京都大学アフリカ地域研究資料センター
第160回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年10月27日(火)15:00 ~ 17:30
場 所:稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演題1:「シエラレオネにおける紛争後の避難民(帰還民・リベリア難民)支援とジェンダーに基づく暴力とその対策」
講師1:福井 美穂(特定非営利活動法人 難民を助ける会)
【要旨1】
人道支援の現場における国際社会のメンバーによる受益者に対するジェンダーに基づく暴力は、2000年前半にセーブ・ザ・チルドレンUKが発表したマノ川同盟と呼ばれる3カ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)におけるジェンダーに基づく暴力の報告書として発表され、メディアを通じ全世界に衝撃を与えた。シエラレオネの10年以上続いた内戦は2001年に終了したが、紛争後、そして平和構築期における活動の本格化はその直後からである。平和になったシエラレオネにはギニアに避難していた難民が帰還し、隣国リベリアからは同時期に起こった紛争を避けて難民がシエラレオネにも流入した。本報告は、当時国全体で8つの避難民受け入れキャンプが存在したが、そのうちの2つのキャンプで帰還民と難民を同時期に受け入れ、キャンプの設営を3年半行った経験から、避難民キャンプ設営における事業内容、国際社会のアクターの多様性、調整内容と、キャンプおける最弱者層のおかれた状況を紹介する。と同時に、上記の報告書がキャンプ運営に与えた衝撃、事例の紹介と共に国際社会が直面した課題をその後の変遷と共に掲げ、国際社会の介入による紛争後の社会におけるジェンダーに基づく暴力対策について、紛争後の社会の復興に絡めて検討し、国際社会の介入による紛争後の社会によるジェンダー視点からの影響を検証する。そして、アフリカの、そして世界の人道支援の現場におけるジェンダーに基づく暴力対策視点の導入の重要性を訴える。
演題2:「ルワンダにおける難民帰還、再定住、再建及び和解」
講師2:岩崎 直子
【要旨2】
1994年に起きた大虐殺後の難民帰還・復興支援、及びブルンジからの難民保護・救援にあたるため、1998年2月から2年間に亘りルワンダ国内の3箇所のUNHCR現地事務所で勤務した経験を基に、講演を行う。その中で、国外へ逃れたルワンダ人と国内に留まったルワンダ人のそれぞれの苦労、そして、国連職員が日々の支援活動の中で直面した課題等を紹介する。特に、当時、国際社会が大規模な資金を投じた住居再建プログラムの実施に伴う困難や、治安状況による制約、緊急人道支援から中長期的開発援助への移行における課題等についても、議論を提起する。また、NGO、JICA、内閣府等、様々な立場から国際協力に携わった経験に基づき、アフリカにおける紛争や難民の問題を考える上で、一般的に役立つと思われる視点についても、自分なりの意見を述べたい。(今回の講演は、自身が休職中の職員として籍を置くUNHCR、及び現勤務先である外務省のいずれからも独立した立場で行うものであり、述べられる意見は組織見解ではない。)
この研究会は「紛争・難民・平和研究会」「牧畜研究会」
「アフリカ在来知研究会」との共催です。
アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。
連絡先:京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL:075-753-7821 FAX:075-753-7810
E-mail:kanako[at]jambo.africa.kyoto-u.ac.jp
国境をはさんで、民族、文化、国境や国家について考える若手によるタイ・ビルマのカレン特集を行います。
日 時:2009年10月24日(土)13:30~18:15
会 場:京都大学稲盛記念会館(川端通り荒神口角)3階中会議室
13:30~14:45 (質疑応答も含む)
報告1 須永和博(獨協大学外国語学部)
「「学習」という実践、あるいは「アイデンティティ化」の民族誌─
タイ北部山地カレン社会におけるコミュニティ・ベース・ツーリズム─」
15:00~16:15 (質疑応答も含む)
報告2 久保忠行(神戸大学大学院総合人間科学研究科)
「「文化」の不在:ビルマ難民(カレンニー難民)キャンプにみるNGO支援のインパクト」
16:30~17:45 (質疑応答も含む)
報告3 池田一人(東京外国語大学 非常勤講師)
「ビルマ植民地期末期における仏教徒カレンの歴史叙述―『カイン王統史』と
『クゥイン御年代記』の主張と論理』―」
総合討論
【発表要旨】
1 須永和博
国家や資本による大規模な観光開発が、自然環境やホスト社会の生活文化に大
きなインパクトを与えてきたことの反省の上にたって、地域コミュニティが主体
的に観光開発に関与していくことで、自然環境の保全とコミュニティ開発を両立
させようという、コミュニティ・ベース・エコツーリズム(CBET)やコミュニ
ティ・ベース・ツーリズム(CBT)と呼ばれる観光実践が、多くの地域で広まっ
てきている。しかし、従来的な観光研究においては、観光の受け皿としてのコ
ミュニティという概念については、なかば自明のものとして扱われ、コミュニ
ティの状況依存性や歴史性、あるいはより大きな外部システムとの節合という問
題は、等閑視されてきた。
本発表は、以上のような反省の上にたって、タイ北部山地カレン社会を事例
に、CBTに参加する「コミュニティ」の動態に接近することを目的としている。
そのなかでは、コミュニティの成員がエコツーリズム開発に参加する過程で、外
部の行為者や言説、知識との折衝を通じて新たな社会的アイデンティティを形成
し、コミュニティ内部で新たな社会性が再構成されていく過程について明らかに
したい。
2 久保忠行
本報告では、タイ・ビルマ国境の難民キャンプでの国際NGO支援のインパクト
を、支援の受け手の立場から考察する。最長で20年間にわたる難民生活をとおし
て、人々が口々に語るのは、人間関係の変化である。この変化は、「キャンプに
は文化」がないからと説明される。これを問題視する人々は、「文化」が不在だ
から、自己本位に振る舞う社会問題を生じさせているともいう。この問題は、
「標準化」「規格化」されたNGO支援と無関係ではない。
人間関係の変化は、特にキャンプ生まれの若い世代と、それ以外の者とのフリ
クションとしてあらわれている。それらは、親子関係、教師と生徒や夫婦の関
係、態度や振る舞いの違い、老人の社会的位置づけや近所づきあいのなどにみら
れる。このような社会問題を指摘するにあたって、人々は、それを「グローバル
な文化(あるいはNGO文化)があり、私たちの文化がない」とも表現する。この
事態を受けて人々は「自助組織(CBO:CommunityBased Organization)」を結成
し、NGO主体ではなく難民主体での社会問題の解決を図ろうとしている。しかし
この営みは、基本的には問題を解決させてはいない。
国際NGOによる「標準化」、「規格化」された支援枠組みは、却って難民の
「層」をつくる。この結果、人々に不均等な給料への不満、否定的な自己認識、
二重基準による行動といった「不平等」「不均等」な現実を突きつける。これら
は、現実的な不満だけではなく、人々にとってはないものとしての「権利」の啓
蒙を通して確認される。この意味で、脆弱性という意味での難民性は所与のもの
でもあり、かつ、つくられ内面化されるものでもある。
CBO活動には、個々人レベルでの助け合いもみられるが、組織の活動として見
た場合、それはNGOの「模倣」である。CBO活動は、何らかの形でNGOのやり方を
土着化し、「NGO文化」でありながらもCBOの独自性を発揮するようなものとは限
らない。CBO活動は、理念としては「NGO文化」によってもたらされた「不平等」
や、個人主義化に対処するための活動と位置づけられるが、現実には、「NGO文
化」に抗するようなものとはなっていない。つまり、難民主体のCBOの存在は、
長期化した難民キャンプが自律的な社会であることの指標とは限らない。報告者
は、これを自律的な社会がないことに対する難民側の主体的な応答と捉えたい。
それは、内面化された脆弱性(難民性)への応答であり、文化の「不在」に対処
するための(唯一の?)苦肉の策なのかもしれない。
3 池田一人
ビルマ植民地末期に相次いで出版された初めてのカレン史テキスト3種のうち、
仏教徒著者の2書を素材とする。
キリスト教徒によるカレン「民族」の主張は植民地期にさかのぼって多数見出せ
るのに対して、同時期における仏教徒側の「民族」としての名乗りの記録はごく
僅少である。したがって両書は、後世の歴史展開の中に位置づければ、ビルマ独
立(1948年)以後急速に拡大した、ビルマ民族/国民/国家主義に対抗するエス
ノナショナルなカレン意識のうち、仏教徒の民族意識形成過程の最初期を証言す
るテキストという意義をもつ。
この点をかんがみつつも、本報告では、両書にあらわれるビルマ仏教世界におけ
る正統な民族という主張と、その主張を支える宗教や王権観念の論理の特質を明
らかにすることに力点を置く。これはやがて、1930年代にいたる19世紀からのビ
ルマ世界において、伝統的な価値や概念に近代的な「民族」がいかに接ぎ木され
たか、ビルマ語の意味世界が総体としていかに変容したかを論ずることにもつな
がろう。同時に、政治的なビルマ民族主義運動の開始(ふつう1906年のYMBA設立
に起点が置かれる)を含めた、ビルマ世界における民族事象の発生を可能にさせ
た歴史的条件の検討という意義も射程に入ってくる。
従来、おもに外来・他律的なものとして論じられてきた植民地化における「民
族」の成立過程を、現地世界の歴史的連続の上で、主体的受容過程として論じう
る可能性について指摘したい。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第159回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年10月22日(木)14:00 ~ 17:00
場 所:稲盛財団記念館3階318号室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演題1:「エチオピアにおけるジェンダーと女性器切除(FGM):アルシ・オロモの事例」
講師1:ヒルート T. ゲメダ(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、客員教授)
【要旨1】
エチオピアの研究者や国家、開発機関は、文化的伝統の名の下に実施されるFGMが、女性の健康に及ぼす様々な害について明確な理解を欠いていたようだ。FGMは研究者にとって社会的な問題として問題化されてこなかった。ゆえに本研究は、なぜFGMがエチオピアの多くの社会で継続して実施されてきたのかを明らかにすることを目的に行ってきた。
本発表では、サハラ以南のアフリカにおいて、とりわけエチオピアに注目して何がおこっているのかを明らかにする観点からFGMをとりあげる。FGMの習慣をやめるという点については、エチオピアの社会一般、特にここではアルシ社会についてその考え方や態度の変化は非常にゆっくりとしている。しかし、FGMが広く行われているところでは、公衆衛生や「性と生殖に関する健康」に重大な問題となっており、この国の既に欠陥のある保健サービスにとって大きな負担となっている。
最後に、本発表では、アルシ・オロモの人びとにとってのジェンダー関係とFGM、そして女性自身のFGM認識について議論する。女性のアイデンティティーが社会的文化的に構成・統合・修正されており、現実の生活における女性性の経験にも生来的な曖昧さがあり、特定の社会的関係に埋め込まれた矛盾がある、というような多岐にわたる経路に基づいていることをふまえて分析する。
男性による女性支配がすべての局面で社会的に受容されているので、エチオピアの女性が彼女らのセクシャリティーや、FGMによって直面する問題について語ることは期待されていない。性関係にはしばしば年齢やジェンダーによる権力の不均衡が組み込まれており、物質や資源へのアクセスにも不均衡がある。このような権力の不均衡のために、少女や成人女性は、自分たちの身にふりかかる性的な出来事に対して、あるいは彼女ら自身のセクシャリティーに対して、ほとんど制御することができないのである。
演題2:「民族科学および在来の知識システムを展開するための可能性-アフリカ牧畜社会における在来の技術的知識と実践(ITKP)を事例として-」
講師2:ゼレマリアム・フレ(ロンドン大学(UCL)上級研究員 ・アフリカの角 牧畜・環境ネットワーク(PENHA)理事)
【要旨2】
この30年ほどのあいだに、社会人類学者、人文地理学者、生態学者、社会学者、そして革新的な自然科学者たちは、世界各地の伝統的な知識体系がもつ科学的な価値、そしてその体系を活用する可能性についての理論的な把握を進展させるために、多大な努力を傾注してきた。
しかしながら、開発政策が立案される現場や、そうした知識をもっている人びとが属するコミュニティのレベルでは、あまり進展がみられなかった。このことはアフリカにもあてはまる。社会の発展につながるような良質のITKPを取り出して記録し、実際に応用してみたり、複製したり、あるいはより良いものに高めるために、コミュニティ・レベル(草の根レベル)で実際におこなわれた研究のレベルはあまり高くはなかったし、そのために投入された資金もまたわずかなものであった。ITKPを日常的に実践している人びとは、ITKPに多様な興味をもつ研究者たちに彼らの知識を気前よく提供してきたにもかかわらず、その研究成果は、かれらの生活を改善するためには、ほとんど役立っていない。
