日 時:2008年7月24日(木)、25日(金)、8月10日(日)
■ 第1回 火入れ準備(草木の刈り払い、小雨決行)
日 時:7月24日(木)
場 所:余呉町中河内地区の山野
JR北陸本線/余呉駅集合
(集合時刻は午前9時前後を予定)
持ち物:軍手と作業着をご用意ください。
■ 第2回 学習会
日 時:7月25日(金) 19:00~
場 所:市民環境研究所(京都市左京区田中里ノ前21 石川ビル305、電話:075-711-4832)
講師:黒田 末寿 氏(火野山ひろば・滋賀県立大学人間文化学部)
内容:・火入れによる伝統農法について
・国内の焼畑に関する映像鑑賞(高知県池川町椿山地区と山形県鶴岡市
藤沢地区における記録作品を予定)
■ 第3回 火入れ(雨天延期)
日 時:8月10日(日)
作業地・集合とも火入れ準備と同様。
◆ 参加料
焼畑体験 (7/24と8/10の2日間):2,500円
(余呉駅~作業現場までの送迎、保険代、昼食代を含む)
1日だけの参加も可、学習会 (7/25):300円(資料・茶菓子代)
※ 焼畑体験に参加希望の方は、準備の都合上、必ず事前にお申し込みください。
集合時刻などの詳細、以降の回についても下記までお問い合わせください。
日 時:2008年8月9日(土) 10:00~
場 所:守山漁港
講 師:戸田直弘さん
地元漁師 戸田直弘さんの講師によるフナズシの
飯入れ体験講演会
今年6月21日に、琵琶湖の在来魚(フナ、ワタカ、ハス、オイカワなど)の塩漬
けを行いました。これは、フナズシ作りの第1段階の「シオキリ」と呼ばれる漬
け込みです。ウロコや内臓を取り出し、塩に漬け込むことで、魚の不要な水分と
雑菌を取り除くのです。その後7週間ほどたちましたので、塩から飯に、漬けか
えます。その後2~3ヶ月おくと、近江が誇る珍味、フナズシが完成するのです。
戸田さんの話を聞きながら、フナズシ体験してみませんか?
参加してくださる方は嶋田までメールをください。
嶋田奈保子(守山フィールドステーション)
日 時:2008年8月2日(土) 15:00~17:00
場 所:第一講義室AA401
マックス・ヴェーバー.1989.『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』大塚久雄(訳).岩波文庫
日 時:
2008年8月1日(金)14:00~22:00
2008年8月2日(土)10:00~15:30
場 所・宿泊先:「猿沢荘」
〒920-1122 奈良市池之町3 TEL(0742)22-5175・5176
プログラム(公示)
08/0801
14:00 「移民の飛び地研究を越えて―中国雲南系ムスリムの空間生活史理解へ向
けて」
王 柳蘭(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
15:30 「地域情報システムについて」
原正一郎(京都大学地域研究統合情報センター)
17:00 「ラオスの森林区分と時空間マッピングの展望」
横山 智(熊本大学文学部)
18:30 討論1 <各報告に関連する総合討論>
20:00 ブレイク(夕食)
21:30 討論2 <『アジア遊学』特集号「地域情報学」をめぐって>
23:00 初日終了
08/0802
09:00 「地域研究と情報学」
田中耕司(京都大学地域研究統合情報センター)
10:30 「云南徳宏地区の仏教徒社会と時空間マッピングの展望」
小島敬裕(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・院生)
12:00 「大陸部東南アジア生活世界マッピング構想」
林 行夫(京都大学地域研究統合情報センター)
13:30 ブレイク(昼食)
14:30 討論3<全報告に関連する総合討論>
16:00 次回研究会打ち合わせ
16:30 2日目終了
====
京都大学地域研究統合情報センター共同研究会
共同研究ユニットⅡ「地域情報資源共有化プロジェクト―地域情報学の創出」
「大陸部東南アジア仏教圏の文化実践の動態をめぐる時空間の位相」
(2007~08年度)
今年度第2回会合です。
日 時:2008年 7月29日(火) 15:00 - 17:00
場 所:京都学園大学バイオ環境学部 バイオ環境館6階会議室
内容:「座談会 人見節郎さんと話す『亀岡の農業と農村の戦後の変容』」
日 時:2008年7月26日(土) 14:00~17:15
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科第1講義室
京都市左京区吉田本町 吉田キャンパス本部構内
総合研究2号館(旧工学部4号館)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
アクセス:
最寄りの駅 京阪電車「出町柳駅」徒歩7分
最寄りのバス停 市バス、京都バス「百万遍」徒歩2分
話題提供者とタイトル:
14:00~15:30
林田秀樹(同志社大学人文科学研究所)
「インドネシアにおけるアブラヤシ農園開発と労働力受容:
全国的動向と西カリマンタン州の事例」
15:30~15:45 休憩
15:45~17:15
五十嵐誠一(早稲田大学社会科学総合学術院)
「フィリピンにおける民主主義の定着のジレンマ:
市民社会依存型選挙ガバナンスの功罪」
付記
科学研究費補助金基盤研究B「グローバル化時代の民主化と政軍関係に関する地域間比較研究」(代表・玉田
芳史)ならびに京都大学東南アジア研究所『比較の中の東南アジア』研究会の研究活動の一環として開催するものです。
日 時:2008年7月24日(木)、25日(金)、8月10日(日)
■ 第1回 火入れ準備(草木の刈り払い、小雨決行)
日 時:7月24日(木)
場 所:余呉町中河内地区の山野
JR北陸本線/余呉駅集合
(集合時刻は午前9時前後を予定)
持ち物:軍手と作業着をご用意ください。
■ 第2回 学習会
日 時:7月25日(金) 19:00~
場 所:市民環境研究所(京都市左京区田中里ノ前21 石川ビル305、電話:075-711-4832)
講師:黒田 末寿 氏(火野山ひろば・滋賀県立大学人間文化学部)
