日 時:2009年4月24日(金) 14:00~
場 所:第一講義室(AA401)
今回はフランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』を読みたいと思います。
ご都合のつく方は、ぜひご参加ください。
日 時:2009年4月24日(金)16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
発表者:井上純作(前守山市教育部長)
発表題目:「守山活性化フォーラムを終えて ―住民がつくる守山―」
(守山活性化フォーラム http://moriyama21.jp/?p=1057)
発表内容:
守山の地域住民にとっての“まちづくり”とは?
今の守山にほんとうに必要なものとは?
人々の暮らしに根ざしたまちづくりを進めるために、考えなくてはいけないこと。
日 時:2009年3月27日(金) 18:00~
場 所:京都大学総合研究2号館(旧・工学部 4号館)4階 会議室(AA447)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
要旨:
フィリピンのムスリムは、長年にわたり、国家におけるマイノリティとして、様々な権利の承認と実現を求めてきた。本報告で扱う「法」に関わる権利も、その重要な一部を構成している。制度的にみると、慣習法、イスラーム法、国家法やグローバルな国際規範が、いわゆる多元的法体制を構成する形で存在している。またフィリピン南部の混乱は多くの国内避難民や経済移民を生み出してきており、彼らフィリピンのムスリムに関わる法制度は、特定の地理的境界との対応関係だけでは十分にその機能を果たさなくなってきていることは、フィリピンのイスラーム法学者なども指摘するところである。
このような状況をうけて、本報告では、フィリピン・パラワン島南部のムスリムやクリスチャンが混住するバランガイ(barangay)において,ムスリム住民が当事者となる婚姻事例を紹介し,そこにみられる人々の日常的実践を通じて,慣習,イスラーム,国家の「法」などが,どのように解釈され,選択され,相互作用し,多元的法体制の動態を生み出しているのか、またそれらを動かすメカニズムについて、実践と制度の交渉という視点から考えてみたい。
日 時:2009年3月25日(水)11:00~14:00
集合時間・場所:10:30にJR亀岡駅北口集合
発表者:上田潔(元筏士), 酒井昭雄(元筏士), 河原林洋(亀岡FS研究員)
発表題目:保津川における筏組の実演、試乗会
発表内容:
かつて保津川(桂川)は物資の一大流通経路であった。その一役を担っていたのが材木を運ぶ「筏」である。江戸時代の最盛期には年間約50~60万本の材木が筏によって運ばれたといわれる。今回は、元筏士のお話を聞きながら、昭和の「カン筏」を実際に組み、試乗する。
※通常は12連=約50Mの筏であるが、当日は3連=約10Mの筏を再現予定。
昼食:地元の食材を使ったお弁当を用意いたします。(実費負担)
服装:動きやすい服装。濡れる場合もございますので、着替え等ご持参ください。ウォーターシューズ等があれば便利です。
日 時:2009年2月27日(金)16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-
徒歩5分)
発表者:永井邦太郎(摺墨山菜加工生産組合)
発表題目:「湖北・山里の水と生き物と人のかかわり」
発表内容:
永井邦太郎さんは、余呉町の摺墨(するみ)に生まれ、農業と山仕事に従事さ
れてきた。昭和30年代からだんだん農業も山仕事も変わって、機械化されたり人
工林化されたりしてきたが、現在に至ってみると、いかに昔のやり方が水や命の
めぐりを大事にする方法だったかがわかる。暮らしについてもそうである。この
頃は、子どもたちに昔の暮らしや山の大事さを伝えようと、炭焼きや広葉樹の植
樹を教えている。
また、余呉町では、昭和40年代半ばまで焼畑でカブラの在来品種、ヤマカブラを
栽培しきたが、摺墨山菜加工組合でその後もヤマカブラを守り続け、一昨年から、
高時川最上流で焼畑を復元した。
今年は老齢化した広葉樹林を伐採して焼畑にして若返らせる計画で、これについ
ても話していただきます。
次世代の地域研究研究会
小林 知
河野元子
日 時:2009年2月7日(土) 14:00~17:00
場 所: 京都大学稲盛記念館3階中会議室
14:00 山本太郎(長崎大学熱帯医学研究所 国際保健学分野)
「感染症国際協力最前線:新型インフルエンザを例として:歴史・
15:20 休憩
15:40 太田伸生 (東京医科歯科大学 国際環境寄生虫学)
「アジアで住血吸虫病と闘う」
17:00 閉会
18:00頃~ 懇親会
日 時:2009年2月4日(水) 14:00~18:00
場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟1階会議室
参加対象:オープン
基盤(S)地域情報学の創出研究会・地域研究統合情報センター全国共同利用研究共催
「ベトナム・ハノイプロジェクト研究会」
基盤研究(S)地域情報学の創出(代表:東南アジア研究所教授・柴山守)の取り組みとして,下記の研究会を地域研究統合情報センター全国共同利用研究との共催で開催いたします。
