のMHPへの出張報告と今後の対策(水野、川井、生方)
2) 会計報告
3) 研究紹介:泥炭湿地(阿部)、ホームガーデン(Retno)
日 時:2007年10月5日(金) 第1部 9:00~10:30 / 第2部 10:30~12:00
場 所:東南アジア研究所(東棟2階会議室E207)
第1部
会議の進行予定表:
1)生存研アカシアプロジェクトについて(矢野)
2)G-COEのプロジェクトについて(河野)
3)イニシアティブ2プロジェクトについて(柳澤)
4)イニシアティブ3プロジェクトについて(水野)
5)様々な問題点と外部資金獲得のための戦略(林)
第2部
会議の内容:
生存研とユニットの研究者と地域研究の研究者との研究交流会
はじめに矢野先生から、今までの生存圏研究所の取組みが説明されました。インドネシア・スマトラ島パレンバンにおけるアカシアの産業人工林地におけ る大気観測からアカシアの育種まで、10に上るプロジェクトが簡単に紹介されました。次に、河野先生がG-COEのプロジェクト全般について、そしてイニ シアティブ研究の意義について説明されました。柳澤先生と水野先生は、それぞれイニシアティブ2と3の各プロジェクトをハード面(研究費の配分方法や研究 遂行上の様々なベネフィット、研究成果や会合に関る班員の義務)を中心に話されました。林からは、イニシアティブ3のプロジェクトに関する問題点と外部資 金獲得のための戦略が説明されました。イニシアティブ3はイニシアティブ2の中の人工林に特定した研究活動を通じて実践的文理融合が図れると矢野さんは主 張されました。その主張通り、言葉の上だけで「ああでもない、こうでもない」と議論するより、文と理が実践によって融合できる場を作るべきであると思いま した。
第二部「生存研とユニットの研究者と地域研究の研究者との研究交流会」では、生存研ミッション研究員の藤田さんが人工林の中に棲息する鳥類の生物多様性に 関する研究方針を熱っぽく発表しました。多くの質問、ディスカッション、サジェスチョンが交叉しました。次に、田中先生が、スマトラ島Lampung州の 森林公園に混合樹園地を拓いたコミュニティの活動を報告されました。インドネシア人工林のモデルとなる活動であると思いました。文理研究者相互のパート ナーを見つける、はじめの「出会いの場」となったことと期待しています。
(文責 林 隆久)
スハルト退陣後、民主化・地方分権化の流れの下インドネシア社会は大きな変化を被っている。過去の発展戦略を振り返ると同時に、低いとも高いとも言えない6%成長の裏で生じている大きな制度変化を検討し、持続的生存基盤確保型発展の可能性を探る。
日 時:2007年8月25日
場 所:生存圏研究所
【活動の記録】
在日インドネシア留学生協会第16回研究発表大会において、生存圏研究川井秀一および東南アジア研究所水野広祐がキーノートスピーチをおこなった。 川井は、生存圏概念およびG-COEのインドネシアにおける活動について紹介し、一方、水野は、「インドネシアにおけるあらたな開発の方向と戦略および日 本インドネシア関係」と題するスピーチにおいて、過去のインドネシアにおける開発戦略を概観した後、インドネシアの新たな開発の方向として労働力や天然資 源以外の太陽光、生物種、ローカルノリッジなどの豊富な資源要素を組み込んだ生存基盤持続型産業の発展を提唱した。
(文責 水野広祐)
日 時: 2007年8月2日
場 所: 生存圏研究所
【活動の記録】
生存研研究所から川井秀一が、東南アジア研究所から水野広祐および農学研究科から谷が、おのおのが考える研究内容について議論した。川井は、「グ ローバルCOE生存圏グループプロジェクト」として1.人工林をフィールドにした総合プロジェクト;アカシアプロジェクト、環境;生物多様性の評価・炭 素・水循環分析、生産;バイオマス生産の評価、利用;資源・エネルギーの利用、2.持続的生存基盤データベースの構築、地図情報(GIS)等による時空間 データベースシステム、3.EARとの結合;下層と中層・超高層大気、4.その他の地域の新エネルギー・資源の開発を挙げた。一方、水野は、「アカシア林 経営の地域社会科学」と題して、1.アカシア林のモノカルチュア経営に伴いうるリスクを回避するため、2.小規模複合経営の特質を生かし、3.周辺森林な どにおける多層的、多角的、複合的、混植、多就業の持続的森林圏創生の必要性をあげ、4.そのための戦略・組織・制度、について報告した。一方、谷は、 「熱帯地域の水・炭素循環における森林の役割評価」として、年々変動する水・炭素循環の応答を継続観測することにより熱帯生存圏における森林との持続的共 生パラダイムの構築に資する研究を挙げた。
(文責 水野広祐)
日 時: 2007年7月26日~28日
場 所: インドネシア・バンドゥン工業大学
テーマ:The 10th Kyoto University International Symposium
“Active Geosphere Science”
主 催:KAGI
詳細:http://kagi.coe21.kyoto-u.ac.jp/en/meetings/KyodaiSympo/Kyodai10SympoTopH.html
【活動の記録】
生存圏研究所川井秀一および東南アジア研究所水野広祐が28日のパネルディスカッションにおいてパネリストとして出 席。川井が生存圏概念を紹介、また水野は大気圏や気候の研究と地域研究を組み合わせることから見える問題―例えばインドネシア農民のリスク回避行動と変動 が激しく予測困難な熱帯における気候との関係―について論じた。
(文責 水野広祐)