内容:・火入れによる伝統農法について
・国内の焼畑に関する映像鑑賞(高知県池川町椿山地区と山形県鶴岡市
藤沢地区における記録作品を予定)
■ 第3回 火入れ(雨天延期)
日 時:8月10日(日)
作業地・集合とも火入れ準備と同様。
◆ 参加料
焼畑体験 (7/24と8/10の2日間):2,500円
(余呉駅~作業現場までの送迎、保険代、昼食代を含む)
1日だけの参加も可、学習会 (7/25):300円(資料・茶菓子代)
※ 焼畑体験に参加希望の方は、準備の都合上、必ず事前にお申し込みください。
集合時刻などの詳細、以降の回についても下記までお問い合わせください。
日 時:2008年7月24日(木)、25日(金)、8月10日(日)
■ 第1回 火入れ準備(草木の刈り払い、小雨決行)
日 時:7月24日(木)
場 所:余呉町中河内地区の山野
JR北陸本線/余呉駅集合
(集合時刻は午前9時前後を予定)
持ち物:軍手と作業着をご用意ください。
■ 第2回 学習会
日 時:7月25日(金) 19:00~
場 所:市民環境研究所(京都市左京区田中里ノ前21 石川ビル305、電話:075-711-4832)
講師:黒田 末寿 氏(火野山ひろば・滋賀県立大学人間文化学部)
内容:・火入れによる伝統農法について
・国内の焼畑に関する映像鑑賞(高知県池川町椿山地区と山形県鶴岡市
藤沢地区における記録作品を予定)
■ 第3回 火入れ(雨天延期)
日 時:8月10日(日)
作業地・集合とも火入れ準備と同様。
◆ 参加料
焼畑体験 (7/24と8/10の2日間):2,500円
(余呉駅~作業現場までの送迎、保険代、昼食代を含む)
1日だけの参加も可、学習会 (7/25):300円(資料・茶菓子代)
※ 焼畑体験に参加希望の方は、準備の都合上、必ず事前にお申し込みください。
集合時刻などの詳細、以降の回についても下記までお問い合わせください。
日 時:2008年7月18日(金) 17:00~19:00
場 所:第一講義室AA401
C.ギアーツ.1987.「第一章 厚い記述」「第六章 儀礼と社会文化―ジャワの一事例」「第七章 現代バリにおける「内面的改宗」」『文化の解釈学Ⅰ』吉田禎吾・柳川啓一・中牧弘充・板橋作美(訳).岩波書店p3-56,243-324
日 時:2008年7月11日(金) 17:00~19:00
場 所:第一講義室AA401
第二回「映像実践による現代宗教復興現象の解明を通じた地域研究手法の開発」共同研究
(2008年度京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用研究)
特集:「研究者による映像実践(1)-映像人類学的方法論の検討と宗教研究-」
研究会当日は土曜日のため、建物入り口にカギがかかっております。 12時30分から13時までは入口に担当者を置きますが、それ以外の時間に来られた場合には会場入り口の案内をご覧下さい。(担当の電話番号を添えた案内を、当日建物入り口に貼付しておきます)
※※ 参加希望の方は、会場の都合がございますので、恐れ入りますが必ず下記アドレスまでご連絡ください。ご連絡先:religion.visuality[at]gmail.com (お手数ですが、[at]を@に変えてください)
【ご案内】
本共同研究は以下の3つの柱を掲げております(詳細は、 ウェブページhttp://www.cias.kyoto-u.ac.jp/index.php/news_detail/id/164 の下部をご覧下さい)。
(1) 当該諸地域の宗教団体、宗教ナショナリズム・「原理主義」運動による映像を活用した宗教実践、プロパガンダ、「自画像」形成に関する比較研究
(2) 上記の団体・運動を対象とした報道機関、映像作家などによる映像の研究
(3) 上記の団体・運動を対象とした研究者による映像の意義と問題点、映像作品制作を含む地域研究における映像実践の新たな方法論の構築に関する研究
今回は、上記(3)に関する研究会を実施します。 また、「映像地域研究」の手法開発セミナーを研究会と並行して継続的に実施します。これは、対象を宗教に限定せず、また、生態・自然科学から人文・社会科学までの映像実践を包括的に視野に入れた、「映像地域研究」の手法開発を目指すものです。
【キーワード】
フィールドワーク、検証可能性、客観性、代表性、作品化、映画祭、共同制作、組織論
【プログラム】(若干変更される可能性があります)
<第一部>
「映像地域研究」の手法開発セミナー(2)
13:00-14:00
「方法論の確立のために(1)-表現的活用と資料・分析的活用(研究のための映像ジャンル論、および歴史学を参考にした資料映像作法)-」
<第二部>
特集「研究者による映像実践(1)-映像人類学的方法論の検討と宗教研究における映像活用-」
14:15-18:00
司会:新井一寛(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員)
趣旨説明+「映像宗教学の射程」:新井一寛映像内容:
『茅の輪くぐり』岩谷洋史、兵庫県明石市稲爪神社、3分40秒、2006年
『バングラデシュ農村社会における割礼の変容』南出和余、バングラデシュ、36分、2006年
発表・上映
1.南出和余(日本学術振興会特別研究員)
「映像作品制作プロセスにみる『異文化の描き方』」
発表要旨:本発表では、映像作品を制作する際の、事前調査、撮影、編集というプロセスを、フィールドワーク論や「異文化の描き方」と照らし合わせて考える。また、論文執筆と映像制作を対比させることによって、研究における映像制作の利点と可能性、あるいは限界について考える。
2.川瀬慈(日本学術振興会特別研究員)
「学術映画祭の動向‐いま我々に何が求められているのか?‐」発表要旨:近年、人類学等をテーマにする学術映画祭が増え、これらを基軸とした映像人類学の国際的な研究交流の輪がかつてない規模でひろがりつつある。本発表では学術映画祭の動向を紹介し、研究作品を学術映画祭に発信していくことの意義と可能性について論じる。
映像内容:『Oral Pornography』Itsushi Kawase,Ethiopia,14min, 2006.