本研究会では,基盤研究(S)「地域情報学の創出」のコア研究として,ベトナム・ハノイの19-20世紀にわたる都市形成過程に焦点をあてた研究の今年度の活動報告を兼ねた成果発表を行います.また、地域研究統合情報センター全国共同利用研究「地域情報学的手法を用いたベトナム・ハノイの都市変容の解明」(代表:生存基盤科学研究ユニット研究員・米澤剛)の成果報告も行います。
ベトナム及びハノイの研究者のみならず,情報学やGIS/RSの地域研究への応用を考えておられる方,または情報学の視点からできることに興味のある方,若手研究者,大学院生など多数のご参加をよろしくお願い申し上げます。
報告者
1.米澤 剛(生存基盤科学研究ユニット研究員)
「ハノイの地形と地下構造」
2.大田省一(東京大学生産技術研究所助教)
「ハノイ大堤防の変遷(仮題)」
3.桜井由躬雄(東京大学名誉教授)
「ハノイ・オールドタウンの中心軸(チュックチュンタム)」
4.柴山 守(東南アジア研究所教授)
「ハノイ・プロジェクト総括と今後の展望」
(研究会終了後、懇親会を予定)
問い合わせ先:米澤 剛
テーマ: 長期休閑型の焼畑移動耕作が森林植生の長期的変化に与える影響
―ミャンマー・バゴー山地のカレン集落の事例―
日 時:2009年1月30日(金)16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-
徒歩5分)
発表者:戸田直弘(琵琶湖漁師)
発表題目:漁師納得の外来魚活用-防災備蓄食糧としての缶詰-
発表要旨:
1983年、琵琶湖でブラックバスを確認。その後、
県の本格的な外来魚対策事業も始まり、
“漁師が税金で生かされるのは情けないし、申し訳ない。”
これまで琵琶湖に投じられた予算(税金)を、
__________________________
京都大学東南アジア研究所が担当する京都大学生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業(滋賀サイト型機動研究「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」)の研究会を開催致しますので、興味のある方はご参加ください。
ご出席される方は、会場のスペースの関係もありますので、1/28(水)までに世話役を行なっている鈴木玲治までメールでご連絡ください。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第152回アフリカ地域研究会のご案内 (This seminar will be held in English)
日 時:2009年1月30日(金)15:00 ~ 17:00 → 15:30~ 17:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階318号室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演 題:Language, culture and politics in present-day South Africa
(今日の南アフリカにおける言語・文化・政治)
講 師:Ernst Kotze(エルンスト・コツェ氏)
・Professor, Nelson Mandela Metropolitan University, Port Elizabeth
(ネルソン・マンデラ・メトロポリタン大学(ポートエリザベス)
・Guest Professor, ASAFAS, Kyoto University
(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、客員教授)
要 約:多文化国家、特にアフリカのようなところでは、
常に集団間の力関係が反映されたものになってきた。この点、
外ではない。1994年の民主化以前は、
る地位を占めていて、それらは知識を得るための手段であった。
語とアフリカーンス語以外に9言語を加えた11言語が公用語とさ
が生じた―。しかし、それは本当か。本発表では、
状況を形作ってきた政治・文化上の対抗勢力について概観する。
至った社会言語学的要因の分析を簡潔に行い、
ついて述べる。
てる。
English Page>>
/en/article.php/20090115145421889
要旨:
ベトナムの少数民族チャムの一集団であるチャム・バニは、イスラームの要素と精霊等を並存して信仰していることから、仏領期以降の記述において「バニ派」あるいは「古いムスリム」等と称され、「異端」や「変形」といった否定的な形容とともにイスラームの一派として紹介されることが多い。しかし、チャム・バニのアラーに対する信仰と実践のあり方は「宗教職能者」と「在家」という社会を構成する二つの層によって大きく異なっており、人々はウンマの成員としての宗教的自意識も共有していないので、その理解には注意が必要である。
チャム・バニの宗教は、彼らと同じベトナム中部南端の平野に暮らすチャム・バラモンと象徴二元論的な世界観を共有しており、この地域のチャム知識人たちはそれこそがチャムの「正統」な宗教だと主張している。他方で、1960年代には一部のチャム・バニ出身者の間でイスラーム覚醒が起こっており、スンニ派への「改宗」者も誕生した。