ITKPは、政策立案にもコミュニティ・レベルでも、開発のためにうまく活用されていないが、それをさまたげているのは以下の要因である。
第一には、研究は「北側」の諸国(とくに西欧と北アメリカ)によって支配されており、そのパートナーであるはずの「南側」の国々は従属的な役割しか果たしていないことがある。研究の卓越した中心地は「北側」にあり「南側」の人びとはそうした中心に対してオーナーシップをもたない。
第二には、長期的な視野や方針に基づいてITKPに関する研究に投資することが必要だが、それが欠如している。残念なことに多くのアフリカ諸国の政府は、おおむね「緑の革命のドグマ」を信奉し、それが経済的発展にとってもっともよい方策であると考えており、そして同時に、ITKPは時代遅れであって、投資するには値しないものと見なしている。わたしは、おそらくこの点がもっとも困難な障碍であると思う。わたしたちがITKPは有益であるという主張をひろめようと考えるならば、アフリカ諸国において政策を立案している政府機関を説得しなくてはならないが、それはかなりむずかしい。
最後に、多くのアフリカ諸国は政治的に不安定であり、グッドガバナンスが達成されていないし、紛争もおこっているため、人口の大移動がおきている。その結果、ITKPを保持・発展させるために必要な教育をうけた人びとが不在になっていることが多い。多くの国々は、国家の安全保障を最優先の課題としており、それに多大な投資をしているため、ITKPに対してはほとんど投資できない。
こうした多くの困難が存在するにもかかわらず、わたしは以下のように信じている。
すなわち、地域社会は多くの良質のITKPを保持しており、それを活用しながら人びとの生活の質を高めていくことが可能である。そして、またそうしたITKPを抽出して記録し、明確にして複製することには多くの可能性がある。また、わたしは以下のようにも主張したい。アフリカ諸国の発展のためにITKPが活用できるという主張をひろめるためには、「近代科学の研究ツール」は有用な手段となる。そのためにわたしたちは、想像力をきちんとはたらかせ、また、「北側」と「南側」の双方から適切な量の資源を得る必要がある。
アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。
連絡先:京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL:075-753-7821 FAX:075-753-7810
E-mail:kanako[at]jambo.africa.kyoto-u.ac.jp
日 時:2009年10月17日(土)14:00~17:00
会 場:大阪大学世界言語研究センターB棟6階南アジア専攻共同研究室
(下記URLで会場の場所やアクセスをご確認ください)
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/minoh.html
【司会】
横田貴之(国際問題研究所)
【発表1】
三代川寛子(上智大学上智大学グローバル・スタディーズ研究科)
「現代エジプトにおけるコプトとイスラーム主義」
【発表2】
辻明日香(東京大学東洋文化研究所)
「宗教対立か、政権批判か――1321年カイロにおける教会破壊とモスク放火――」
日 時:2009年10月17日 15:00~17:00
場 所:京都大学稲盛財団記念館中会議室
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/access.html
第1回「食べる」:アフリカの人びとは何を食べてきたのか
スピーカー:山本雄大、孫暁剛、丸山淳子、重田眞義
・受講料:4000円(5講座) ※1回ずつの受講も可(1講座1000円)
・公開講座のホームページ(登録フォームがあります)
http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/~front-a/index.html
受講を希望される方は事前登録をお願いします(先着順)
日 時:2009年10月12日(月、祝日)14:00~16:00
会 場:京都大学薬学部構内(アジア・アフリカ地域研究研究科川端キャンパ ス)稲盛記念館3階 小会議室Ⅰ
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kias/image/inamori_map.pdf
【演題】
今日におけるイジュティハード――理論と実践
【講演者】
ワハバ・ズハイリー(Prof. Wahba Mustafa al-Zuhayli, Chairman
of Islamic jurisprudence in the College of Shari`a at Damascus University)
【使用言語】
アラビア語(通訳なし)
参加をご希望の方は下記アドレスまで御一報ください。
inq-kias[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第157回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年10月6日(火)14:30 ~ 17:00
場 所:稲盛財団記念館3階大会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演題1:「スーダン共和国ハルツームにおける国内避難民と教会との関わりか
講師1:飛内悠子(上智大学大学院グローバル・
【要旨1】
エスニック・宗教紛争と見られがちなスーダンの内戦(
演題2:「武装解除計画は銃の需要を開発する―北東ウガンダ・
「銃の除去」をめぐる国家主体と非国家主体の相克」
講師2:波佐間逸博(長崎大学国際健康開発研究科 助教)
【要旨2】
東アフリカ牧畜諸社会における家畜略奪を焦点とする武力紛争がプ
この研究会は「紛争・難民・平和研究会」「牧畜研究会」
「アフリカ在来知研究会」との共催です。
アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。
連絡先:京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL:075-753-7821 FAX:075-753-7810
E-mail:kanako[at]jambo.africa.kyoto-u.ac.jp
日 時:2009年10月4日(日) 10:30~12:00
場 所:京都大学総合博物館2F
『筏がつなぐ「ひと」、「もの」、「ちいき」』
出演:
出演:黒川孝宏(亀岡文化資料館館長)
上田潔(元筏士)
酒井昭男(元筏士)
片井操(片井鉄工所・鍛冶)
河原林洋(東南アジア研究所・特任研究員)
日 時:10月4日(日)14:00~15:30
場 所:博物館1階 ミューズラボ (事前申し込み不要)
内容:
地球上のさまざまな場所に、人々の暮らしがあります。土地の自然に合わせて人
が生き、人もまた自然を変えていく中で、
人々のきずなが育ち、
本企画は、
クト、
同時に撮影者の思いも伝えようという試みです。
しの姿を見て、聞いて、話すうちに、
議な発見があるかもしれません。
企画担当:
京都大学生存基盤科学研究ユニット/東南アジア研究所
京都大学地球環境学堂アジア・プラットフォーム
地蔵プロジェクト
日 時:2009年10月3日(土) 15:00~16:30
場 所:京都大学総合博物館2F
「琵琶湖に生きる」
出演:戸田直弘(琵琶湖漁師)
日 時:2009年9月30日(水)~10月4日(日)
場 所:京都大学総合博物館2階
特集「自然と暮らし」として、各FSの活動を紹介する以下の映像作品を、博物館2Fで上映する予定です。
日 時:2009年9月30(水) 10:20~15:00
場 所:東南アジア研究所内稲盛記念館3階多目的ルーム
第1セッション: 10時20分~11時50分
ランチ兼懇談会:12時~13時20分
第2セッション: 13時30分~15時
9. China reconstructs: Cosmetic surgery and nationalism in the reform era
・学会パネル「グローバル時代の感染症とアジア」における報告者としてのプレゼンテーション予行練習(吉川)
・後期勉強会についての内容相談とスケジュール調整の打ち合わせ
日 時:2009年9月29(火) 10:20~15:00
場 所:東南アジア研究所内稲盛記念館3階多目的ルーム
第1セッション: 10時20分~11時50分
ランチ兼懇談会:12時~13時20分
第2セッション: 13時30分~15時
7. Mapping science and nation in China
8. Sanskrit Gynecologies in Postmodernity: The commoditization of Indian medicine in Alternative medical and new-age discourses on women's health
日 時:2009年9月28(月) 10:20~15:00
場 所:東南アジア研究所内稲盛記念館3階多目的ルーム
第1セッション: 10時20分~11時50分
ランチ兼懇談会:12時~13時20分
第2セッション: 13時30分~15時
5. Health and medicine in British India and the Dutch Indies: A comparative study
6. Nationalism, transnationalism, and the politics of"Traditional" Indian medicine for HIV/AIDS
日 時:2009年9月26(土) 13:30~16:30
場 所:東南アジア研究所 共同棟4階 セミナー室
話題提供者:舟橋和雄(龍谷大学社会学部、現コンケン大学)、渡辺一生(東南 アジア研究所)
コメンテータ:星川和俊(信州大学農学部)、宮川修一(岐阜大学応用生命科学 部)
【発表1】
題目:東北タイ農民における所得変動-パネル分析にみる-
発表者:舟橋和俊
要旨:本発表では,イサンにおける農民の貧しさの削減、裏返して言えば豊かさへの歩みを、時間の異なる2点間でどのように変化したのかを、パネル分析という手法を用いて観察・考察する。
対象地域はドンデーン村であり、1981年及び2002年の144世帯を対象とした悉皆調査結果から、分析を試みた。
【発表2】
題目:東北タイ・ドンデーン村におけるコメ生産/消費活動解明の試み
―20年間の定点調査情報の統合化と分析―
発表者:渡辺一生
要旨:東北タイ・ドンデーン村では、1981年から2005年まで集落定点調査を継続して行ってきた。発表者らは、この20年に渡る調査で得られた知見の内特に、農学及び社会学関連の情報についてデータベースによる統合化を進め、世帯レベルでのコメの生産と消費活動の変容実態の解明を試みている。本発表では、過去20年間に実施された調査内容の紹介と、異なる学問分野の情報の統合化方法ならびに統合化から得られた若干の知見について報告する。
この試みはまだ道半ばであり、不完全なものであるが、本研究会を通じて新たなアイディアや今後の展開方法等が見いだせれば幸いである。
日 時:2009年9月26日(土) 15:30~18:00
場 所:東京大学地震研究所1 号館3 階セミナー室
プログラム:
1.「インドネシアにおける地震火山の総合防災策―科学技術協力を通じた国際協力」
佐竹健治(東京大学地震研究所)
2.「2009 年ジャワ島南方沖の地震―地震の仕組みと特徴」
加藤照之(東京大学地震研究所)
3.「2009 年西ジャワ震災に見る災害対応と防災意識」
西芳実(東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム)
4.「経済の被災から被災の経済へ―西ジャワの文化・社会・経済」
水野広祐(京都大学東南アジア研究所)
5.討論
司会:山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
主催:京都大学東南アジア研究所公募共同研究「アジアにおける大規模自然災害の政治経
済的影響に関する基礎的研究」
共催:地域研究コンソーシアム地域研究方法論研究会
共催:JST-JICA 地球規模課題対応国際科学技術協力事業「インドネシアにおける地震火山
の総合防災策」
日 時:2009年9月26日(土)13:30~18:00
会 場:上智大学2号館630a会議室
http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/access_yotsuya
http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/campusmap_yotsuya
発表:
Michael Winter (Professor Emeritus, Tel Aviv University, Israel)
“Sufism in Ottoman Egypt: Religious and Social Aspects”
Valerie J. Hoffman (Associate Professor, University of Illinois, USA)
“What Role Can Sufism Play in Contemporary Egypt?”