3.水野啓(京都大学大学院地球環境学堂助手)
「映像作品の共同制作における研究者の役割」発表要旨:発表要旨:京大地球環境学堂によるベトナム中部での研究・実践プロジェクトを取材し、草の根国際協力のあり方を問いかけるとともに、流域の空撮や山岳少数民族の伝統家屋建設など学術的価値の高い映像を記録した番組を紹介し、その制作プロセスを辿ることで、制作者と研究者が協働する上での課題や可能性を考える。
映像内容:『ベトナム未来づくりプロジェクト-環境学者たちの新たな挑戦』
制作・著作;ベネッセ・コーポレーション、協力:フエ農林大学、京都大学大学院地球環境学堂、独立行政法人国際協力機構、
映像協力:京都大学学術情報メディアセンター、
撮影地;ベトナム、90分、2008年。※ 一部紹介
※※休憩10分※※
3.コメント
「撮影チームの組織論」+コメント
飯田卓(国立民族学博物館准教授)
宗教学の視点から見た映像実践
葛西賢太(宗教情報センター研究員)
4.総合討論
【申込】2008年6月30日(月)までに,参加される方の(1)氏名(2)所属(3)連絡先(住所、電話、メイル)、(4)一般/学生の区別を水文・水資源学会事務局の申込専用アドレス(下記)までお知らせください。
お申込いただいた方には,申込受領メールを自動返信いたします。
〒169-0075東京都新宿区高田馬場4-4-19 水文・水資源学会内
TEL: 03-5389-6208 FAX: 03-3368-2822
E-mail: seminar6bunken.co.jp
【セミナーチラシ】(2.1M)
http://wwwtec2.tl.fukuoka-u.ac.jp/~tc/toshi_kankyo/6thsuisuiseminar-posterv.pdf
【プログラム】
10:00~10:10
◆ 開会の挨拶 安成 哲三
(名古屋大学 地球水循環研究センター教授、水文・水資源学会長)
10:10~11:00
◆基調講演 気候変動の影響をどう評価するか西岡 秀三 (国立環境研究所 特別客員研究員)
11:05~11:55
◆地球温暖化に伴う日本の気候変化諸岡 浩子 (気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課)
12:00~13:00
◆休憩
13:00~13:50
◆温暖化進行時における河川水文(降水、年間流況、洪水)の変化中北 英一 (京都大学防災研究所 気象・水象災害研究部門 教授)
13:55~14:45
◆植生-大気相互作用の観測とモデリングにおける問題渡辺 力 (北海道大学低温科学研究所 教授)
14:45~15:00
◆休憩
15:00~15:50
◆これからの水質評価のはじまり~都市近郊汚濁小河川を例として~和田 英太郎 ((独)海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター生態系変動予測プログラムディレクター)
15:55~16:45
◆地球温暖化に伴う気候変動が水関連災害に及ぼす影響について尾澤 卓思 (国土交通省 河川局 河川計画課 河川計画調整室長)
16:45~17:00
◆休憩
17:00~18:00
◆ 総合討論コーディネーター
砂田 憲吾 (山梨大学大学院 教授)水文・水資源学会 副会長
コメンテーター
小池 俊雄 (東京大学大学院 教授)
谷 誠 (京都大学大学院 教授)
司会進行
土屋十圀(前橋工科大学大学院教授) 水文・水資源学会企画事業委員会委員長
プログラム
1. 研究討論会 16:00~17:00 PM
問題提起者
安藤和雄 「社会連携・実践型地域研究にたくす可能性」(30分・発表、30分・討論)
<要旨>
生存基盤科学研究ユニットにおいて、東南アジア研究所が中心となって実施している「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」事業では、地方自治体、NPOなどとの社会連携により実践型地域研究を行なっています。社会連携による実践型地域研究の目的とするところは、相互啓発による「在地の自覚」が参加者各自に芽生えていくことにあると安藤は考えています。地域理解のゴールでもありスタートでもあるのが、「在地の自覚」です。生存基盤科学研究ユニットの萌芽研究助成に対して「バングラデシュと京滋地方の生存基盤(自然・健康・社会)と減災・開発への在地の知恵の体系に関する相互啓発実践型地域研究」の申請を準備しています。申請助成の内容と、安藤のこれまでのバングラデシュの農村開発プロジェクトやラオス国大学農学部と行なっている博物館活動などの実践型研究の経験から、社会連携・実践型地域研究に安藤が託している可能性についてお話しし、問題提起とします。
2.守山、朽木、亀岡フィールドステーションと事務局の活動経過報告と今後の計画
17:00~18:10PM(40分:各10分・発表、30分・討論)
3.今後の共同活動と広報内容
18:10~18:30PM(フリーの会議)
4.その他
18:30~18:40PM
日 時:2008年6月20日(金) 17:00~19:00
場 所:第一講義室AA401
日 時:2008年6月13日(金) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学 総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階会議室(AA447)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja
【演題】
漢字/帝国:文字の歴史人類学へむけて
【発表者】
中谷一氏(マギル大学准教授 美術史・コミュニケーション学科、東アジア学科兼任)
【コメンテーター】
安岡孝一(京都大学人文科学研究所准教授)
【要旨】