諸民族の文化的多元性が容認されはじめ、国家レベルで「文化的アイデンティティの構築」が奨励されるようになったドイモイ以後のベトナムでは、多様性や様々な文化要素の融合といった特徴は、寛容性という積極的な意味を付与される傾向にある。宗教をめぐる言説に着目してみると、チャム・バニの社会に見られるような、原理主義とは逆の方向に形成されるシンクレティックな宗教実践のあり方はベトナムの民族の独自性として積極的に評価されている。
本報告では、宗教をめぐる評価を様々なレベルで検討し、ベトナム中部南端のチャム・バニの社会における宗教文化の再編過程を考察する。
日 時:2009年1月19日(月) 14:00-17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館小会議室Ⅰ
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_m.htm
English Page>>
/en/article.php/20081204152100936
日 時:2009年1月16日(金) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(京都大学東南アジア研究所キャンパス内)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/about/access_ja.html
日 時:2008年12月26日(金) 14:00~16:00(いつもとは時間が異なります。ご注ください)
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
発表者:安藤和雄(京都大学東南アジア研究所)
発表題目:絶対肯定の農村研究哲学の提唱:日本の過疎問題に関する読書ノート
発表内容:
1. はじめに-問題提起―
2. 外国人がみた現在の日本の農村に対する疑問
3. 過疎と離農問題の捉え方
4. おわりに -宮本常一の静かな怒り-
日 時:2007年12月22日(月)14:00~16:00
場 所:稲盛財団記念館 小会議室2(331室)
報告者と論題:
Dr. Tirthankar Roy (London School of Economics)京都大学アフリカ地域研究資料センター
第151回アフリカ地域研究会のご案内 (This seminar will be held in English)
日 時:2008年12月18日(月)15:00 ~ 17:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演 題:The waning of the "Mandela Syndrome"? State and Identity in
Contemporary South Africa
(「マンデラ・シンドローム」の衰退か?-
アイデンティティ)
講 師:Scarlett Cornelissen(スカーレット・コーネリッセン)
・University of Stellenbosch, Department of Political Science,
Associate Professor
(ステレンボッシュ大学政治学部、准教授)
・Ritsumeikan University, Faculty and Graduate School of
International Relations, Visiting Professor
(立命館大学国際関係学部/研究科、客員教授)
要 約:南アフリカの民主化前夜、
社会と政治の完全な変革がなされないかぎり、
て予測された人種間の流血は免れないだろう。
アフリカ民族会議(African National Congress)のリーダーでもあったネルソン・
マンデラは、その在任中に、「虹の国」の実現と、
つくることに力を注いだ。
実和解委員会や融和的な憲法の草案づくりといったプロセスとして
間の和解に焦点をあてた「マンデラ・シンドローム」は、
正負両方の遺産を残している。ポスト・アパルトヘイト初期には、
党とのあいだ、あるいはANC党内部に不和の兆候があったが、
ンデラの後継者として大統領になったターボ・
展した。ポピュリズムの波は、ANCの、
定する方向に向かっているようだが、
の野望が成功したのかどうかは、今日、とても疑わしい。
On the eve of South Africa's transition to democracy many commentators
noted that only if a full-scale transformation of the South African society
and polis were to occur, would racial bloodshed - widely anticipated as the
logical outcome to the end of the apartheid state - be averted. Nelson
Mandela, the first black State President of South Africa and then leader of
the African National Congress, made the realisation of the 'Rainbow Nation'
and the creation of a non-racial, unified society the focus of his reign.