*発表要旨についてはSIASのホームページ(http://www.info.sophia.ac.jp/SIAS/)
をご参照ください。
*発表は英語で行われます。
*会場準備の都合上、ご参加いただける方は、下記の事務局までご連絡ください。
*なおすでにIASやJAMESでも案内が配信されていますが、9/22-23のSayyid/Sharif国際会議も「スーフィー・聖者研究会」との共催となっております。こちらにもぜひご参加ください。
日 時:2009年9月25(金) 10:20~15:00
場 所:東南アジア研究所内稲盛記念館3階多目的ルーム
第1セッション: 10時20分~11時50分
ランチ兼懇談会:12時~13時20分
第2セッション: 13時30分~15時
3. Deviant airs in "Traditional" Chinese medicine
4. Reinventing traditional medicine: Method, institutional change, and the manufacture of drugs and medication in late colonial India
日 時:2009年9月25日(金)17:30~19:00
場 所:守山フィールドステーション
(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
発表者:増田和也(朽木FS研究員)
発表題目:火のエネルギーによる「くらしの森」づくり-進捗報告と今後の展望-
発表内容:朽木FSでは、火のエネルギーを活かした「くらしの森」づくりとして、
高島市椋川と余呉町菅並他において、カヤダイラ復元と焼畑に取り組んできまし
た。発表では、両サイトにおける進捗を報告するとともに、そのなかで浮かび上
がってきた課題をあげ、今後の展望について議論します。
Monthly "Get Together" will be resumed in September. Get Together is a
small party hosted by CSEAS director to introduce new foreign
researchers and farewell to who are leaving CSEAS soon.
All of you are welcome to have an opportunity to enjoy small talks with
refreshments.
The details are as follows.
Date and Time: September 25th (Fri.), 2009, 11:45-12:15
Place: Tonan-tei (Room No. 201 on the second floor of Inamori Foundation
Memorial Hall)
*****Our Guests in this month*****
Anthony REID from National University of Singapore
(August 1, 2009 ・January 31, 2010)
Viengrat NETHIPO from Chulalongkorn Univeristy
(September 1, 2009 ・February 28, 2010)
Hong LIU from Manchester University &
Sun Yat-sen University
(September 1, 2009 ・February 28, 2010)
Eric KUHONTA from McGill University
(September 1, 2009 ・December 31, 2009)
Please join us!
イスラーム地域研究上智大学拠点(SIAS)とグループ3と京都大学イスラーム地域研
究センター(KIAS)ユニット4で組織している「スーフィー・
科学研究費基盤研究(B)「オスマン朝期イスラーム思想研究」
Hacettepe大学のRuyaKilic氏を迎え研究会を下
氏はオスマン朝期の思想・スーフィズムの専門家で、
分野の貴重な発表をしていただけるものと思います。
日 時:2009年9月25日(金)15:00~17:00
会 場:京都大学吉田キャンパス本部構内総合研究2号館4階北側第一講義室(AA401号室)
*少々わかりづらいところにあります。
入りすぐ左手の建物が総合研究2号館(旧工学部4号館)です。
その建物の北側入り口付近のエレベーターに乗って四階に行き、
曲がってください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/
http://www.asafas.kyoto-u.ac.
などをご参照ください。
【発表】Ruya Kilic (Hacettepe University)
”The Transmitters of the Sufi Tradition from the Ottoman Empire to the Turkish Republic''
【言語】英語
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第156回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年9月24日(木)14:00 ~ 17:00
場 所:稲盛財団記念館3階大会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
テーマ:Accountability of World Bank Works: The Role of Inspection Panel
(世界銀行事業の説明責任:インスペクション・パネルの役割)
演題1:Accountability from the Bottom-up: The Role of Inspection Panel
(下からの説明責任:世界銀行インスペクション・パネルの役割)
講師1:Dr. Werner KIENE, Chairperson of World Bank Inspection Panel
ヴェルナー・キーネ 博士(世界銀行インスペクション・パネル、委員長)
演題2:DRC Forest Policy and the Indigenous People: From the Experience of
Inspection Panel’s Mission to DRC
(コンゴ民主共和国の森林政策と先住民:世界銀行インスペクション・パネルの業務に参加して)
講師2:Dr. Mitsuo ICHIKAWA, Professor at the Center for African Area Studies,
Kyoto University
市川光雄 博士(京都大学アフリカ地域研究資料センター、教授)
【要約】
世界の開発政策を主導してきた世界銀行は、その事業が現地の住民や環境に悪影響を及ぼす可能性を最小限にするために、さまざまなsafeguard(安全策)を講じてきた。それらは、「環境アセスメント」、「森林」、「自然保護」、「強制移住」、「文化遺産」「先住民」など、多岐の分野にわたる事業指針(Operational Policy)あるいは業務に関する指示(Operational Directive)として明文化されているが、実際の事業がそれらの指針や指示に合致しているかについて、現地住民側からの要求に基づいて査閲をおこなうのがインスペクション・パネルの業務である。1993年に世界銀
行によって、世銀本体とは独立した監視機関として設立されたインスペクション・パネルは、3名の委員と業務に精通した数名の事務局員から構成され、査閲対象ごとに委嘱された専門家(コンサルタント)の助力を得て、これまでに50以上の世銀援助事業に対して査閲活動を行ってきた。
今回の講演では、インスペクション・パネルの活動と、それが世銀活動のアカウンタビリティに果たしている役割、これまでの主な査閲活動の概要、そして近年、その後の世銀業務に大きな影響を与えたコンゴ民主共和国の森林制度改革に対する査閲活動について報告する。まず、インスペクション・パネルの委員長であるヴェルナー・キーネ博士が世銀のアカウンタビリティとインスペクション・パネルの役割について講演し、次にコンゴ民主共和国での援助事業の査閲活動に専門家として加わった市川光雄教授が同国の森林制度改革の先住民社会への影響について報告する。
この研究会は日本アフリカ学会関西支部との共催です。
アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。
ご希望の方は下記にお知らせ下さい。
連絡先:京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL:075-753-7821 FAX:075-753-7810
E-mail:kanako[at]jambo.africa.kyoto-u.ac.jp
日 時:2009年9月24(木) 10:20~15:00
場 所:東南アジア研究所内稲盛記念館2階多目的ルーム
第1セッション: 10時20分~11時50分
ランチ兼懇談会:12時~13時20分
第2セッション: 13時30分~15時
1. Introduction: The politics of culture and medicine
2. Ayurvedic Acupuncture- Transnational nationalism:Ambivalence about the origin and authenticity of medical knowledge
日 時:2009年9月24(木) 13:00~17:00
場 所:京都大学・総合研究2号館4階会議室(AA447号)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
【内容】
<南インドの灌漑農業について>
報告者および報告論題
日 時:2009年9月18日(金) 16:00~18:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
総合研究2号館(旧・工学部 4号館)4階 会議室(AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
話題提供者:村上忠良(大阪大学世界言語研究センター)
演題:シャンの文字文化の現状 ―タイ国におけるタイ系少数民族の文字の継承と仏教実践について―
要旨:
東タイ国内のシャンは、国家統合のプロセスの中で、タイ国のタイ系少数民族として位置づけられている。タイ系言語を話し上座仏教徒であるシャンは、タイ国に比較的「同化」された少数民族、あるいは「タイ国民」化した少数民族とされる。しかしその一方で、タイ国北部には、現在でもさまざまな形でシャンの人々がミャンマー連邦シャン州より移住し、シャン州とタイ国北部のシャンの関係を維持しており、シャン語・シャン文字を使う機会も少なくない。特に仏教儀礼におけるシャン文字で書かれた文書の使用は、「タイ国民化」、「タイ語化」が進んだタイ国北部のシャン人のあいだでも欠くことのできないものとなっている。
タイ国北部のシャンの人々の間には、手書きの写本から、印刷所で製本されて出版されたもの、コンピュータを使用してプリンターで打ち出した紙片状のものまで、シャン文字で書かれた様々な文書が流通している。そのような文書の形態の多様性に対して、シャン文字文書の使用は、口頭での朗誦が主流である。シャン文字文書の作成、流通、使用(朗誦)に重要な役割を果たしているのが、チャレーとよばれる高いシャン文字運用能力を有した在家知識人である。シャンの文字文化を主として担う在家知識人の活動の分析を通して、タイ国北部のシャンの文字文化の現状についての報告を行なう。。
研究会ホームページ
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kenkyuukatsudou/syakai-bunka/index.html
お問い合わせ先 kataoka[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
備考
・事前の参加予約は必要ありません。
・当日は、資料代として 200円をいただきます。
[研究会世話人/事務局]
杉島敬志 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