ジャック・デリダの音声中心主義批判以来、書かれたものを「生きた」言葉に対して本質的に劣ったものとするような見方は影を潜めてきた。人類学でも、ジャック・グディーやピエール・ブルデュー、日本では川田順造等の先駆的研究以降、語ることと書くことをそれぞれ独自な秩序を形成するものとしてとらえ直そうとする優れた研究に事欠かない。しかしこうした西洋音声中心主義に対する反省にもかかわらず、語られたものと書かれたものとの間にひかれた分割線それ自体の文化的・歴史的な局所性、つまりその分節の仕方そのものが特殊近代西欧的であるという可能性はおおかた不問に付されてきた。本研究では、中国における漢字の歴史的了解を対象に、文字とことばのこういった分節を再検討することをめざす。具体的には、現代中国アートなどにあらわれる漢字の表象を例にとりながら、そこに垣間見られる漢字了解が我々の抱く「文字」の観念とは相当にずれているさまを検討し、その一見奇妙な文字把握の方がかえって伝統的な漢字観をより正確に近似している可能性を考えてみたい。こうした考察は中国における漢字観の歴史への方法的準備体操のようなものにすぎないともいえるが、同時にことばと文字の関係の歴史人類学的再考へむけてのささやかな第一歩ともなればよいと思う。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
日 時:2008年6月6日(金) 17:00~19:00
場 所:第一講義室AA401
日 時:2008年5月23日(金) 17:00~19:00
場 所:第一講義室AA401
日 時:2008年5月22日(木) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学 総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階会議室(AA447)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja
【演題】
タイ山地民ラフの妖術について
【発表者】
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
【要旨】
妖術なる現象は、人類学の領域における主要な研究対象であり続けてきた。そして、そうであるがゆえに、妖術現象はそれぞれの時代の人類学者の願望を反映したかたちで描かれてきた。機能主義が流行した時代には社会の均衡維持装置として、ポストモダン批評が流行すると今度は、モダニティに対するメタ批評のイディオムとして、妖術は人類学者の希望に応えてきたのである。しかしそのことがかえって、当事者の論理を置き去りにして人類学者の都合を優先する結果を招いていないだろうか。
上に見たような妖術観は、社会の均衡維持装置であれメタ批評のイディオムであれ、大きく言えば妖術の社会的効用を評価する議論である。そこで軽視されがちなのは、当事者レベルでは妖術というものが、往々にして嫌悪の対象以外の何ものでもないという事実である。この点に関し、研究者と当事者とのあいだに認識のギャップがあるように思われる。妖術とはしばしば、その効用を評価する人によってではなく、その根絶を夢見る人々によって支えられている現象だという逆説に正面から取り組むことで、「住民の視点から」の妖術理解がより深まるのではないだろうか。
本報告で考察の素材とするのは、中国南部からタイ国北部にかけ居住する山地民ラフの事例である。これまで東南アジアは妖術研究の「後進地域」であり、またそこでは妖術告発が低調であることが指摘されてきた。ならばそうした事例にあえて着目してみることで、妖術論の閉塞感あるいはマンネリ感を突破できないか、というのが本報告の問題意識である。具体的には、ラフの人々がどのように妖術の根絶を試み、どのようにそれを断念してきたのか、また、現在の村落生活の中で妖術がどのようなリアリティーをもっており、それが社会的不和や個別の不幸とどのような関係にあるのかについて考察する予定である。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
日 時:2008年5月17日(土) 14:00〜17:00
場 所:龍谷大学深草学舎、紫英館5階 会議室
(深草学舎へのアクセス、地図は以下のURLをご参照下さい)
http://www.ryukoku.ac.jp/web
【報告者とタイトル】
Dr. Peter Little (Professor, Department of Anthropology, Emory University)
"Can Development Occur in a Protracted Political and Security Crisis: The Case of Southern Somalia"
Dr. Littleは、現在、京都大学アフリカ地域研究資料センターの客員教授として来日されています。せっかくの機会ですので、ご関心のある方にも是非ご紹介ください。
要旨:
報告者はこれまで、タイ北部山地民のフィールドで調査を行ってきており、また近年はタイ南部マレー半島で中国系住民の宗教実践の研究にも着手している。いわば「タイ仏教徒」の世界を、北と南の周縁からはさむかたちで研究を展開してきたことになる。本報告では、そうしたなかで考えてきた問題意識を、一種の中間報告のようなかたちで参加者諸賢と共有したいと考えている。それは大きく言えば、この地域での宗教や民族間関係をめぐる「常識」を、山地民や中国系住民という「脇役」たちの目からとらえ直してみることである。考えてみたいトピックとは、タイ系民族と隣接民族との民族境界と宗教との関わり、および、山地民や中国系住民の宗教実践における功徳概念の諸相などである。
「保存食にするゼンマイ」、「炭(燃料)に利用されるコナラ」、「屋根葺きに使うススキ」、「神事の場であるタブノキ林」のように、地域に自生する植物は多様な目的の下で資源として有効利用され、その土地に暮らす人々の生活文化の基盤を支えてきた。しかし、今日の日本では、輸入木材や化石燃料への依存度の高まりを背景に人々の世代交代も相俟って、身近にある植物資源の保護と利用に関する知識・技術の伝承が急速に途絶えてきており、そのことが管理放棄に伴う森林の荒廃、ひいては災害の激甚化を招くなど、多くの問題を派生させている。植物を「資源」として利用する人間の叡智がその価値とともに次第に忘れ去られつつあり、このことが、自然環境と人間活動(生業・生活文化)との調和を通して維持・形成されてきた地域固有の景観(例えば里地里山)の持続可能性を脅かすと同時に、保全を考慮する上での阻害要因になっていると考えられる。
自然環境の保全を考慮する際には「自然性」が重要視される場合が多い。例えば、植物群落については、人の手が加わっていない自然植生に対して最も高い評価がなされる一方、人為的影響の下で成立した代償植生は低く評価される。しかし、自然環境と人間活動(生業・生活文化)との調和を通して維持・形成されてきた里地里山においては、「自然性」の視点だけでは計り知れない多様な"保全のインセンティブ"が内在しており、既存の手法では適切な評価結果が得られない場合がある。そこで、発表者は、植物社会学的な基礎研究に取り組むなかで、「自然環境の保全のインセンティブとは一体何であるのか?」という問題を前提として、自然環境の基盤を成す植生(植物群落)を対象に「保全のインセンティブに関連する"多様な特性"を表現するための手法開発」に着目してきた。