Racial/national reconciliation came to be the mainstay of his presidency,
embodied in processes such as the Truth and Reconciliation Commission, and
the drafting of a compromise Constitution. The 'Mandela Syndrome,' focused
as it was on racial reconciliation, has mixed legacies in current-day South
Africa. Early post-apartheid signs of rifts within the African National
Congress (ANC) and its alliance partners, and within the party itself have
by 2008 culminated in the ousting of Thabo Mbeki, Mandela's successor as
State President, and the splintering of the governing party. While a wave of
populism seems set to determine the political futures of the ANC and of
South Africa at large, it is today highly questionable whether Mandela had
succeeded in his ambition of a racially unified society.
English Page>>
/en/article.php/20081212
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第150回アフリカ地域研究会のご案内 (This seminar will be held in English)
日 時:2008年12月1日(月)10:30 ~ 12:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
日 時:2008年11月28日(金) 16:30~
場 所:新第一講義室(AA470)
テキスト:『タイ国―ひとつの稲作社会―』(石井米雄編, 東南アジア研究叢書8, 創文社 , 1975年)
日 時:2008年11月28日(金) 16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32、守山駅から歩いて5分です)
プログラム
1.発表
発表者:矢嶋 吉司(生存基盤科学研究ユニット 研究員)
発表題目:行政と住民による日本の地域振興 ―バングラデシュ農村開発研修員
の研修に同行して―
内容:文化・伝統を再認識する地域振興、過疎・高齢化・限界集落と問題軽減の試み、
など行政と住民による地域振興事例の紹介
2.これまでの活動報告と今後の計画
3.その他
要旨:
1980年代以降、マレーシアでは「イスラーム化」と名付けることができるようなイスラームへの指向性が高まっている。本報告では、イスラームをめぐる制度に着目することによってマレーシアの「イスラーム化」について考えてみたい。制度に着目するのは、次のような点で「イスラーム化」という文化的社会的変化のある局面をとらえることができると思われるからである。
ひとつは「イスラーム化」の強制力をともなった拡大という点である。文化それ自体に人々の行動を拘束する力が内在されていることは言うまでもないが、ひとたびそれが制度化されると、その力は社会的強制力として具体化される。それがさらに文化的実践に影響することで、文化がそれ以前のものからは微妙にずれた形へと変化する。「イスラーム化」とは、文化とその制度化との連続的な累積的変化としてとらえることができるのではないだろうか。
ふたつ目は、イスラームが制度化されるさいに現れる相対化という点である。制度化とは個別、具体的な場において形をなすものであることから、制度化の過程においてイスラームはイスラーム以外の何ものかと対峙せざるをえない。それゆえに「イスラーム化」が制度を通して実現されるものであるかぎりにおいて、それは常に相対化されながら展開されていくはずである。