林行夫 (京都大学地域研究統合情報センター)
速水洋子 (京都大学東南アジア研究所)
伊藤正子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
片岡樹 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
日 時:2009年9月14(月) 13:00~17:30
場 所:総合地球環境学研究所・セミナー室1,2
*地球研までのアクセスは
http://www.chikyu.ac.jp/rihn/access/index.html
「東南アジアの首都を読む-<ジャカルタの誕生>を中心に」
講師:加藤剛
(比較社会学/龍谷大学社会学部教授・京都大学名誉教授)
【主催】
地球研「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト (通称:メガ都市プロジェクト 代表:村松伸)
http://www.weuhrp.iis.u-tokyo.ac.jp/chikyuken/
京都大学東南アジア研究所GCOEプログラム 「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
/
【開催趣旨】
1.近年、わたしたち(村松伸、甲山治)は、メガシティと地球環境、生存基盤持続型の発展と地域研究というテーマで、それぞれ研究プロジェクトを進めてまいりました。このたび、合同でジャカルタという都市を中心にすえ、さまざまのディシプリンから都市にかかわる問題を深く掘り下げ、それぞれの研究を深化させることを目的に、「ジャカルタ都市研究会」を立ち上げます。
2.すでに内外をとわず、都市ジャカルタに関する研究は浩瀚なものに上っています。都市ジャカルタについて今後研究を進展させていく上で、まず最初にすべきは、既存の研究の十分な理解と批判的な継承です。「ジャカルタ都市研究会」の第一フェーズとして、内外の研究者の方々にジャカルタをテーマとしたこれまでの研究、および、そのことに対する、現在の関心、今後の展望について、お話をいただき、私たちの今後の研究の糧とさせていただこうと考えています。
3.第一回のジャカルタ研究会では、比較社会学者として、インドネシアを拠点として活躍されておられます、東南アジア研究所の名誉教授、現龍谷大学教授、加藤剛先生に、「ジャカルタの誕生-東南アジアの首都を読む」と題して、首都ジャカルタの位置づけを、東南アジア全体からの視点でお話いただきます。「ジャカルタの誕生」だけでなく、「ジャカルタ都市研究会の誕生」としましても、重要な意味をもち、それを巡って、討論をいたします。多数の参加を期待しております。
【プログラム】
13:00-13:15
「ジャカルタ都市研究会開催にあたって」
村松伸(都市・建築史/総合地球環境学研究所教授)
13:15-15:15
「東南アジアの首都を読む-<ジャカルタの誕生>を中心に」
加藤剛(比較社会学/龍谷大学社会学部教授・京都大学名誉教授)
15:15-15:30
休憩
15:30-16:30
コメント
籠谷直人(経済史/京都大学人文科学研究所教授)
栗原伸治(建築人類学/日本大学生物資源科学部准教授)
16:30-17:30
全体討議:「ジャカルタ都市研究の今後」
司会:甲山治(水文学/京都大学東南アジア研究所准教授)
18:00-
懇親会(場所未定)
* 参考資料
加藤剛「政治的意味空間の変容過程―植民地都市からナショナル・キャピタル
へ」坪内良博編『〈総合的地域研究〉を求めて―東南アジア像を手がかりに』
京都大学学術出版会、1999、163-259.
【告知HP】
http://www.chikyu.ac.jp/archive/topics/2009/seminar_090914_annai.html
【問い合わせ先】
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
総合地球環境学研究所
担当:林 憲吾 | HAYASHI Kengo
(プロジェクト研究員)
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4
mail: kensuke[at]chikyu.ac.jp
tel.: 075-707-2340(直通)/ 2353
fax: 075-707-2508
京都大学東南アジア研究所が担当する生存基盤科学研究ユニット京滋フィールド
ステーション事業の一環として、下記のワークショップを開催いたします。
ワークショップでは、9月9日に行われた筏流しのイベントにおいて保津峡
・落合から嵐山へ筏を組んで流した木材の一部を京大博物館に運び、再度、筏組
みの実演をする予定です。
日 時:2009年9月12日(土)14:00~15:30
場 所:京都大学総合博物館1F
内容:
1200年の歴史のある大堰川(保津川)の筏流し。
かつては丹波地方から良質の木材が筏となって、京都に運ばれました。
その中で今の亀岡市と京都市を結ぶ保津峡は一番の難関とされました。
今回は昭和期に活躍された保津川の元筏士の方々からの聞き取りを行ってきた
東南アジア研究所・特任研究員、河原林洋氏の指導の下、昭和のカン筏を皆さん
で作ってみましょう。筏流しの合理性と利便性の一端に触れることで、森と川と
都市との関わりを再考するきっかけ作りとなれば幸いです。
http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/japanese/event/workshop090912.html
平成21年度国際大学交流セミナー
「実践的地域研究・京都フィールドスクール 2009 -アフリカに日本の開発経験を逆照射する試み-」
【お知らせ】
今週金曜日(9月11日)より2週間、アジス・アベバ大学の学生・教員を招いて、日本学生支援機構(JASSO)の助成による国際大学交流セミナーを実施します。下記の通り、開講式と記念講演を開催しますので、皆様のご来場をお待ちしております。
日 時:2009年9月11日(金)13:30-14:30
会 場:京都大学稲盛記念会館 3階 中会議室
開 講 式 次 第
開講のことば
アフリカ地域研究資料センター長 太田 至
あいさつ
日本学生支援機構留学生事業部交流事業課課長補佐 引地朋彦 様
京都大学国際交流推進機構長 森 純一
アジスアベバ大学参加受講生紹介
アジスアベバ大学社会科学部社会人類学科長 マモ・ヘボ・ワベ
司会 重田眞義(アジア・アフリカ地域研究研究科)
主催:アジア・アフリカ地域研究研究科、同大学院教育改革プログラム
共催:日本学生支援機構、アフリカ地域研究資料センター
◇
引き続き当日の予定は以下のとおりです。こちらにもご参加ください。
14:30-15:00 エチオピア・コーヒーセレモニー
15:00-16:30 記念講演「エチオピアにおける人類学的研究の現状と未来」
アジスアベバ大学社会科学部准教授 ゲブレ・インティソ
18:00-20:00 歓迎レセプション
-------------------------------------
期間中、セミナー会場として稲盛記念館3Fの会議室(小、中、多目的室)を使用します。
ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、皆様のご協力、ご理解をお願いいたします。
日 時:2009年 9月7(月)~11日(金)
場 所:京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館大会議室(3階333室)
テーマ:「東南アジア」を地域としてどう考えるか
詳細>>
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/training-linkage/summer-seminar/2009-summer-seminar_ja.html
日 時:2009年 8月28(金) 14:15~17:20(14時開場)
場 所:東京国際フォーラム(下記参照)
東京都千代田区丸の内3丁目5番1号 (代表):03-5221-9000
主 催:京都大学東南アジア研究所
参 加:無料 当日直接お越し頂いて結構ですが、事前に下記にご連絡頂けると幸いです.
本事業は、バングラデシュとネパールにおける開発と環境保全への対応策を、当事者の視点、特に草の根レベルで問題解決に日々取り組んでいるNGOのプロジェクト実践経験から相互開発的に見出そうとするものです.
「社会的ソフトウェア」とは、NGOの実践者の異なる経験知を、実践課題に向けて利用可能なアクションプランに整えるメカニズムのことを意味します.報告会では、これまでバングラデシュとネパールで行ってきた事例に基づき、「社会的ソフトウェア」 の有効性について議論します.研究者や開発機関職員、NGOに関わる方々など、多くの参加をお待ちしています.
【プログラム】
14:15~14:25 趣旨説明 矢嶋吉司
14:25~14:50 事例報告1 南出和余
14:50~15:15 事例報告2 Shampa*
15:15~15:40 事例報告3 田中雅子
休憩
16:00~16:20 社会的ソフトウェアとNGO 安藤和雄
16:20~16:40 アクションプラン Bimal Kanti Kuri*
16:40~17:10 全体討論
17:10~17:20 総括
*バングラデシュECF現地事務局NGO
SSS (Society for Social Service) から招へい
【会場アクセス】
<JR線>
有楽町駅より徒歩1分
東京駅より徒歩5分
(京葉線東京駅とB1F地下コンコースにて連絡)
<地下鉄>
有楽町線 : 有楽町駅とB1F地下コンコースにて連絡
日比谷線 : 銀座駅より徒歩5分/日比谷駅より徒歩5分
千代田線 : 二重橋前駅より徒歩5分/日比谷駅より徒歩7分
丸ノ内線 : 銀座駅より徒歩5分
銀座線 : 銀座駅より徒歩7分/京橋駅より徒歩7分
連絡先:
京都大学東南アジア研究所
〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
URL:http://ecf.cseas.kyoto-u.ac.jp/
E-mail: ando[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
安藤 和雄(代表) 京都大学東南アジア研究所/准教授
藤田 幸一 京都大学東南アジア研究所/教授
藤倉 達郎 京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科/准教授
矢嶋 吉司 京都大学東南アジア研究所/研究員
南出 和余 京都大学地域研究統合情報センター/日本学術振興会特別研究員
田中 雅子 日本福祉大学大学院国際社会開発研究科/博士後期課程
日 時:2009年 8月28(金)
場 所:大阪市立大学文化交流センター・大セミナー室
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600 大阪駅前第2ビル6階
06-6344-5425
http://www.osaka-cu.ac.jp/faculties/bunko/access.html
【内容】
報告者及び報告論題-Laurent Pordie, 'Processes and Places of Therapeutic
Innovation in Indian Medicine: Toward an Anthropology of today's
Ayurvedic resorts'
報告の梗概-Ayurveda will then be used to illustrate what I name the
making of new therapies "within" ayurveda. I will explore processes and
places of therapeutic innovation, the social dynamics that frame and
transform ayurvedic practice, and the integration of landscape and the
notion of place in the healing processes. I will try to show how the
idea of landscape is integrated in new ways into such forms of therapies
which claim an affiliation to Ayurveda.