本発表では、植物群落に備わる多様な特性のうち、とくに、人々の暮らしに役立つ性質(以下、この性質を「資源性」と呼ぶ)を取り上げ、「資源性」の側面から植物群落を評価する試みについて紹介する。日本国内の里地里山を対象とした事例研究では、「食材・薬材・飲料」、「建築材」、「農具・漁具・猟具・民具」など、「資源性」を指標する15項目(以下、「資源特性」と呼ぶ)を設定し、植物種/群落の利用に関わる民間伝承・記載等の収集・分析を行った。この結果、
* 森林はすべての資源特性を包含した多特性空間であること
* 「資源特性の多様性」の観点では、「水田の保全」は「森林の保全」と同様の意味があること
などが示唆された。
本研究における評価手法をベースに、植物利用の民間伝承に関する情報収集や他地域との比較分析を更に行うことで、植物群落に関する資源特性、地域特性(固有性)をより的確に具現化することが可能になると考えられた。ひいては、そのことが、自然環境保全のインセンティブ形成の役割を果たし得ると考えられた。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第148回アフリカ地域研究会
日 時:2008年4月17日(木)15:00 ~ 17:30
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田下阿達町46)
共同棟(新館)3階共同講義室(307号室)
演 題1:東アフリカ牧畜地域における貧困問題の複雑さ:ステレオタイプに異を唱る
講 師:ピーター・D・リトル教授
(エモリー大学、教授/京都大学、客員教授)
要 旨:
東アフリカの乾燥地域および半乾燥地域(ASAL)には主として牧畜民が生活 しているが、この地域は最近、旱魃と大洪水にみまわれており、そのことによってこの地域に山積している貧困や低開発、そして政治的な周辺化といった問題が、あらたに注目されるようになった。のどの渇きを訴える栄養失調の子供たち、月面のような荒涼とした風景、そして骨と皮ばかりになった家畜をつれた苦悩する牧畜民といったイメージがマスメディアに氾濫し、政府機関や国際組織、NGOなどは、いつものように食糧援助などの支援を呼びかけ始めている。そしてアフリカの貧困などの窮状を理解し、それを軽減しようとする動きは、政治家や国際的な有名人、研究者、そして活動家や現場にかかわる人々など、多方面から大きな注目を集め続けている。
しかしながら、このような深甚なる関心にもかかわらず、アフリカの農村部(とくに牧畜社会)において、いったい何が貧困問題をひきおこしているのか、それはどのように査定すべきなのか、そしてそれを解決するために何をなすべきなのかについては、ほとんど意見の一致がみられないのである。
ケニア北部に分布する牧畜社会は、アフリカ大陸のなかでもっとも脆弱 (vulnerable)な集団のひとつである。この発表では、この地域において実施された学際的な研究によって得られた資料にもとづいて貧困という問題をとりあげ、収入/支出のバランス、地理的な辺鄙さ、あるいは市場への統合といった平凡で陳腐な考え方にもとづいて問題を解決しようとすることに異議をとなえる。そして、そうした月並みな議論は多様な生計活動(livelihood)や貧富の差を認識しそこない、「牧畜民」を均質化(homogenize)していることを論ずる。開発援助において、牧畜民はおしなべて貧困問題をかかえているといったラベル(ステレオタイプ)をでっちあげることは、牧畜社会に対する外部からの関心をかき立てることはあっても、牧畜民自身の生計を強化することにはつながらないのである。
演 題2:アフリカにおけるアイデンティティの構築と社会史:時間と空間を超えた権力と富のエコシステムとアンソロスケープ
講 師:ローレンス・フリント博士 (セネガルに拠点を置くNGO・ENDA-TMの傘下にあるエネルギー・環境・ 開発計画の調査コーディネーター /コペンハーゲン大学アフリカ研究センター、研究員/バーミンガム大学西アフリカ研究センター、研究員)
要 旨:
世界のいかなる地域もそうであったように、かつてのアフリカにおいても、 権力と富は、氾濫原や河川のデルタのような生産性の高い核心的な生態環境のなかで発生し、そして管理されていた。そして、もっとも生産性の高い生態系は、しばしば紛争の場所ともなった。このような生産性の高い核心的な土地は、人々の定住地や、あるいは人々の英知が結集する場所となりうるポテンシャルがあるため、周囲に対しても影響力をもった。こうして、拡大と支配の過程を生み出す有利な生態的条件は、人々の形而上学的な意識にも影響を及ぼした。人々はそれらを、自然のランドスケープや、さまざまな物質やサービスを提供できる生産性の高い核心地に根ざしたアイデンティティやメンバーシップといった心理的な徽章として身につけるようになった。
権力と富は、生態環境の動態によって媒介され、生産性の高い核心的な地域へと集中するようになった。生態的バランスのいかなる変化も、社会および政治・経済的現状を、ただちに壊滅させるかもしれないインパクトをもつ。人の移動や人口増加、あるいはグローバルな新しい力の移入――政治、経済、社会的な求心性と結束を我がものにしようとするヨーロッパ系やアラブ系の商人、あるいは奴隷商人や宣教者などの到来――にともなって、これらの資源を管理しようとする競争相手が常に増加することになった。
ヨーロッパ植民地主義の到来によって、権力や富、あるいは精神的な充足感の中心地は、従来の中心地から徐々に離れていった。そして、こうした中心地は、それまで多くのアフリカ人にとって不可思議で実体がなく、架空上の存在であるようなよくわからない場所へと移動した。近代的な権力と富の象徴的な中心地への忠誠心を(アフリカ人に)求めようとしても無駄に終わった。植民地的な権力の産物に人々が出会うとき、たとえばヨーロッパ人が植民地期につくった大都市に移住したようなとき、彼らは心をこめて歓迎されるどころではなく、周辺化されたり無視されたりした。そして歴史文化的なメンバーシップやアイデンティティのシンボルへと回帰していくことになった。