本報告は、できるかぎり具体的な事例のなかに「イスラーム化」のこのような局面を読み取ろうとする試みである。
日 時:2008年11月13日(木) 18:30~21:00 (逐次通訳有)
場 所:京都YWCA(TEL:075-431-0351地下鉄烏丸駅下車2番出口より徒歩7分)
発表者:Miriam Licera Suacito(デデット氏) 「ミンダナオ平和構築協会」事務局長
タイトル:「自由と平等に生まれて:内戦の続くミンダナオ島の平和構築について」
参加費:500円
日 時:2008年11月7日(金) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学 総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階会議室(AA447)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja
日 時:2008年10月24日(金)
場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32、守山駅から歩いて5分です)
プログラム
1.発表
発表者:河原林 洋(亀岡FS研究員)
発表題目:「筏」をシンボルとした保津川流域のつながりの再構築
内容:「保津川筏復活プロジェクト連絡協議会」の組織作りの経緯と意義。
今年9月10日に行われた「保津川筏復活プロジェクト2008」の報告と展望。
「筏」をシンボルとした保津川流域のつながりの再構築
2.これまでの活動報告と今後の計画
3.その他
日 時:2008年10月17日(金) 18:00開場 (18:30 開始)
場 所:京都大学 総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階会議室(AA447)
会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
アクセスマップ:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja
【演題】
見えないもののリアリティ:タイのピー信仰へのアプローチ
【発表者】
津村文彦氏(福井県立大学学術教養センター講師)
【コメンテーター】
山田孝子氏(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
【要旨】
東北タイ村落の呪術師のもとに、「悪霊(ピーポープ)に取り憑かれた」とされる若い女性が連れてこられた。呪術師によると、その悪霊は隣の村に住む老婆から発生したものだという。それを聞いた村人は「女性の夫が老婆の村に博打によく出かけていた」、「老婆は国道脇の土地を売って最近大金を手に入れたらしい」などと語り合う。
この状況を目の前にした文化人類学者は、しばしば機能主義的に、あるいは象徴論的に、悪霊をめぐる〈社会的現象〉を分析する。「伝統的慣習」の維持に機能するものとして、あるいは外部から侵入する「近代」・「貨幣」を表象するものとして、悪霊をめぐる信仰を解釈する。しかし、「モラルの維持」や「社会的紐帯の強化」をキーワードにした機能主義的/象徴論的な視角は、ある程度の切れ味を見せながらも、悪霊の本質には決して届かないのではないだろうか。本発表で、古典的な文化人類学的手法への懐疑を出発点としながら、悪霊という超自然的存在を理解する際のもう一つのアプローチを探る試みを示したい。
対象とするのは、タイ東北部におけるピー phii と呼ばれる精霊であり、そのピーについての様々な語りである。タイ王国の宗教複合のひとつとして数え上げられることの多いピー信仰は、守護霊祭祀を通じた社会構造との関連性や、上座部仏教との関係に注目されて、これまでの研究が蓄積されてきた。だがこうしたアプローチではピーをめぐる現実の重要な部分が充分に掬いきれない。「ピーが社会的含意として別の何かを表している」という説明の位相とは異なったところにある、「目に見えない何かについて恐怖する」というそこに生きる人々の社会的現実が抜け落ちるのである。ピーをめぐる社会的現実を支えるものは何かを問うことで、ピーという超自然的存在がもつ本質に迫ることが本発表の目指すところである。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
要旨:
アフリカ大陸に程近い、インド洋西端に浮かぶマダガスカルでは、古くからアジアイネが栽培されている。近年、このアジア稲作圏の西端において、System of Rice Intensification (SRI) と呼ばれる水稲多収農法が見出された。この農法を適用することで、大幅な増収のほか、化学肥料や灌漑水の節約が可能であるとされる。
そのため、資源投入力に乏しい地域での生産性改善策として非常に期待が高まっている。一方で、報告されている15t/haを超えるような多収記録やその増収効果について疑問を投げかける声も大きく、現在まで国内外で議論が続いてきた。
このSRI稲作技術はかつての「米作日本一」の農家など、日本の篤農稲作技術と多くの点で類似性が認められる。このような精緻な稲作を行うマダガスカルの農民はどのような人たちであろうか。
この技術の中に、現在停滞しているアジア・アフリカ途上国の稲作改善の糸口が見つかるのではないか。本発表では、マダガスカルの在来稲作を簡単に紹介しながら、21世紀の食糧生産においてSRIが果たしうる役割について考えてみたい。
(*会終了後には懇親会を行います。こちらも奮ってご参加ください。)
日 時:2008年10月15日(水) 17:30~
場 所:第二演習室(AA427)
テキスト:『栽培植物と農耕の起源』(中尾佐助著、岩波書店、1966年)pp.59-75(Ⅲ照葉樹林文化)
参考文献:『照葉樹林文化とは何か』(佐々木高明著、中央公論新社、2007年)pp.100-143(第4章・5章)
【内 容】高山植物に対する温暖化の影響
【案内者】浜田崇(長野県環境保全研究所)・尾関雅章(長野県環境保全研究所)・水野一晴(京都大学AA研)
【日 程】10月4日(土)~5日(日) 〈1泊2日〉
9月29日(月)・10月3日(金) 座学・ミーティング・買い出し
【趣旨】10/4(土)~5(日)の日程で、高山植物に対する温暖化の影響を調べている調査地を見学します。この調査は水野一晴先生も立ち上げに加わったGENET(Geoecological Network)という研究グループが、中央アルプスの木曽駒ヶ岳(長野県)で行っているもので、温室状態をつくって気温上昇が植物の生活史や形態にどんな影響を与えるかを調べています。調査は1995年に始まり、現在は気象観測のみを継続していますが、最近になって植物の調査も再開しようという気運が高まっているところです。また、10月初旬は紅葉の時期でもあり、当日は天気さえ許せば、木々の彩り豊かな姿が眺められることと思います。
参加を希望される方は、9月25日(木)18時までに藤田までご連絡ください。今回はロープウェイを使用するため長時間は歩きませんが、10月初旬の高山は秋から冬へと季節が移り変わる時期であり、相応の防寒装備が必要となります。基本的には登山経験者を対象としますが、登山未経験者でも希望があれば善処いたしますのでご相談ください。
世話人:手代木功基(AA研)・山科千里(AA研)・田村茂樹(理)・藤田知弘(AA研)・中村真介(農)
主宰者:水野一晴(AA研)
【予定詳細】 ※荒天中止※
<座学・ミーティング>
日時:9月29日(月) 16:30~
場所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田本町)
総合研究2号館(旧工学部4号館)4階南東角のゼミ室(452号室)
※場所はこちら http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
内容:調査の紹介・背景説明(解説:水野)、当日に向けてのミーティング
<最終確認・買出し>
日時:10月3日(金) 16:30~
場所:総合研究2号館(旧工学部4号館)4階南東角のゼミ室(452号室)
内容:最終確認、食料の買出し・下準備
<当日>
10/4(土)
05:30 大学集合(住所によっては集合場所の調整可) <タクシー分乗>
06:14 京都駅発 <JR東海道新幹線「のぞみ100号」>
06:49~07:00 名古屋駅(乗換) <JR中央本線・特急「ワイドビューしなの1号」>
08:55~09:09 塩尻駅(乗換) <JR中央本線・普通甲府行き>
09:21~09:35 岡谷駅(乗換) <JR飯田線・豊橋行き>
10:47~11:00 駒ヶ根駅(乗換) <伊那バス駒ヶ岳ロープウェイ線>
11:51 しらび平着
駒ヶ岳ロープウェイにて千畳敷へ
徒歩1時間35分(コースタイム)にて駒ヶ岳キャンプ場(標高2860m)へ
調査地見学・周辺散策
テント泊