報告者(Laurent Pordie先生)のプロファイル-ハイデルベルク大学"アジア&ヨーロッパ"研究拠点、研究グループリーダー。人類学博士、薬学博士。カンボジア及びインド・ラダックにて薬学・人類学の調査研究をおこない、2004年から2008年にかけて、インドのポンディシェリー・フランス研究所において人文科学研究部門の主任、2006年及び2008年にネルー大学の客員教授を歴任する。氏の研究は医療人類学を基盤にしているが、生物学と社会科学とを繋ぎ合わせていくことを常に念頭においている。現在、インド・チベット医学の社会変容及びインドの治癒における"ランドスケープ"の問題を中心的な研究課題としており、"癒し"やヘルス・ツーリズムといった今日的な現象にたいしても、医療としての"効果"、地政学的な視点を考慮しながら取り組んでいる。
バンコク連絡事務所が主催・共催する研究会・懇親会等です。
日 時:2009年8月26日
開催場所:カセサート大学
共催:寄附講座『「味の素」食の未来戦略講座』/京都大学国際交流機構、大学院農学研究科、東南アジア研究所/日本料理アカデミー/Kyoto Union Club
詳細>>http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/international/bangkok-calendar_ja.html
日 時:2009年8月3(月) 13:00~17:00
場 所:京大会館 211号室(40名収容)
各発表30分 質疑応答5分
全体討論 40分
日 時:2009年7月31日(金)16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション
(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
発表者:嶋田奈穂子(守山FS研究員)
発表題目:「守山宿だるまそばプロジェクト -都市農園の可能性-」
発表内容:
-守山市中心市街地における、都市農園の可能性について-
商店や民家、マンションが立ち並ぶ駅前・中心市街地。小売店の衰退や歴史的景観の破壊が進み、同時に「活性化」と叫ばれる今、“農”という言葉とは一見無縁にみえるこの地域で、“農”の可能性を探っています。
日 時:2009年7月22(水) 17:00~19:00
場 所:京都大学総合博物館2階セミナー室
アクセス:http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/indexj.html
講師:伊谷原一(京都大学野生動物研究センター)
参加登録先:visual-media.practices[at]cias.kyoto-u.ac.jp (
実行委員会事務局)
※[at]を@にかえてください。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第155回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年7月20日(月)15:00 ~ 17:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演題:From “strangers” to an “indigenous people”:
The role of MBOSCUDA in transforming Mbororo identity and
political representation in Cameroon
(「よそ者」から「先住民」へ:
カメルーンのボロロ・アイデンティティの変化と政治参加における
MBOSCUDAの役割)
講師:Michaela Pelican,
Post-doctoral researcher and assistant lecturer,
Department of Social Anthropology, University of Zurich
ミカエラ・ペリカン
(ポスドク研究員/助教 チューリッヒ大学 社会人類学学部)
要約:ボロロ(Mbororo)は牧畜民であり、民族的にはフルベ(Fulbe)/
フラニ(Fulani)/プール(Peul)に属する。彼らはナイジェリアのカノから、
19世紀にカメルーンに移り、主にアダマワ州および北西州に移住した。この地に
到来したのが遅く、また少数であることから、長いあいだ、ボロロは地元住民や
カメルーン当局から「よそ者」、「新参者」、「漂泊の民」とみなされてきた。
しかし近年、ボロロはカメルーンの先住民という身分を主張し、またカメルーン
国民として、あるいは周辺化されたマイノリティーとしても、その権利を要求し
ている。
非政府組織(NGO)のMBOSCUDA(Mbororo Social and Cultural Development
Association)は、国内でも、国際的にも、ボロロの窮状を訴えることに力を貸し
てきた。本発表は、MBOSCUDAの活動および、MBOSCUDAとボロロ・コミュニティー
との関係に焦点を当てる。さらに、MBOSCUDAの事業や、カメルーンのボロロ・コ
ミュニティーの代表として、MBOSCUDAが実施してきた政治的働きかけおよび支援
運動に対して、非ボロロおよび政府関係者がどのように対応してきたのかを議論
する。
The Mbororo are a pastoralist people and belong to the ethnic category
of Fulbe/Fulani/Peul. Descending from Kano in Nigeria, they entered Cameroon
in the 19th century and settled predominantly in the Adamaoua and the
Northwest Region. Due to their late arrival and being a minority, the Mbororo
have long been considered ?strangers', ?late-comers' and ?nomads' by the local
population and the Cameroonian administration. In recent years, however, the
Mbororo have laid claim to the status of an indigenous people of Cameroon,
thus demanding their rights as Cameroonian citizens and as a marginalised
minority.
The non-governmental organization MBOSCUDA (Mbororo Social and Cultural
Development Association) has been instrumental in promoting the plight of the
Mbororo both on the national and international level. In this presentation
I will focus on the activities of MBOSCUDA and its relationship with the
Mbororo community. In addition, I will discuss the reactions of non-Mbororo
and government representatives to MBSOCUDA's programmes and to its political
lobbying and advocacy on behalf of the Mbororo community in Cameroon.
日 時:2009年 7月18(土) 14:00-17:00
場 所:龍谷大学深草学舎、紫英館2階第1共同研究室
研究会が開催されます紫英館は以下URLにある地図の6の建物です。
http://www.ryukoku.ac.jp/web/map/fukakusa.html
各線最寄駅は京阪本線「深草」駅、JR奈良線「稲荷」駅、地下鉄「くいな橋」駅です。
【発表者とタイトル】
1)佐藤量介氏(龍谷大学アフラシア平和開発研究センター4班公募研究員)
「秩序構築における法と和解の関係性 ―アフリカにおける移行期的正義を素材に―」
2) 倉島孝行氏(京都大学東南アジア研究所)
「1990年代民主化期タイにおける森林消失の政治的メカニズムからの敷衍―熱帯林消失要因の精緻化とREDDへの懐疑―」
【テーマ】歓待の人類学
【コメンテータ】青木恵理子(龍谷大学)
※各発表30分程度を予定。
各報告の要旨などは追ってお知らせいたします。
【趣旨】
「民族学〔文化人類学〕は未開社会という特殊な対象によって定義される専門職ではなく、いわば、ひとつのものの考え方であり、自分の社会に対して距離をとるならば、私たちもまた自分の社会の民族学者になるのである」というモーリス・メルロ=ポンティの言葉は、半世紀前に書かれたものですが、人類学の可能性を示してい< BR> るとともに、またその限界をも示唆しています。可能性とは、人類学は「未開社会」、異文化社会にこだわる必要はない、ということです。グローバル化の現代、かつて想定されていたような異文化という領域が流動化している状況で、メルロの言葉は、遠くに出かける必要はないんだ、と語りかけています。人類学は、対象によってではなく、「距離をとるならば」という態度によって規定される学問だ、ということになります。しかし、メルロの限界は、まさにそこにあるように思われます。「距離をとる」という近代人の態度こそ問いなおすべきだと考えるからです。
考えてみれば、フィールドワークの手引書は主として、どのように他者と距離をとるのかという視点から書かれてきました。ラポールという概念も、距離を前提に問われてきたにすぎません。人類学者は「一歩ひいて」かれらを観察し、かれらの語りに耳を傾けます。どうすればフィールドで他者の機嫌を損なうことなく信頼を獲得し、良質なデータを効率的に収集できるのか。どうすれば、帰国の際にお互いウルルンできるのか。こうした問いかけに答えようとするフィールドワークのマニュアルはたくさん出ています。しかし、「距離をとる」という前提こそが問われなければならないのではないでしょうか。いかに他者に関与するのか、という視点こそ重要ではないでしょうか。今回の例会では、以上の問題を念頭に、さまざまな他者との出会いのあり方を考えていきたいと思います。その際、取り上げたいのは、歓待(ホスピタリティ)という視点です。ここではより具体的に、接待、接客、感情労働、誘惑といった行為に注目して他者との出会いについて再考したいと思います。他者とどうかかわるのか、という問いかけは、共存や共生をめぐる議論に対してだけでなく、フィールドワーク論の再考に貢献することになるでしょう。
【各発表要旨】
◆浅川泰宏(さいたま県立大学)「<つながる>ことの快楽と呪縛: 出会いの回路としての接待を通して」
接待は四国遍路の巡礼者歓待習俗である。伝統的な解釈では、弘法大師の呪力を根源とする功徳を獲得するための施行とされる。だが、「祈り」よりも「歩き」を重視する現代の徒歩巡礼が隆盛するなかで民俗宗教的な論理は後退し、かわって前景化するのが現代社会的なコンテクストだ。見ず知らずの他者からの思いがけない「優しさ」と読み替えられた接待は、都市の日常では希薄になった交流の暖かさに気づかせ、人と人とが<つながる>心地よさを実感させるという新しい魅力を見出された。だが接待は巡礼者にとって常に魅力的なものとも限らない。厚意は厚意として理解しつつも、できればそれを拒否したいという葛藤が生じることもある。押しつけがましさや重苦しさが喚起され、思いが呪縛となることもありうるのだ。本発表では、これまであまり語られてこなかった、接待の二面性を語る事例の紹介を通して、他者との関わり方についての論点を提供したい。
◆國弘暁子(群馬県立女子大学) 「異装を纏う人々への歓待の作法: インド、グジャラート州におけるヒジュラとしてのあり方を中心に」
男性としての生を放棄し、女神の衣装を身に纏い生きるインドのヒジュラ。一般の人々とは異なる外観を呈して、俗世の人々の間で乞食(こつじき)をして回ることを日々の活動とするが、時として、強引な態度や嫌がらせによって無理矢理に金銭を要求しようとする。そのため、ヒジュラは不快な存在として蔑視され、また、嘲笑の対象とされることもある。しかし、女神という聖なる存在が喚起される場所や状況においては、ヒジュラは排除すべき存在ではなく、むしろ、女神に帰依する者として手厚くもてなすべきであると考えられている。本発表では、インド、グジャラート州においてヒジュラと生活を共にした参与観察データをもとに、ヒジュラとして生きる者たちが、いかに俗世の人々と係り合い、どのような待遇を受けるのかについて報告する。
◆徐玉子 (京都大学) 「〈性労働〉、セックスから感情労働へ: 在韓米兵相手のフィリピナー・エンターテイナーの場合」
韓国には現在全国に散在する米軍基地が93箇所に達し、33,000余名の米軍が駐屯している。それらの基地周辺には、米兵のRest&Recreation(休息と休養)にかかわる、主に性的サービスを提供する場所として基地村が形成されている。本発表は、まずその米軍基地村で「エンターテイナー」として働くフィリピン人女性の生活経験・労働現場に密着したフィールドワークをもとに、彼女たちの「移住性労働」を、感情労働をキーワードに再現する。そして、その「移住性労働者」の労働実践(感情労働の遂行)と「一般女性」の日常的な感情管理の類似性に着目し、後者の、支払われることなく、私的領域で女性に課せられる感情管理に費やされる労力を「ジェンダー労働」として概念化・可視化することを試みる。ここまでは一応感情労働を資本主義や家父長制による産物であると理解しながらその抑圧性に注目する一方、私的領域での支払われることのない感情管理への労力をあえて「労働」と名づけることによって、労働であると認められる活動とそうではない活動の間の区別、もしくは序列化に挑戦する。最後に、感情労働が抑圧的な側面を含みながらも人との間の新たな関係を生成しうる可能性を肯定的に捉えることを試みる。