本発表では、社会、政治、経済的過程がおこる中心地の移動や、アイデンティティの構築の性質に焦点をあて、またそこからこぼれおちるものにも目を配る。また気候変動のような変化をもたらす媒介物についても議論する。
バングラデシュJICA住民参加型農村開発プロジェクト・フェーズ2のProject
DirectorのNaziullahさんとKalihati郡Rural Development OfficerのBimolさ
んがJICA研修で来日され、4月7日より、亀岡、山口、滋賀、東京(アクション
プラン作り)で研修されます。
今回の研修の目的は、日本の地方行政と住民組織の概略と、現在日本の地方が主
体的に行なおうとしている「住民参加(主体)型農村開発(地域おこし)」の現
場を見てもらうことです。地方行政レベルでの研修制度、行政とNPO・大学との
地域レベルでの協働、経済・インフラ中心から文化と住民のやる気を起こす仕掛
けへの農村開発のシフト、などなど、PRDP2の今後展開になんらかとヒントに
なっていただければよいと、企画されました。
4月7日 午前中に亀岡市の市長表敬、亀岡市に立地し、亀岡市・地元NPO・住
民とがっぷりと組んで地域おこしを側面的に支援している「亀岡モデル」を実践
している京都学園大学関係者との意見交換、その後 以下の予定を組んでいま
す。4月7日は大学院の入学式、16:30~オリエンテーションと予定が重なり、
大変申し訳ありませんが、興味のある教員、院生は、15:00~17:00の研究会への
参加を歓迎致します。JICA国内研修の現場や、バングラデシュ住民参加型農村開
発研究プロジェクトを知っていただくよい機会となるとともに、皆さんのご意見
やアイデアを是非お二人のアクション・プログラムの作成に反映させたいのです。
14:30 京都大学東南アジア研究所 所長表敬
15:00~17:00
「農村開発における地域」
ーバングラデシュJICAプロジェクト住民参加型農村開発フェーズ2
プロジジェクトダイレクター、カリハテイ農村開発官の日本国内研修に関する研究会
17:30~ 歓迎会(京大会館のレストランなどを予定しています)
日 時:2008年3月29日(土) 13:00~17:30
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ 地域研究研究科共同棟3階セミナー室(307) http://www.kyoto-u.ac.jp/access/kmap/map6r_m.htm
趣旨: 近年、撮影・編集機材の利便化や低価格化によって、 研究公表の手段として映像作品を制作する研究者が増えています。作品を発表し議論する場も、人類学映画祭や学会を中心にひろがり、映像を通した国際 規模の研究交流が活発に展開されつつあります。 そのようななか、本会では京大の研究者が今年度制作した映像作品の上映と作品テーマの報告を行い、 来年度開催される学術映画祭や学会への出品にむけ、 作品のブラッシュアップを目的にした議論を行います。開発と環境問題、民俗芸能の継承、生業経済の変容等、現代社会をとりまく諸問題に、映像作品を通し、地域や学問の枠を越えてアプローチします。
コーディネーター : 川瀬慈(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)日 時:2008年3月27日(木) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学総合人間学部棟1207講義室(2階北東角)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.kyoto-u.ac.jp/access/kmap/map6r_ys.htm
【演題】
プレイバック探検映画―デジタル映像人類学に残された課題―
【発表者】
飯田卓氏(国立民族博物館・研究戦略センター・助教)
【要旨】
昭和30年代、日本の人類学者が組織するエクスペディションには、しばしば記録映画の取材班が随行していた。こうしたことがみられた背景には、 1) 各種メディア企業や一般市民の海外渡航が不自由で、2) 研究者の資金がかぎられており、3) 広告でなく興行を主たる収入源とする映画産業が隆盛していた、という特殊な時代状況をあげられる。いわば、人類学と映像マスメディアの蜜月時代だったといえよう。ひるがえって50年後の現在、資金的にも技術的にも、マスメディアに依存せずに研究用動画を撮影できる時代になっている。マスメディアに頼ることなく、映像人類学を実践する基盤が整いつつあるのである。あらためて50年前をふりかえることで、残された課題とこれからの映像人類学の指針を提示し、今後の議論に供したい。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
元来、仏教には男性出家者集団である比丘サンガとともに女性出家者の比丘サンガが存在していた。比丘尼サンガは、ブッダが叔母のマハーパジャーパティーを最初の比丘尼として出家させて以来、インド各地にその足跡を残し、アショーカ王の娘サンガミッター長老尼によって、セイロン島に伝えられた。その後、セイロン島の比丘尼サンガは、10世紀末ないし11世紀までに滅んだ。東南アジアには、大陸部・島嶼部とも、比丘尼サンガが存在したという議論の余地のない碑文の証拠は発見されていないという。現代に至るまで、長らくスリランカ、タイなどの上座部仏教圏の国々では、女性の比丘尼出家は不可能なものと受け止められてきた。備考
1996年12月、上座部仏教を信仰する10名のスリランカ人女性が韓国のサンガから受戒し、上座部仏教の比丘尼として出家した。これが契機となって、以後、スリランカでは、比丘尼ないし沙弥尼(比丘尼となる前段階の見習いの尼僧)として出家する女性の数が着実に増加し、2004年半ばには、比丘尼約400名、沙弥尼約800名にまでなった。スリランカ上座部仏教では、比丘尼サンガの復興がほぼ定着しつつあるといえる。