10/5(日)
調査地見学・周辺散策
11:00頃までに千畳敷到着
駒ヶ岳ロープウェイ・伊那バスにて駒ヶ根へ
途中、こまくさの湯にて温泉入浴
14:00頃(予定)、駒ヶ根駅にて解散
【持ち物】
<必要なもの> ※防寒にはくれぐれもご留意ください※
ザック、登山靴、Tシャツ、長袖シャツ、フリース(セーター可。防寒考慮)、靴下(厚手)、ズボン(動きやすく乾きやすい物,ジーパン不適)、手袋・軍手、カッパ(上下別の物,千円程の簡易カッパは不可)、シュラフ(3~4シーズン対応)、非常食(カロリーメイト,チョコレートなど)、水筒(2L分,ペットボトル可)、ライター、ヘッドライト+替え電池、時計、コンパス(方位磁石)、地図(25,000分の1地形図「木曽駒ヶ岳」)、ナイフ、トイレットペーパー(1巻)、食器、スプーン・フォーク、ビニール袋、古新聞(夕刊1日分程)、タオル、着替え(温泉も考慮)、野帳または小ノート、筆記具、資料(9/29配布)、身分証、保険証(コピー可)、お金
<あるとよいもの>
ザックカバー、シュラフカバー、カメラ、ロールマット、サンダル
【お金】
<共通費用> 17,000円(解散までの交通費・食費・テント場代・旅行保険料・温泉入浴料)
※9/29に集めますので、お釣りのないようお持ちください。
※荒天時は研究会自体を中止し、きっぷの取消料等を差し引いて返金いたします。
<各自負担> 駒ヶ根駅からの復路交通費(3,000~8,500円程度)・おみやげ代など
【申込み】
参加を希望される方は、登山経験の有無をお書き添えの上、9月25日(木)18時までに藤田までご連絡ください。今回は登山を伴う都合上、座学はミーティングと最終確認を兼ねますので、座学には両日ともご出席ください。またテント等の都合上、定員は10名程度(先着順)とさせていただきます。ご了承ください。
【次回予告】
次回は11月後半(NF中?)に、泊まりがけで四国を巡検する予定です。
その他、ご不明な点がございましたら、藤田までお気軽にご連絡ください。
日 時:9月27日(土)13:00~18:00 28日(日)10:00~16:10
場 所:総合地球環境学研究所講演室
主 催:日本マレーシア研究会(JAMS)関西例会 NPO法人平和環境もやいネット
【趣旨】
京都大学東南アジア研究センター(現在東南アジア研究所)が最初に推進したプロジェクトの一つであるマレーシア・インドネシア計画の成果である、『マレー農村の研究』が1976(昭和51)年東南アジア研究叢書の第12巻として創文社より刊行されました。1979年には、Three Malay Villages: A Sociology of Paddy Growers in West Malaysiaと題されて、ハワイ大学出版局からも上梓されています。
編者の口羽益生、坪内良博、前田成文のほかに、土壌学の古川久雄、かんがい・排水学の海田能宏、作物学の西尾俊彦、医学の滝沢英夫が執筆しています。
長期的な海外フィールドワークの嚆矢として、社会学者をコアーとして自然科学者の参加した共同研究として、記念すべき仕事でしょう。いわゆる民族誌とは違い、社会学的な手法を民族誌学に持ち込んだ点が注目に値します。
その当時のマジョリティはまだ農村研究のようでしたが、その後は、都市、エスニシティ、政治、経済へと専門分化していっています。
戦後の本格的なフィールドワークに基づく農村調査を思い出しながら、マレーシア研究の回顧と展望をするのが今回のゼミナールの趣旨です。
【プログラム】
2008年9月27日(土)
開会挨拶と趣旨説明・・・立本成文 13:00-13:20
第1部 『マレー農村の研究』の思い出とその後13:20-16:20
1.マレーシア農村の長期観察と小人口世界・・・坪内良博14:20-15:00
2.マレー農民のエートス:東北タイと比較して・・・口羽益生15:00-15:40
3.低湿地と植民地政策・・・古川久雄15:40-16:20
第2部 談論 16:20-18:00
1.『マレー農村の研究』をめぐって
問題提起:永田淳嗣・多和田祐司・鳥居高・西尾寛治・市川昌弘・加藤剛・阿部健一
提起に答えて:坪内良博・口羽益生・古川久雄・立本成文
2.自由談論
司会 山本博之
2008年9月28日(日)
第3部 マレーシア研究の展開と将来 10:00-15:10
1. 農業・農村の変容・・・永田淳嗣
2. 「マレー」および「マレー研究」におけるイスラーム・・・多和田祐司
3. 開発と政治・・・鳥居高