◆松田さおり(宇都宮共和大学) 「〈蝙蝠〉としてのホステス: 女性たちの接客実践の検討」
本報告では、「歓待」の現場における他者との出会いのありようについて、ホステスという日本の女性労働者の事例を取り上げて考察する。ホステスは、主として女性が男性に対し「歓待」「接遇」するサービスを行う、という極めて特化された役割を担い、独特の位置づけがなされるとともに、さまざまな形で社会的な注目を集めてきた。ホステスは、企業による接待交際活動の伸長と密接に関係しながら、その活動規模を拡大させてきたが、同時に「取るに足らない」「いかがわしい」そして「まともでない」労働者としても描かれてきた。「まともでない」とされた理由の一つは、彼女たちがシロウト-プロ、接客労働者-性労働者、男性中心社会の犠牲者-共犯者といったカテゴリーの間の、境界的な存在=蝙蝠的存在として捉えられてきたことに由来する。本報告では、このような蝙蝠的存在としてのホステスの起源と変遷について説明するとともに、いかにして「まともでない」女性たちが、「まともな」男性と出会い、「親密な」関係性を維持・展開・終了させているのかについて、その接客実践から分析を試みる。
◆大浦康介(京都大学)「歓待と誘惑」
私はおもに歓楽街をフィールドしている文学研究者です。今回は、私が数年前に行った伝説のナンパ師、梅田ダンススクールの佐伯孝三氏へのインタビューを中心にお話しします。佐伯氏はそこで、誘惑とは何か、誘惑はどんなタイプのコミュニケーションなのか、人はどうすれば優秀なナンパ師になれるのかといった問題についてじつに興味深い理論を展開しているのですが、私はこの佐伯流誘惑論を紹介するとともに、それがどのように田中雅一氏の「歓待」論とつながるのか(あるいは、つながらないのか)について考えたいと思っています。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
【お問い合わせ先】
inq_kyojinken[at]hotmail.co.jp
飯田玲子 飯塚真弓 伊藤千尋 北沢直宏 武田龍樹 秦 玲子 堀江未央 光保謙治 八塚春名
井家晴子 小池郁子 木村周平 中村 亮 西本 太 松尾瑞穂 宮本万里
京都人類学研究会代表 田中雅一
日 時(天候によって変更となる可能性があります)
全日とも作業時間は9:00~16:30ごろ、収穫は11月初旬~中旬を予定
場 所:滋賀県余呉町菅並地区
http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi0202418090707142409
持ち物:軍手、作業に適した服装・靴(現場はかなりの急斜面です)、帽子、 タオル、飲み物(熱中症にご注意ください)、(7/15-8/9の作業では、あれば ナタ、カマ、ノコギリ)
日 時:2009年 7月11日(土)13:30~18:15
場 所:京都大学稲盛記念会館(川端通り荒神口角)3階小会議室
13:30~14:45 (質疑応答も含む)
報告1 増原善之氏(京都大学地域研究統合情報センター 研究員)
「村に眠る古文書、異国に眠る古文書-タイ国立図書館所蔵ランサン王国行政文書の紹介を兼ねて-」
15:00~16:15 (質疑応答も含む)
報告2 富田晋介氏(東京大学大学院農学生命科学研究科 助教)
「水田の開拓と相続ー北部ラオスの盆地村の事例から」
16:30~17:45 (質疑応答も含む)
報告3 西本太氏(総合地球環境学研究所 研究員)
「カントゥ社会における許婚(いいなずけ)ソルについて」
総合討論
世話人・連絡先
片岡樹・kataoka(at)asafas.kyoto-u.
倉島孝行 tkurakura(at)hotmail.com
蓮田隆 hsd(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 yhayami(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
English Page>>
/en/article.php/20090709_02
日 時:2009年7月08日(水)15:00 - 17:00
場 所:京都大学総合研究2号館第二講義室(AA415)
*少々わかりづらいところにあります。百万遍の交差点近くの京都大学北門から入りすぐ左手の建物が総合研究2号館(旧工学部4号館)です。
その建物の北側入り口付近のエレベーターに乗って四階に行き、右側(西側)に曲がってください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kias/contents/tariqa_ws/access_map.pdf
などをご参照ください。
発表:Nevad Kahteran (Sarajevo Univ., Bosnia and Herzegovina; visiting
associate professor of Kyoto Univ.)
``Overcoming Fundamentalism: About Possible Links between the Kyoto
School and Sufism in the Pluralistic Age''
コメント:澤井義次(天理大学)、鎌田繁(東京大学)
使用言語:英語
なお参加をご希望の方は下記アドレスまで御一報ください。
inq-kias[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
日 時:7月3日(金)17:30~20:00*18時に会場の入り口が閉まります。早めにご来場下さい。
場 所:京都大学東南アジア研究所構内 稲森財団記念館 3F大会議室
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/about/access_ja.html
主催:難民を映画から考える in 関西
共同運営:京都大学東南地域研究統合情報センター・京都大学映像なんでも観る会など
後援:国連難民口頭弁務官事務所
難民映画上映会HP:http://www.glocol.osaka-u.ac.jp/research/nanmin_eiga09.html
古居みずえ監督をお呼びして、『ガーダ・パレスチナの詩』を上映します。古居監督は、1988年よりパレスチナと関わり続けられ、93年にはボスニア・ヘルチェゴビナ、98年にはアフリカのウガンダ、インドネシアのアチェ自治州、2000年、2002年にはアフガニスタンでも取材をされてきました。本作品は、パレスチナ女性ガーダが、古い慣習の残る社会の中で新たな生き方を模索していく成長の物語で、上映後に、監督のトークを予定しています。
☆☆☆『ガーダ・パレスチナの詩』☆☆☆
撮影・監督:古居みずえ
政策:2005年/日本/カラー/106分/日本語字幕
作品HP:http://ghada.jp/intro/index.html
地域研究方法論研究会の第4回研究会は東京大学で行います。
東京大学では2回目の研究会となります。
日 時:2009年7月2日(木)
会 場:東京大学駒場キャンパス18号館
主 催:地域研究コンソーシアム地域研究方法論研究会
京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用プロジェクト「地域研究方法論」
共 催:東京大学大学院地域文化研究専攻・アジア地域文化研究会
【内容】
話題1:小森宏美(京都大学地域研究統合情報センター)
「地域研究の立位置の再検討──他ディシプリンとの競合・協力を超えられるか」
話題2:福武慎太郎(上智大学外国語学部)
「研究と実践の関係を問い直す──市民運動、アジア学、NGO」
話題3:西芳実(東京大学大学院総合文化研究科「
「フィールドはどこにあるか――地域研究者と社会の関わり」
【報告要旨】
「地域研究の立位置の再検討──他ディシプリンとの競合・
地域研究は国際関係論と親和的な学問分野である、
「研究と実践の関係を問い直す──市民運動、アジア学、NGO」
ベトナム反戦運動をきっかけに東南アジアへの関心を深めた人々は
「フィールドはどこにあるか――地域研究者と社会の関わり」(
研究者は論文を書くことを通じて社会と関わっている。
地域研究方法論研究会
http://areastudies.jp/
日 時:2009年6月28日(日)13:00-18:30
会 場:京都大学東南アジア研究所敷地内共同棟5階セミナー室
参加申し込み:virtual.earth.kyoto[at]
【趣旨】
地域情報データベース構築と地域ドキュメンタリー映画制作の
両過程において生成している、あるいは両過程の基層をなして
いる「物語」について検討することを通じて、両手法を活用し
た「地域」概念の検討と「地域」の把握・表現に関する方法に
ついて考える。その際、特に、「理論」と「物語」の違いに注
目し、地域研究の「物語」的手法の可能性について考える。
1.議論
「仮想地球」研究会・地域情報データベースの「物語」性について検討する。また、その「物語」性と調査、データ収集・蓄積、データベース構築との関係について検討する。
参考資料:次の担当者が構築したデータベース(構築過程のものも含む)。岡本雅博+藤岡悠一郎、益田岳、平井將公、藤岡悠一郎、榊原寛、稲井啓之、岡本雅博+新井一寛、大石高典(構想中)
2.鑑賞
上映作品『越後奥三面ー山に生かされた日々』(1984年/145分/姫田忠義・民族文化映像研究所)
作品の「物語」性と調査・撮影、編集・表現との関係について検討する。
3.議論
ふたつの「物語」の考察を通じて、地域情報データベースと映像「作品」を活用した「地域」概念の検討と「地域」の把握・表現に関する、方法について考える。
日 時:2009年6月26日(金)16:00~19:00
場 所:守山フィールドステーション
(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
発表者:河原林 洋(亀岡フィールドステーション研究員)
発表題目:「保津川筏研究 -モノのつながり、ヒトのつながり-」
発表内容:保津川の筏文化研究の中で、
日 時:2009年6月26日(金)13:30~16:30頃
場 所:総合地球環境学研究所 セミナー室3,4
(いつもと場所が違います)
1.
Rizaldi (Primate Research Institute, Kyoto University)
Historical change and threats on the large- and medium-sized mammals in Sumatra
Habitat destruction rapidly occurred in Sumatra, which might cause
local extinction of some mammal species. We studied how large- and
medium-sized mammal species responded to various intensities of
habitat alteration in three provinces of central Sumatra (West
Sumatra, Riau and Jambi), Indonesia. Our goals are to evaluate the
current status of 26 subject mammal species, to predict those
historical changes on population and to find key factors for
sustaining each species in their habitat. Data on the distribution of
each species and relating ecological factors were collected through
direct interviewing to the local people and observation on those
species. We also conducted intensive survey at some selected areas to
assess more precisely the current status of subject species. Intensive
survey covered four main habitat types; natural habitat, agro-forestry
and/or rubber forest as mixed plantations, palm oil plantation as
monoculture plantations, and human settlement or rice field as
artificial habitats. We compare species existence between different
habitat types in term of their responses to the habitat degradations.