スリランカにおける比丘尼サンガの復興は、タイ人の女性仏教徒にも影響を及ぼした。2001年2月、元タマサート大学文学部准教授チャスマン・カビラシンは、スリランカで上座部仏教の沙弥尼として出家し、タンマナンターと名乗った。タイに帰国したタンマナンターが、タイの比丘と同様に剃髪し、黄衣を着用した姿でテレビに出演すると、女性の出家の可否・比丘尼サンガの復興の是非をめぐって、タイで盛んに議論が交わされるようになった。タイ人女性の比丘尼出家に対する関心は、タンマナンターが比丘尼になった2003年ごろをピークに高まり、報告者が知り得た限りでは、2007年3月までに34名のタイ人女性が上座部の沙弥尼として出家し、2007年7月末までにそのうちの7名が比丘尼として出家した。しかし、2007年5月までに、11名の沙弥尼と比丘尼が黄衣の着用を断念し、白衣で在家戒を守る在来の女性修行者メーチーないしウバーシカーに戻っている。こうした状況は、タイの女性たちが沙弥尼ないし比丘尼になることに対し、決して無関心ではないにもかかわらず、タイ社会において、女性が男性の比丘と同じ黄衣を着用し出家者として生きることが決して容易ではないことを物語っている。つまり、タイでは、沙弥尼ないし比丘尼としての出家の正当性が十分な認知を得ていないのである。
本報告では、従来、不可能であると考えられてきた上座部比丘尼サンガの復興が、どのような根拠を元に試みられているのか、またタイのサンガ、メーチー、出家者を支える在家仏教徒のコミュニティは、沙弥尼・比丘尼に対し、どのような態度を取っているのか、そして彼女たちの出家の正当性がなぜ不安定であるのかについて、検討していきたい。
趣旨:
21世紀に入って、「地球温暖化」問題が象徴的に示すように、グローバルな課題としての環境問題が大きくクローズ・アップされている。また、新型インフルエンザのような、グローバルな規模の疫病の危機が取り沙汰されている。今日、このようなグローバルな課題の解決は、前世紀以上にさし迫った問題として登場している。
19世紀のコレラ流行は、まさにパンデミック(世界的流行)として、幾度も世界を席巻し、多くの教訓を残してくれた歴史的事例である。例えば、19世紀後半にヨーロッパ諸国を中心に数度にわたって開催された「国際衛生会議」(International Sanitary Conference)では、コレラの病因論や対策(検疫が有効か否か)をめぐって各国が激しく対立し、このような会議において合意を得ることが如何に難しいかを今日に伝えている。
さて、本ワークショップでは、上記のような今日的な問題意識も秘めながら、歴史研究の視角から、19世紀アジアにおけるコレラ流行の様々な側面が取り上げられる。第一部では、グローバルな現象としての19世紀コレラが、地域・社会の環境や文化に応じて、如何なる発現をしたのかを問題にする。第二部では、グローバルな現象としての19世紀コレラに対する、地域・社会の対応が、主として国家の側面に留意しながら論じられる。
なお、会議での報告・コメントは、主として日本語で行なわれる予定であるが(ただし、鐘女史の報告は英語で行なわれる)、討論等では英語も使用される。
タイ北部山地にみられる発酵食用茶「ミアン」の生産を目的とした伝統的な林内チャ樹 園、いわゆる「ミアン林」は、原植生に近い多層森林構造を維持できることから、森林と 調和的で持続的なアグロフォレストリーと評価されてきた。しかし近年における社会構造 変化に伴うミアン林利用の動向と、生業としての経済的評価は十分行われてこなかった。 長期的な社会経済分析は、「ミアン林」の持続性評価のみならず、タイ北部森林景観の将 来的予測にも貢献が期待される。本論文では、1970年代の調査資料の残るミアン生産村 において、過去30年にわたる生業の変容とその要因を明らかにするとともに、生業変容に 伴う慣習法による土地利用慣行ならびに個人の資源用益権に関する概念の変遷を分析した。 その結果、1980年代前半には道路などのインフラ整備に伴いミアン生産と労働人口流入 の拡大が進行したが、その後は市場の縮小に伴い生産規模、人口ともに減少し、村の経済 状況は急速に衰退したことが明らかとなった。しかし2001年から始まったタイの緑茶ブー ムを契機としてミアンから飲料茶生産への転換がはかられ、村民主導の直接出荷経路の構 築がこの転換をさらに加速した。このような生業の変容に伴い、慣習法において個々のチャ 樹に限定されていた個人の用益権の範囲は、作物導入の場としての土地自体にまで拡大さ れ、他作物への転換も視野に入れた慣習法変容の可能性が認められた。このようなミアン 生産村内部の変化は、今後のタイ北部山地の森林景観の維持にも影響を及ぼす可能性を指 摘した。
日 時:2008年2月15日(金) 14:00~17:30
場 所:京都大学旧工学部4号館4階大会議室
主催:映像なんでも観る会
科学研究補補助基盤研究(B)
「地域研究におけるメディエーションの実証研究」(代表者
14:30-16:00上映
16:00-17:00坂上監督講演とディスカッション
「LIFERS ライファーズー終身刑を越えて」
坂上香監督・編集 2004年/日本/91分/out of frame
受刑者が300万人を超える米国。そこには10万人あまりのLi
そんなLifersが参加している犯罪者の更生プログラム
*作品に関する詳細は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.cain-j.org/Lifers
坂上香 ドキュメンタリー映画監督/津田塾大学教員。
1965年大阪生まれ。丸9年テレビドキュメンタリー制作に携わ
地域情報学研究会・JCAS地域研究コンソーシアム研究会共催
基盤(S)地域情報学の創出ベトナム研究班活動報告
日 時:2008年2月12日(火) 13:30~18:00
場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟1階会議室
参加対象 オープン
1.桜井由躬雄(東京大学名誉教授)
「ハノイのハンマー,キムリエン地区における現地調査報告」
2.岩城考信(法政大学大学院博士課程)
「20世紀初頭のバンコク地籍図GISデータベースの構築とその
3.Ho Dinh Duan(東南アジア研究所外国人研究員)
「Studies on Hanoi Urban Transition in 19-20c. based on GIS/RS」
4.Truoung Xuan Luan(ハノイ鉱山地質大学准教授)
「The Development and Urbanization Process of Thang Long –Dong Do–
Ha Noi from the GeoInformatics Approach」
5.米澤 剛(東南アジア研究所研究員)
「ハノイの詳細DEMを用いた都市変容分析」
(研究会終了後、懇親会を予定)