4. 混血者とマレー社会・・・西尾寛治
5. 山に暮らす人々と熱帯林問題・・・市川昌弘
第4部マレーシア研究の最前線 15:10-16:10
1.世紀転換期ペラにおける鈴工業の展開と採掘用地:鉱業台帳分析を中心に・・・東條哲郎
2.総合討論
日 時:2008年9月22日(月)、24日(水)
■ 9月22日 :守山古文書読解講座 (18:30~21:00)
場 所:守山フィールドステーション
■ 9月24日 :「川と街道と湖のまち 守山」 まちづくり勉強会
(1)(19:30~)
場 所:中山道街道文化交流館にて
内 容:月に1度のペースで、守山市中心市街地の歴史・生活・未来について勉強し、まちづくりについて考えます。
講師はオムニバスで、市役所の方、住民の方などが、それぞれの立場と視点、活動についてお話くださいます。
◆ 参加の場合の連絡先:
嶋田奈穂子(守山フィールドステーション、滋賀県立大学大学院生)
要旨:
中国における少数民族としてのタイ族は、代表的な「民族伝統文化」とされる水かけ祭りによって広く知られている。しかし、雲南省西部に位置する徳宏タイ族ジンポー族自治州のタイ族にとって、そのライフサイクルの中でより重要な意味を持っているのはポイ・パラをはじめとする上座仏教的な積徳行であり、その上座仏教のあり方も、タイ・ビルマ・西双版納などのそれとは異なる特徴を持っている。また、いわゆる精霊信仰もさかんであり、道教や儒教文化の影響も広く見られる。
「民族伝統文化」「宗教」「風俗習慣」「迷信」といった「文化」に関する中国公定の言説は、徳宏タイ族のそうした多様な文化的実態を単純化し、国家にとって望ましい少数民族とその文化のイメージを作り出そうとする傾向がある。しかし現実には、人びとの日常的実践や、グローバリゼーションによる様々な影響によって、そうした文化の語り方は絶えず揺さぶられ、意味を掘りくずされたり、端的に変更させられたりしながら日々変容している。同時にその言説の影響を受けながら、徳宏タイ族の文化的実態そのものも変容を遂げている。
本発表では現代中国の国民化の過程において、「文化」に関わる公的な言説と、徳宏タイ族の人々の文化的実態とが、相互にどのように影響しあいながら彼らの生活をどう再編しつつあるかという課題について考察する。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第149回アフリカ地域研究会
日 時:2008年9月16日(火)15:00 ~ 17:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田本町)
総合研究2号館(旧工学部4号館)4階会議室(447号室)
演 題:アフリカン・ビューティ(African Beauty)
講 師:板垣真理子(フリーランス写真家、エッセイスト)
要 旨:
アフリカン・ビューティのシリーズを撮り始めてから24年。あっという間の ことである。そもそもアフリカへの旅を始めたのは、ナイジェリアのポップ・ミュー ジックに惹かれてのことだった。ミュージシャンに会い、現場のライブを見るのも大 きな楽しみだったが、さらにはその音のベースになっているもの、それほど魅力的な 音楽が生まれる背景が知りたく、ナイジェリアを一周した。そのとき出あった人々の、 解放感溢れる明るさと力強さ、なにより女性のカラフルなおしゃれが、もっとも強烈 な印象となり、西アフリカ各地で撮影旅行を重ねた。
アフリカン・ビューティの第一弾は、90年代の初頭にまとめたもの。その後、太平 洋を渡った先に根付いているヨルバの宗教や音楽や祭りなどをもとめて、ブラジル、 キューバなども訪ねつつ、再度アフリカン・ビューティの第二弾を撮り始めたのが約 10年前。当初の撮り方とは変えて、衣装決めやロケハンなど、さらにファッショナブ ルなものを目指した。
そして昨年。今年、横浜で開かれたTICADキャンペーンを依頼されたことが発端にな って、日本に住むアフリカ女性も撮ることにした。日本の風景や風物とアフリカ女性 とのミス・マッチ、衝突、違和感の中の面白さ。撮り続けるうちに発見した日本とア フリカの深いところにある共通点など。写真を撮ることであらためて見つけた差異と 共感がなにより私をわくわくさせたのだった。
それにしても何故、アフリカの人たちはこうもお洒落への関心が強いのか。 過去のスライドと、今年、「アフリカン・ビューティ」として写真展と写真集で発 表したデジタル・データの双方を観ていただきながらのお話をさせていただきます。