We found many mammal species can survive in traditionally managed
agro-forestry areas and mixed forests mainly composed of rubber
plantations. The large-scale palm oil plantations were the most
serious threat for most subject species. The distribution pattern of
each species in various habitat types revealed that habitat
degradation could have threatened those subject species in different
level (i.e. no influence, low, moderate, high, and extreme influence).
Wild boars and common palm civets, for instance, appeared not to be
influenced by habitat degradation while Malayan tapir, bear cats,
flying lemurs, Sumatran tigers, siamangs and elephants extremely
suffered from habitat degradation. We further discussed the
possibility on sustainability and/or local extinction of those subject
species as a consequence of habitat alteration. We suggested the
importance of retaining mixture vegetation within appropriate
locations even when habitat alteration was inevitably.
2.
鮫島弘光 (京都大学農学研究科森林生態)
ランダムカメラトラップ法による、ボルネオ哺乳類群集の広域把握
本研究は熱帯林の中・大型地上徘徊性哺乳類の広域スケールでの多様性評価手法として、熱赤外線感知式自動撮影カメラを使った方法(ランダムカメラトラップ法)を確立させることを目的としている。
ボルネオなどの熱帯林生態系は炭素貯留などの生態系機能とともに生物多様性の維持機能が高いことが広く知られている。そのため、保護区の設定や持続的森林管理といった熱帯林の維持努力への投資吸引力を上げるためには、熱帯林の管理単位として一般的な数百~数千平方キロといった広域スケールでの、生物多様性の分布、さらには様々な維持努力の多様性への効果を客観的に評価できるようにすることが効果的であると考えられる。そして対象分類群としては、社会的認知度が高い中・大型の哺乳類を扱うことが最も社会的インパクトが高いと考えられる。また今日、ボルネオの森林の大部分は商業伐採の施業区として木材伐採企業の管理下にある。伐採会社といえども、生物多様性への維持努力に森林認証や生物多様性クレジットなどの経済的インセンティブが存在し、効果的で効率的な維持手法が存在すれば、維持への投資を行う戦略をとると考えられる。
しかしながらこれまでのところ、広域スケールで実施でき、伐採会社に受け入れられるほど低コストで誰でもできる、中大型哺乳類の多様性調査手法は確立されてこなかった。このためどのような管理手法が広域スケールでの多様性維持にとって効果的かつ効率的であるかも明らかになっていない。このため本研究ではその調査手法として自動撮影カメラを使った方法を考案し、技術的に確立させることを目的としている。
調査地はサバ東部キナバタンガン川流域のデラマコット・タンクラップの森林管理区(約800km2)で、全域が低地フタバガキ混交林で覆われている。1956年以来全域で伐採を受けたことがあり、現在でもデラマコットでは持続的森林管理のスキームのもと低インパクト伐採が施業中である。調査地の全域、約5km間隔に、直径1kmの調査エリアを29設定した。各調査エリアの中にはランダムに9か所の設置点を選び、3台の自動撮影カメラを順番に置いて、各調査点で約100日撮影を続けている。現在までのところ各調査エリアで480日の撮影努力量しか得られていないが、合計36種3734枚の中大型哺乳類の写真を撮影した。この結果、800km2全域にわたる各種のアバンダンス、種多様性の分布を把握できた。補足的にその分布をもたらす各種環境要因、持続的森林管理の効果について議論する。
【演題】身分契約の人類学――人と人との絆を律する法とは何か
【コメンテータ】松村圭一郎(京都大学大学院人間・環境学研究科助教)
【要旨】
血盟は、血液の交換による関係構築という側面を捉えて、身体の次元で操作される社会性・共同性の様態をよく示す事例とみなされる古典的事例のひとつである。血盟研究を再検討したルーズ・ホワイトは、市場経済と植民地行政が東アフリカの諸社会に浸透する過程で現れた都市に潜む吸血鬼をめぐる噂話を分析し、血盟における血液が人格の個別性を備えていたのに対して、吸血鬼が吸いとる血液はそうした個別性を欠く匿名的なサブスタンスだったと対照し、植民地化以降に血液が「全く新しい別の意味合い」を持つようになったと述べている。本報告は、以上のような仮説を法人類学の見地から再考し、身分契約の例外化(下記)を批判する。これまでの社会科学のなかで、血盟は婚姻とならび、それが当事者双方の意思表示の合致によって成立する身分上の取決めであり、かつ双方に対して拘束的な権利義務関係をもたらすことから、「身分契約」と呼ばれてきた。同時に、自由意思の合致による権利義務発生のメカニズムを特徴とする点において身分契約は「通常」の財産法上の契約と同様だが、効果として生ずる婚姻関係と市場取引における当事者間関係とは性質が明らかに異なるとされ、身分契約は契約であるが、財産法上の契約と極めて異なっており、多くの点で特殊の性格をもつとされる。例えば、マックス・ウェーバーは、目的契約と身分契約との対比のうちに形式主義と反形式主義との対立を見た(婚姻ならびに兄弟契約を「身分契約」として概念化し、市場における財貨取引に顕著な「目的契約」と対比させた)。本報告では、目的契約と身分契約との間の古典的な二項対立に手を入れて、財産法上の契約のうちに、さらには婚姻・兄弟分・養子縁組に代表される身分契約のうちに、互いに対立する二つの定式化(形式的規定と実質的理解)の拠点を認めるところか、あらためて身分契約の社会的組成を考えてみたい。
【備考】
*事前の参加予約は必要ありません。
*当日は、資料代として200円をいただきます。
*京都人類学研究会は、
【お問い合わせ先】
inq_kyojinken[at]hotmail.co.jp
6月例会担当 木村周平 松尾瑞穂 井家晴子
京都人類学研究会代表 田中雅一
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第154回アフリカ地域研究会のご案内
日 時:2009年6月18日(木)14:30 ~ 17:30
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演題1:「紛争はどのように波及するのか-第二次リベリア内戦に参加した
シエラレオネ人の事例から」
講師1:岡野英之(大阪大学大学院人間科学研究科博士課程)
要旨1:武力紛争、特に内戦の考察において、紛争の隣国への波及はひとつの
イシューとして取り上げられている。本来、国内勢力間での闘争であるはずの
紛争は容易に国境を越え、隣国においても不安定化をもたらしている。特に、
アフリカにおける武力紛争では、国内周縁部を支配する武装勢力が隣国に活動
拠点を置いたり、物資の運搬に隣国を利用したりするため、戦略的な重要性を
帯びている。しかし、紛争の越境プロセスを明らかにしようとするこれまでの
研究はこの現象にたいして部分的にしか取り組んでこなかった。そのような研
究は、武装勢力のリーダー層の行動や、彼らの国境を越えての協力関係といっ
た武装組織の上層部の動きを明らかにしてきたが、普通の兵士がなぜ、どのよ
うに移動するのかについては考えてはこなかった。しかし、この作業は、紛争
の越境を説明するためには不可欠である。
本発表では、リベリア第二次内戦の勃発を事例に、シエラレオネ紛争にCDF
(the Civil Defense Force)として参加した兵士が、どのように、なぜリベリアの
武装勢力であるLURD (Liberians United for Reconciliation and Democracy)に
参加したのかを明らかにする。この考察は、発表者が2008年10月にリベリアの
首都モンロビアにおいてシエラレオネ人元兵士に対して行ったインタビュー調査に
基づくものである。本発表は、発表者が行ったフィールドワークを、文献調査に
よって得られたCDFやLURDの形成や特徴と照らし合わせることによって第二次
リベリア内戦ぼっ発のメカニズムの理解を試みたい。
演題2:「北部ウガンダ紛争と国際刑事裁判所-『アチョリの伝統的正義』
言説をつうじて」
講師2:榎本珠良(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
要旨2:2003年、国際刑事裁判所(International Criminal Court、以下ICC)が
正式発足した。以後、ICCが捜査や訴追の段階に至った事態はアフリカに集中して
おり、発足後6年間のICCの活動は、アフリカでの犯罪への対処をつうじた「不処
罰の防止」、「法の支配の確立」、「平和構築」の取り組みとして論じられてきた
といっても過言ではない。報告者の調査地の北部ウガンダについても、ICC初の
ケースとして、北部ウガンダの人々に正義をもたらし、犯罪を予防し、「平和構築」
に資することが期待された。
そうした一方で、ICCは各事態において様々な問題に直面してきた。北部ウガン
ダについても、ICC関与以降の経緯は複雑であり、他の事態でも指摘されることが
ある「平和と正義」の問題やローカルな「正義」とICCとの関係の問題などが噴出
した。
本報告は、北部ウガンダ紛争とICC関与の経緯を概観し、最大の論点の一つで
ある「アチョリの伝統的正義(以下、伝統的正義)」をめぐる言説とその解釈を再考
する。そして、特定の「伝統的正義」言説と解釈が形成された歴史的背景を探る
作業を通じ、北部ウガンダの事態に関する議論が、アチョリ地域内外の多様な主
体の間で、複数の認識枠組みや社会秩序構想が交錯しながら展開したことを指摘
する。その上で、「伝統的正義」の言説および解釈が、ICC関与後の議論および
紛争の展開にどのような影響を与えたのかを考察する。
*******************************************************************************
この研究会は「アフリカ在来知研究会」と「紛争・難民・平和研究会」との共催です。
日 時:2009年 6月13日(土) 13:30~17:30
場 所:関西大学千里山キャンパス総合研究棟2階
(キャンパス案内は http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html
を参照してください)
1. 13:30~13:45 西村昌也(関西大学文化交渉学教育拠点)”関西大学フエ調査
プロジェクト概要紹介”
2. 13:45~14:10 西村昌也”Quang Thanh社Hoa Chau城遺跡の調査初歩報告”
3. 14:10~14:50岡本弘道・篠原啓方・西村昌也(関西大学文化交渉学教育拠
点)”フエ都城外港集落Huong Vinh社明郷村の天后宮と関帝廟、ならびに”明郷
人”の実像について”