趣 旨:今回のシンポジウムは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)が、 平成18年度-19年度の2カ年にわたって実施した「魅力ある大学院教育イニシアティブ」(文部科学省/日本学術振興会)による教育プログラム「臨地教育 による実践的研究者の養成-アジア/アフリカ地域研究教育におけるフィールドワークとインターンシップを活用した研究者養成コースの導入」の最終成果発表 の機会として企画されました。
本研究科は、このプログラムを通じて、のべ100人以上の学生と教員をアジア・アフリカの現場に派 遣し、臨地教育(オンサイトエデュケーション)と臨地研究(フィールドワーク)をおこないました。本プログラムの特色のひとつである、現代的諸問題を研究 課題とする「問題発見型フィールドワーク」では、地域に密着した長期のフィールドワークのなかから、アジア・アフリカの諸地域が直面する多様な問題への関 心と、地域研究手法によるアプローチがこれまで以上に培われたと考えます。また、このプログラムではインターンシップを導入しましたが、これによって国際 機関やNGO、研究機関などに派遣された学生がフィールドでの経験と研究蓄積を、いかに実践的場面で生かすことができるのかを実感するよい機会を提供しま した。「実践的地域研究者」を国際社会に送り出す準備はこのプログラムで十分に整えられたのではないかと自負しています。
本シンポジウムは、このような成果をふまえたうえで、本研究科の現役大学院生だけでなく、広くアジア・アフリカをフィールドに研究と実践を志そうとする人々とともに、研究と実践の現在と未来について議論し、実践的地域研究のより具体的な可能性を提言しようとするものです。
シ ンポジウムでは、アジア・アフリカの現場において様々な問題に直面しながら、国際社会の舞台で実践的な仕事に従事されてきた方々の提言をもとにして、研究 と実践はどのような関係にあるのか、また、国際社会において貢献する研究者の望ましい姿とはどのようなものなのかについて語っていただきます。報告者とし て本研究科で学位を取得した後、国際機関での勤務を経験した方々にも来ていただきます。昨年のシンポジウムに続いて、本研究科のめざす実践的地域研究の進 め方や、実践の場で活躍することのできる研究者のそなえるべき資質などについて、活発な意見交換がおこなわれることを期待します。
プログラム:
■午前の部 | |
10:00 | 研究科長挨拶 シンポジウム基調 |
10:15 | 「Promoting Decent Work in Asia: 国際労働機関(ILO)での経験」 後藤健太(立命館アジア・太平洋大学アジア・太平洋マネジメント学部) |
11:00 | “The Road from ASAFAS to Afghanistan: How Do Life Experience, Education and Personal Effort Influence Your Career?” Daniel Baheta(Canadian International Development Agency) |
11:45 | 「ODAの現場から-シェラレオネの事例を中心に-」 長井圭子(株式会社コーエイ総合研究所) |
12:30~14:00 | 昼食 |
■14:00~15:00 | ポスター発表 |
■午後の部 | |
15:00 | 「よそ者の役割とは何か-ベトナムの農村を事例に-」 伊能まゆ(Japan International Volunteer Center:ベトナム現地駐在事務所代表) |
15:45 | 「国連リベリアミッションでの環境・天然資源アドヴァイザーとしての経験」 Hiroko Mosko(UNMIL:国連リベリアミッション) |
16:30~17:30 | パネルディスカッション |
■レセプション | 18:00~20:00 |
日 時:2008年1月21日(月)13:30~22日(火)
場 所:京都大学木質ホール(京都大学宇治キャンパス)
京都大学生存研研究集会
「自然地理的条件と持続可能な開発-ブラマプトラ流域を対象とし
プログラム:1月21日(月)趣旨:莫大な人口を擁する発展途上地域における、持続可能な発展戦略を探ります。
そのために、ブラマプトラ川流域をひとつの対象領域としつつ、他の地域との対照も交えながら、モンスーン気候・地域水循環・地域植生・保健衛生・農林水産業生態系・農村社会の現状とその動態の先端研究を交流します。
この研究集会を通じて、ブラマプトラ川流域の社会とそれを規定する自然条件の現状を総体として理解し、地域社会の発展に向けた具体的な戦略を明らかにする基礎が築かれることが期待されます。
また、参加する自然科学研究者から見れば、自らの研究の持つ社会的意味を理解する機会となり、社会科学研究者から見れば、その社会の基盤を形作る自然的条件を深く理解する機会ともなります。
アジアを対象とした多様な研究領域に携わる、分野を超えた幅広い研究者の参集を呼びかけます。
13:00 | 受付開始 |
13:30 | 開会挨拶 |
13:35- |
|
14:50- |
|
16:25- |
|
18:15-20:00 | 懇親会 |
9:10- |
|
10:20- |
|
正直なところ、私はフィールドワークが苦手である。なぜなら、酒も飲めないし、体力もなく、とりわけ、初対面の人とのコミュニケーションが不得意だからである。現地の言葉の習得にも時間がかかった。こんな私であるが、1996年から1998年まで、マレーシアの先住民オラン・アスリの集落で2年半のフィールドワークを行ない、貴重な経験を得ることができた。
フィールドワークでは、様々な戸惑い、挫折、失敗を経験した。それでも何とかフィールドワークを続けるために 、恩師のアドバイスや調査マニュアルを参照しながら 、世帯調査や収入集計調査など、付け焼刃ながら私なりの調査法を 考え出した。そして、その時に、世帯調査から始めるフィールドワ ークの重要性を再認識した。
昨年、「質的調査」について講義する機会を得た。講義では、失敗から学ぶフィールドワーク、世帯調査の重要性 、ゴムやドリアンの収入調査について語った。その際、 「他の人類学者は実際にはどのような調査を行なっているのだろう か?」という疑問が浮かんだ。
本研究会では、マレーシアにおける私の調査経験を紹介しながら、「人類学におけるフィールドワークの基本とは何か?」 「人類学者はどのようにしてフィールドワークを行なっているのか ?」などについて、参加者の方々と共にフィールドワークの技術論 に焦点をあてた議論をしてみたい。