14:50~15:10 休憩
4. 15:10~15:50 Nguyen Thi Ha Thanh(グエン・ティ・ハー・タイン:関西大
学文化交渉学教育拠点) ”Huong Vinh社Dia Linh村とThanh Ha村の地簿資料につ
いて”(通訳あり)
5. 15:50~16:20 蓮田隆志(京都大学東南アジア研究所)”フエ伝統地方文書の
特性について”
16:20~17:30 コメント&ディスカッション
コメンテーター 松尾信之(名古屋商科大学)ほか
内容:
関西大学文化交渉学教育研究拠点は、グローバルCOEプログラムのもと、大学院
生の教育実習もかねてフエ都城周辺で”集落”をキーワードにした3つの研究プロ
ジェクトを行っています。今回はそれらの中間報告を行います。
1. Hoa Chau城はQuang Dien県Quang Thanh社に位置する、全周5000mを超える大
型城郭遺跡である。当遺跡は、陳朝期以降大越が利用した城郭拠点とされ、城郭
の最初の建設時代あるいは建設主体者がチャンパなのか大越なのかについて、あ
まり明瞭にされてこなかった。本研究は、測量と小規模な試掘をもとに、城郭の
構造を明らかにし、その構築法や構築年代について新出議論を加えることを目的
としている。また、現在、城郭内にある伝統集落の歴史的深度、チャンパの遺
物・遺溝とされるものへの再論も行う。
2. Huong Vinh社のHuong川左岸地域は、広南グエン阮氏時代(17世紀)から、外
港として栄えてきた。社北部のMinh Huong村(明郷)からDia Linh村(地霊)に
かけては、明郷人が建設した天后宮と関帝廟があり、祠堂や各信仰施設、さらに
は家並みや各種資料が、その歴史を留めている。それらは陳荊和などにより文献
史学的研究が進められてきた。ただ、実地調査による文化・歴史の諸側面はそれ
ほど明らかにされていない。本報告では華人系ベトナム人としての明郷人の実
像、あるいは、華人やMinh Huong村の周辺集落との関係、明郷人の信仰体系の中
心となる天后宮や関帝廟などについて、地理的調査、観察調査・聞き取り調査・
資料収集などをもとに基礎的な報告を行う。また、Dia Linh村やThanh Ha村のフ
ランス時代の地簿資料についての初歩的分析結果も報告する。
3. Hue周辺の伝統集落では、各集落が各種伝統地方文書を継承・保管している例
が非常に多い。それらの実態は、部分的な報告・研究はあるものの、全体的な姿
は明らかにされていない。本プロジェクトはトヨタ財団の助成をもとに、集落の
地方文書群を、集落の長老達が共同管理する村の行政や信仰関係の文書を中心と
する”村落地方文書”と氏族の族譜や財産関係文書などを中心とする” 氏族地方文
書”の二つに分け、文書群の実態を理解し、資料データの恒久保存を行い、今後
の研究・保存・活用の指針を作ろうとするものである。これまで調査を行った
Duc Buu、My Loi、Ha Thanh、Thanh Trungの各集落での調査から、代表的な文書
保管例、保管や管理の実態、文書群の性格と主内容などについて報告する。
世話人・連絡先
片岡樹・kataoka(at)asafas.kyoto-u.ac.jp
倉島孝行 tkurakura(at)hotmail.com
蓮田隆 hsd(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 yhayami(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
日時:2009年6月12日(金)14:00~16:00
場所: 京都大学稲盛財団記念館(川端通り荒神口角)CIASセミナー室(213号室)
http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/index.php/access
話題提供者:下條尚志(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
テーマ:「サイゴン政権下ベトナムの土地政策と山地民―中部高原地域における焼畑耕作地の所有権をめぐって」
今回は、下條尚志氏に話をしていただきます。下記のテーマに関して討論し、ホーチミン・ルート研究をすすめていく契機にしていきたいと思います。皆さまのご参加をお待ちしております。
問い合わせ先:藤井美穂 fujii [ at ] cias.kyoto-u.ac.jp
京都大学地域研究統合情報センター 研究員
日時:2009年6月12日(金) 午後3時30分より
場所:新館(共同棟)5階 セミナー室
【発表者①】 佐藤浩介
【タイトル】 ソンライのポピュラー音楽から見たマリ共和国トンブクトゥの地域的特性
【発表者②】早坂麗子
【タイトル】 カメルーン牧畜民の乳製品販売とネットワーク形成
多数の皆様のご参加を、お待ち申し上げます。
日 時:2009年6月6日(土)14:00~18:00
場 所:京都大学川端キャンパス稲盛財団記念館213号室 (2階セミナー室)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
講師:内藤 求(京都大学地域研究統合情報センター客員准教授)
【プログラム】(案)
1.トピックマップの概要
2.トピックマップの作成手順
- 問題領域、範囲の決定
- データ収集
- オントロジの作成
- 主題、関連、出現候補の列挙
- 型の定義 (トピック型、トピック名型、関連型、出現型)
- トピックマップの作成
- テキストエディタ
- Ontopoly (トピックマップエディタ)
- XSLT
- DB2TM
- オントロジトピックマップの作成
- コンフィギュレーションファイルの作成
- バッチの実行
- 専用のアプリケーションを開発
- トピックマップWebアプリケーションの開発
3.トピックマップの構文
4.OKSの使い方
- Omnigator
- Vizigator
- Ontopoly
5.DB2TM
6.トピックマップ問合せ言語 (tolog)
7.Navigator Frameworkを用いたトピックマップアプリケーションの開発
トピックマップは情報リソースを意味的に組織化,管理,検索するための
オントロジー手法の一つです。多様な地域研究情報を結びつけ,ナビゲー
トする手段として注目しています。
参考:http://www.knowledge-synergy.com/topicmaps/document/TopicMaps_Introduction.pdf
連絡先:京都大学地域研究統合情報センター
原正一郎(shara[at]cias.kyoto-u.ac.jp)
日 時:2009年5月29日(金)16:00~18:00(お話の後に懇親会を予定しています)
場 所:小森バイオ研究所(滋賀県大津市真野大野1-6 )
集 合:現地16:00、もしくはJR湖西線/堅田駅改札口前15:20
(堅田駅からはタクシー、もしくは江若バス「生津」行 堅田駅15:27---大野15:35)
発表者:小森 清喜 ((有)小森バイオ研究所)
発表題目:「湖西・真野の暮らし今昔」
発表内容:
真野川(大津市)は、比叡山系から琵琶湖に流れ出る川です。真野の暮らしは、山と川と湖がつながるなかでいとなまれてきました。今回の定例会では、真野に生まれ育ち、比叡山付近の土中から新種の土壌菌を発見された小森氏に、真野における暮らしとその変化について、ご自身のライフヒストリーと重ねながらお話いただきます。
当日の資料と懇親会の準備がありますので、ご出席される方は5/28(木)までに、生存基盤科学研究ユニット研究員の増田和也さん(kamasu[at]mine.email.ne.jp)へメールでご連絡ください。
要旨:
東南アジア島嶼部の研究、なかでもインドネシアを中心に研究をしてきた人間が、どうしてカンボジアについて話をするという無謀な試みをすることになったのか――つまり、この知的迷走は如何に起こり、どのような道筋を辿ったのかが報告の枕である。基本的な問題意識は、東南アジアに限らず一般的に、植民地支配から独立したあとの国民国家は、旧植民地国家の首都を己の首都にする傾向にある、との観察から発する。すなわち、かつての植民地支配の中心を独立の中心としたわけである。これは一体どのように可能だったのか。当然、何らかの首都の物理的な造り替えや、支配の象徴から独立の象徴への読み替えを伴うのではないか、との疑問である。この問いをジャカルタについて検討したあと、比較の観点から東南アジアの幾つかの首都について考えてみた。そのひとつがカンボジアの首都プノンペンである。カンボジアが興味深いのは、単に植民地支配から独立しただけでなく、独立後も幾度かの政治体制変容を経験していることである。政体変容は首都のあり方にどのような変化を与えたのかを、ここでは道路名称の変遷から考えてみたい。資料は限られているが、取り上げるのは植民地期、旧カンボジア王国期(1953~70)、カンプチア人民共和国期(カンボジア国期を含む)(1978~93)、新カンボジア王国期(1993~)である。現在のプノンペンにはどうして数字の道路名が多いのか(プノンペン地図に見る430の通りのうち320、74%が単なる数字の名称)、その理由についても考えてみたい。
京都大学アフリカ地域研究資料センター
第153回アフリカ地域研究会のご案内 (This seminar will be held in English)
日 時:2009年5月21日(木)15:00 ~ 17:00
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
稲盛財団記念館3階中会議室(京都市左京区吉田下阿達町46)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_b.htm
演 題:From prehistory to ethology, from ethology to anthropology :
On complicated human natures.
(先史学から動物行動学へ、そして動物行動学から人類学へ:
複雑なヒトの本性について)
講 師:Dr. Frederic Joulian(フレデリック・ジュリアン氏)
・Associate Professor, EHESS-School of High Studies in Social Sciences, Marseille, France
(フランス社会科学高等研究院(マルセイユ)、准教授)
・Guest Associate Professor, ASAFAS, Kyoto University
(京都大学大学院AA研、客員准教授)
要 約:この講演では、欧米における人と霊長類・古人類との関係の歴史的、学
術的文脈についてたどってみたい。また、それは同時に、80年代中頃以降の私
自身のフィールドワークの軌跡をたどることになる。動物行動学や古人類学がも
たらした、さまざまな逆説について紹介する。昨今、「動物の文化」や「ヒト以
外の霊長類」を、実証主義的で還元論的な欧米的枠組みで定義することは、問題
への取り組みに関して表層的な役割しか果たさず、むしろ学問領域間の誤解を再
強化している。 このような逆説や誤解から抜け出すためには、われわれの思考
を学際的で相互参照可能なフィールドワークに置くべきであろう。そのため、わ
れわれは「進化、自然、文化」という広領域の野心的な研究グループを立ち上げ
た。このプロジェクト内のさまざまな研究を概略するために、西アフリカ(コー
トジボワール、ギニア、そしてとりわけガーナ)からいくつか異なる事例を選ん
で紹介したい。そして、ASAFASの一部スタッフの参加も得て行っている、「境界
面(interface)」プロジェクトについても手短に紹介する。
私のこの講演は、「チャンネル飛ばし(zapping)」的な傾向があると思われる。
私のスライドが、特定の議論の場への入り口を示してくれることを期待している。
なお、下記の論文や著書は、ASAFASアフリカ地域研究専攻事務室や図書室で参照
できる。